鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

トルコにハイブリッドのディーゼル燃料製造装置を輸出したものの実用化とはならなかった理由は?

2017-04-19 | Weblog
 19日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時15分から631号法廷でのKNC石油なるトルコの企業が日本のオービット・エナジー・ジャパンなる会社を相手どって損害賠償請求している裁判を傍聴した。原告席の近くにはトルコ人が数人陣取り、そのなかから責任者ムスタファと名乗るトルコ人が証人席に座り、弁護士の尋問に答える形で証言を始めた。通訳を介して「5年前に被告会社のディーゼル燃料を製造する機械を購入したが、触れ込み通りに設置して稼働させたが、全く動かなかった」と申し立てた。

 なんでも50%の水と50%の油、それに秘密の原料を混ぜるとハイブリッドのディーゼル燃料ができる筈で、日本から技術者らが4人ばかり来て、装置を作ってくれた。代金の2万5000ドルを支払い、4人の滞在費や設置のための費用を現金で手渡した、という。試運転まではうまくいったようだったが、日本からの技術者が引き上げた後に本格稼働に入ったら、ディ-ゼル燃料どころか、石油製品とはいえないものしかできなかった、という。そもそも両社の間に入った通訳が機能したのかが不分明で、製造の原理や仕組みについて両社間できちんとした了解ができていたのか、が問われるような状況となってきた。そのあたりは解明されないまま、原告側の証人の証言は終わり、ここで、傍聴席にいたトルコのKNC石油の一行は証人を終えたムスタファ氏ともども引き揚げてしまい、裁判は代理人の弁護士任せとなってしまう展開となった。

 続いて被告会社の代表者が証人に立ち、KNC石油との交渉の経過を証言し、原告側が秘密の原料と言った物質は触媒であることを明かし、このプロジェクトはトルコでディーゼル燃料を生産するについて、その触媒をどこで調達するか決まっていなかった、と明かし、「いまに至るまで実現していない」と語った。売買代金も2万5000ドルをもらっただけで、全額を払ってもらっていない、とも語った。もともとこの技術を開発したのは7年前で、いまに至るまで理論通りに生産しているのは国内でも1社しか稼働していない、という。海外ではトルコへの輸出だけで、うまくいけばマレーシア、パキスタンへも輸出する計画だった、という。肝心の触媒をどうするのか、両者間で詰めていなかったのは解せない話ではある。

 裁判ではこの技術そのものに踏み込んだ質問がなされなかったようなので、言い切るのは難しいが、聞いている限り、被告のハイブリッド燃料製造装置は廃油の再生技術に毛の生えた程度のもので、大々的に海外へ輸出と言い切れるようなものではないとの印象を受けた。原告のKNC石油ももともとはトルコで病院経営をしている企業のようで、石油にノウハウがあるわけでなく事業の多角化を図るねらいで、オービット・エナジー・ジャパンと提携したようだった。だから、赤子の手をひねられるような形でまんまと話に乗っかったのだろう。ただ、ここは民事裁判なので、被告の非を認めるようなことで、原告が支払った2万5000ドルのうちなにがしかを戻すようなことで決着するのではなかろうか、と思った。
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