詩の現場

小林万利子 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に

言の葉つづり 小篇(19)

2017-06-18 | 言の葉つづり 小篇

17-71)
夜間の点滅信号に
ゆっくり車を走らせる
寝静まった住宅街に
刻まれる無音のリズム
どこの街にも
秒針が時を打ち
花の開く時間を
教えてくれますように

無灯火の信号が
夜明けを待っている
暗がりに
置き去られて
点滅を忘れてもなお、
人間の夜明けを
待っているのだ



17-72)
今朝、今日は金曜日?と近所の小学生達に聞かれ、
そうだよ、よかったね、あと1日だよ、と答えたが、
子供は学校が楽しみの一つかもしれないとも思った。
今日の続きを明日できますように。
夜空の次は朝であるように。
幼子に白い綿毛を摘んでは、
一緒に蒲公英地図を拡げたくなるのです。



17-73)
葉に腰かけて行くのは
何千という風

風の止まり木に
鳥たちは留まることを
遠慮して

隣の木陰に降り立ち
草の小さな白い花を
啄みながら
風の美しい所作を
見つめている

葉の衣擦れの音は
流れゆく水の音にも似ている
時の流れていく音に



17-74)
水色の風が
細い枝に
止まっていた日
呼び止められ

ふっと寂しそうに
優しい歌を歌いだし
葉を揺らしていました

空が透明に近づく時間が
あるのですが
水色はまもなく
次の色に塗り替えられてしまう
そんな刹那に
時々会いにくるのです
今日見た夢を
貴方に話しに



17-75)
本当はね、
みんな手を繋ぎたい
小さな子供みたいに
手を繋ぎたい

ちょっとくらい怒っていたって
笑いだしたくなっちゃうものだから
本当はね
みんな怒るのをやめたいと思ってる
泣くのももういいかなと思ってる
だから
明日は手を繋ぎたい
あなたの不思議を感じたい



17-76)
時々、立ち止まる
仕事に行く途中で右折して山へ登ってしまうことがある
海への道を1日車を走らせることがある
失われていくものは何だろう、
足の向くままは、案外リアリティがあるのだと思うよ。
足は地面から離れたことがないから、
大事なことが聞こえているのかもしれないね。



17-77)
波打ち際を歩くように
良いことと
良くないことの
間を進んでいく

白い波頭が服の裾を
濡らしたら
最初からやり直し
五弁の花がないなら
新しい吉兆を見つけていく

白い貝殻、白い石、白い泡粒
白い花びら、白い風を
瓶に詰めて
貴方へ
世界に一つの
アミュレットに


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