秋も深まり、渓流のシーズンも終盤に入った。
毎年シーズンの終わりが近づくと私は湧水の宝石オショロコマに会いに行く。
尻別水系のオショロコマは余り型物は望めないが愛着が有って好きだ。
今回は数ある水源地の一つに初めて訪れた。
駐車スペースから水源地までの間には昔ながらの素堀の水路が有る。
水深はそれ程深くは無いが梅花藻がなびき、そこが彼らの住処に為って居る様子。静かに流れを見ると風に負け落下したカゲロウかユスリカに慌てる素振りを見せずにゆっくりと捕食光景を見る事が出来た。
フラットな流れの魚はオショロコマでも手強い。7Xのティペットに♯18のコカゲロウパターンを結びライズの上手1mにフワリと着水させ流すも水草が造るとても複雑な流れにドラグがかかり何事も無く流れきってしまった。 この難しさがたまらない。
色々と試してやっと釣れたオショロコマ。
魚体はサビが入り頭から背中は黒ずんで要るがお腹の色は周りの木々の紅葉に負けない程の燃える様な朱色。
冷たい湧水の中でそっと毛鉤を外して流れに返すとあっという間に何処かに消えてしまった。
その後も二匹の宝石に逢うことが出来た。
秋のイブニングは短い。フライが見えなく成った所でストップフィッシング。時折吹く風に肌寒さを感じながら今日の釣りを終えた。