北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

4月の練習スケジュール

2013年03月27日 23時26分55秒 | 合唱

4月の練習スケジュールは次の通りです。

団員各位

4月の練習スケジュールをお知らせ致します。ナザレ園訪問のための練習を6日、もしくは13日に考えています。

2日     山本先生
9日     パン先生
14日    慶州ナザレ園慰問
16日    山本先生
23日    パン先生
30日    お休み

단원 여러분

4월의 연습 스케줄을 알려 드립니다. 나자레원 위문을 위한 연습을 6일 또는 13일에 생각 중입니다.  

02일    야마모토 선생님
09일    방 선생님
14일    경주 나자레원 위문  
16일    야마모토 선생님
23일    방 선생님
30일    휴무      

パン先生との打ち合せ風景です。


学生街のスーパースター、キム グァンソク(金光石)

2013年03月24日 13時42分26秒 | 合唱

合唱団活動の報告が遅くなりましたが、19日(火)はパン先生の練習日。決算月ということもあって、「出席できません」というメールをたくさん、いただきました。

最終的に私と西ヶ谷さんの2名で練習しましたが、遠くから来て下さる、先生にも申し訳ないので、ご多忙とは思いますが、極力、練習にご参加願います。

19日は、シンガーソングライター、キム グァンソク(金光石)の94年のヒット曲、「立ち上がれ」(일어나)を練習しました。この曲は金光石がギター一本で弾いた曲ですが、歌ってみると、意外に合唱曲としてもイケそうです。

 

金光石は90年代前半に活躍した、学生街のスーパースター。人気の頂点だった96年に31歳の若さで、自ら命を絶ちました。

死後17年がすぎた今でも、金光石は、当時の記憶を共有する30~40台の韓国人に絶大な人気があり、ラジオでもよく曲がりクエストされます。

ソウル在住の皆様。韓国の方とカラオケに行く機会も多いと思います。ぜひ、このクラスの歌を歌って、韓国人の同僚の前で、バシッとキメて頂きたいと思います。

大学路にある、金光石の碑。12周忌の2008年に建立されました。

 

ここでは金光石の数多い代表曲の中から4曲をご紹介します。いずれも、30~40代の韓国人なら、みんな知っている曲ばかりです。(日本語は私の参考訳です。)

 

1. 立ち上がれ(일어나)

今年の練習曲です。私は初めて聞きましたが、落ち込んだ時の応援歌として、けっこう人気があるようです。

作詞作曲:金光石

暗い闇の中に立っていて、一寸先も見えない。どこに行けば、いいのか?どこに、いるのか?ふり返ってみても、意味がない。

人生なんて、川の水の上に、浮き草みたいにさまよった挙句、どこか静かな湖の岸にたどり着いたら、水と一緒に腐っていくだろう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

終わりもない日々の中で、僕と君は疲れてしまい、もっと別のふるまいで、もっと別の言葉で、自分を安心させようとしたね。

認めあうことが多いほど、新しいことは、次第に遠ざかり、単に行ったり来たりするだけの時計の振り子のように、毎日、揺りていくのだろう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

軽く生きていくということは結局、自分をがんじがらめに縛ってしまい、世の中がそっぽをむいたところで、僕はどっちみち生きているものを!

美しい花であるほど、早くしおれていき、日差しが指せば、透き通っていた露もあっという間に乾いてしまう。

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

立ち上がれ!立ち上がれ!もう一度、やってみるんだ。立ち上がれ!春の新芽のように!

 

2.塵になって(먼지가 되어)

おそらく金光石でいちばん有名な歌。私も大好きで、カラオケでよく歌います。曲の題名について、ここでは「塵になつて」と訳しましたが、要は、ちり、あくた、ほこり、といった粉塵のこと。細かい塵になって、大好きなあなたのもとに飛んで行きたい、という歌です。

実のところ、この曲は別の歌手が87年に歌ったヒット曲でしたが、91年に別の歌手がリメイクして、またヒット。さらに金光石がビートをきかせて、再々リメイクしたところ、これがまたまた大ヒット。先の2曲より有名になってしまいました。

ちなみに金光石はリメイクの名手で、カバー曲だけを集めたアルバムも出しています。その相当数が元の曲より売れてしまい、今では金光石の歌だと思っている人もいます!

ところで、この歌。分かったようで、実のところ、よく分からない、でも素敵な歌詞ですね

作詞:송문상 作曲:이대현

バッハの旋律に浸った日なら、

忘れていた記憶が咲き出るよ。

風に飛んでいった僕の歌も

口笛の声になって戻ってくる。

僕の小さな空間の中に追憶だけがつもり、

訳のわからない涙だけがちらちら見える。

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、

飛んでいかないと

風に吹かれて君のとなりに

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、

飛んでいかないと

風に吹かれて、君のとなりに

小さな心をみんな集めて

詩を書いてみても、満たされない君。

塵になって、飛んでいかないと

風に吹かれて、君の横に

スッ トゥルル トゥルル ルール

スッ トゥルル トゥルル ルール

 

3. 広野で(광야에서)

これまたリメイク曲。80年代末から90年代初頭。韓国で学生運動が盛んだった頃、学生たちの間で大ヒットした曲ですが、今ではテレビでも時々歌われています。当時の学生たちの民族感情がよく歌い上げられており、深層心理の理解という観点から、特に紹介致します。

韓国は国土の80%が山岳地で、この歌で歌われているような広い野原を韓国国内で体験することは不可能です。ちなみに、「白い血筋」とは、韓国民族のこと。また、題名でいう「広野」とは、歌詞にある、満州の原野(中国東北部)を指しているそうです。韓国人は、この歌を歌うと、心の中のモヤモヤが晴れて、スカッとするそうですが、実際、晴れやかな表情で歌う人が多いですね。私も時々、歌いますが、不思議と大船に乗ったような、スッキリした気分になります。

作詞作曲:문대현

引き裂かれた心を抱いて

消えていった

この土地に血の泣き声がする。

握りしめた2本の腕に

噴き出る

白い血筋がある。

太陽が昇る東海から

太陽が沈む西海まで

熱き南島から

広々とした満州の原野

我々はどうして貧しいのか?

我々はどうして躊躇するのか?

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

太陽が昇る東海から

太陽が沈む西海まで

熱き南島から

広々とした満州の原野

我々はどうして貧しいのか?

我々はどうして躊躇するのか?

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

再び立つ、あの平野で、

握りしめる、熱い土よ。

 

リメイク曲だけで制作したアルバム「もう一度、うたう」。「リメイク=二番煎じ」という社会通念を打ち砕いた金字塔的な作品。金光石によって新たな命を吹き込まれた歌も多く、アクの強いジャケットとともに、再解釈の完成度が大きな話題となりました。

 

4.二等兵の手紙(이등병의 편지)

徴兵制度が存在する韓国では、入隊にともなう、恋人との別れをテーマにした曲がいくつかあります。この歌もリメイクながら、彼の代表曲の一つ。あまり日本に紹介される機会のない歌だと思いますので、韓国社会の理解という観点から、紹介致します。

ただし、この歌で描かれているような光景は、既に過去のものになっているような気がします。本当のところは、韓国の人に聞いてみないと分かりませんが、街中で軍服を見る機会も激減しました。

家を出て、列車に乗って、訓練所に行った日

両親に挨拶をして、門の外に出たとき、

胸の中に何かやりきれない思いが残ったけど、

野草の一本、友達の顔、すべてが新しい。

さあ、新たな出発だ。若い日の人生よ。

友達よ、軍隊に行ったら、手紙を必ず書いてくれ。

彼女との楽しかった日々を忘れぬよう

列車の時間が近づくとき、両手をつかんだ温かさ。

汽笛が遠ざかると、小さくなる姿

さあ、新たな出発だ。若い日の夢よ。

短く刈り上げた僕の頭が最初は可笑しかったけど、

鏡の中に映る僕の姿が、こわばった心まで

裏山に登れば、僕の村が見えるだろうか

ラッパの音が静かに夜空に響けば

二等兵の手紙、大切に折って送ろう

さあ、新たな出発だ。若い日の夢よ。


バリトン ナム ワン(南 完)リサイタル

2013年03月17日 22時57分41秒 | ソウルライフ

合唱団でお世話になっている金社長のご招待で、ナム ワン(南 完)先生のリサイタルに行ってきました。

ナム先生は日本の東京芸大に相当するソウル音大を卒業後、ロシアに留学され、現在は、ロシア歌曲の一人者として、ロシア歌曲の普及、ご指導に努められておられます。また、藤原歌劇団の正団員(バリトン/バス)として、東京の国立歌劇場や横浜県民ホールでもオペラの舞台に立たれています。

ロシア歌曲を熱唱されるナム先生。ご覧のとおり、堂々とした体格で、朗々と歌われていました。

当日のプログラムはロシア、ドイツ、フランス、イタリアと幅広いレパーリでした。ご専門のロシア歌曲については言うまでもありませんが、個人的には、後半に歌われたデュパルク(Duparc)のフランス歌曲が最も印象的でした。天空を駆けるようなイタリア歌曲に感極まって、「ブラボー!」と叫ぶのもリサイタルの醍醐味ですが、しっとりした余韻を味わえる、フランス歌曲も良いものです。

リサイタルが開催された世宗(セジョン)文化会館。ソウル江南(カンナム)の「芸術の殿堂」とならぶ、江北(カンブク)地域、最大の芸術ホールです。

コンサートの後は、みんなで近くのバーに。

LPレコードで埋め尽くされた壁。リクエストもOKです。まろやかななかにも、芯のある音で、PRINCESS PRINCESSの「針がおりる瞬間の 胸の鼓動焼き付けろ」という歌詞を思い出しました。

一日の終わり。どうもお疲れさまでした....。


韓国ラーメンの挑戦

2013年03月11日 22時25分46秒 | 韓国

三清洞に「55番地ラーメン」という、おいしいラーメンの店があると聞いたので、さっそく食べてきました。

日本で私のプログを読まれている方のために、説明しておくと、韓国のラーメンは基本的にインスタント。日本でいうラーメンや、徳島でいう、「中華そば」ではありません。

韓国人にとって、ラーメンは国民食の一つ。卵を入れて、キムチと一緒に賞味するのですが、「どうせインスタント」と侮るなかれ、これがなかなか美味しいのです。

 

当地で評判の55番地ラーメンはどうでしょうか?数あるメニューのなかから、味噌ラーメンを注文してみました。

ひたすら待つこと20分。やっと出てきたのがこのラーメンです。

おっと!なかなかいけそうですねえ.... 具をよーく見ると、日本の味噌ラーメンではないことが分かります。

さっそく賞味してみると、おおっ!なかなかの味です

麺は乾燥麺のようですが、インスタント麺とは思えないコシがあり、のどごしが良いです。

あと具だくさんで、食べても食べても、なかなかラーメンが減りません。一言でいうと、食べごたえがあるのです。これなら、日本人にもおすすめできそう!

韓国料理には絶対に欠かせないキムチ。お変わり自由で、もちろん、このラーメンにも付いて来ますが、これもなかなかの味です。

お店はこんな感じ。伝統的な韓国家屋を改装したもので、この日も大勢の人で賑わっていました。マスコミでも紹介されたらしく、有名人のサインやテレビ放映時の写真がカウンターに飾られています。

看板には「伝統と味が生きているラーメン」とありますが、こんな味のラーメンは初めて。いったい、どういうラーメンなのか?メニューの説明文を読んでみましょう。

 

55番地ラーメンは韓国の伝統食品をラーメンと組み合わせて、新しい味を創出し、韓国伝統の味を全世界に知らせようという、大きな抱負をもって創立されました。

 

おおっ!気宇壮大で、すばらしい意気込みですねえ 「徳島一番のそば屋を目指す」ではなく、目指すは世界ですよ!私を含め、徳島県人は、ぜひこの気概を見習いたいものです。

説明文をもっと読んでみましょう。

 

我々55番地ラーメンは、ほかのブランドとの差別化のため、既存のラーメンスープを使うことなく、我々独自の特別な薬味と、自社開発したスープを濃厚に煮込んだダシを混ぜ合わせ、口当たりがよく、さっぱりとした味のラーメンを提供しています。

すべてのラーメン一杯一杯を、我々の家族が食べるという想いで、注文を頂いてから調理した材料を使い、心をこめて茹でています。

最近、国内にはいって来ている、ラーメン屋に挑み、韓国ラーメンのプライドを築いていこうと思います。どうぞ我々にご注目願います。

カムサハムニダ

55番地ラーメン 家族一同

 

気合がはいっていますねえ....。「最近、国内にはいってきているラーメン屋」とは、ソウルで雨後のタケノコのように増えている日本風のラーメン屋を指すものと思われますが、確かに、これまで食べた、いかなるラーメンとも異なる味です。

「口当たりがよく、さっぱりとした味」(개운하고 시원한 맛)とありますが、これがまさに韓国の味。一方、韓国の人が考える、日本のラーメンのイメージは、脂っこい濃厚な味。ご年配の方が「日本のラーメンは、脂っこくて(느끼하다)、まずい」とおっしゃる一方で、若い人は、トンコツラーメンに代表される、コッテリした日本のラーメンが美味しいといいます。

日本に住んでいた頃、いきつけの寿司屋の主人から、「人は豊かになれば、なるほど、脂ののった食べ物を欲しがるようになります」と言わました。最近、ソウルでも肥満体の人を見ることが多くなりましたが、韓国人の嗜好も、変化してしているのでしょうか?

お店の場所は三清洞のメインストリートから奥に入りこんだ細い裏道。お値段も日本並みですが、メニューは豊富で、どのラーメンも手の込んだ調理法で作られています。

ソウルにお住みの方は、ぜひ一度、ご賞味ください。

55番地ラーメン

ソウル特別市鐘路区花洞55-1番地

02-722-2997


ピアニスト、ユン アイン

2013年03月11日 00時39分03秒 | ソウルライフ

3月9日土曜日、ユン アインのピアノコンサートに行ってきました。

プログラムはベートーベンピアノソナタ第2番、チャイコフスキー18の小品より第5番 瞑想、リストの慰め(Consolations)、ハンガリー狂詩曲第2番、そしてメフィスト・ワルツ第一番という内容でした。

幸運なことに、演奏を至近距離で観賞することができ、ピアニストの運指(ロシア奏法)を間近で見ることができましたが、演奏が進むにつれて、ピアノの音色が五感に響き、演奏そのものに我を忘れて陶酔してしまいました。

ピアノ演奏にここまで陶酔するのは久しぶり。リストとなると、これ見よがしな技巧面に偏りがちですが、確度の高いテクニックと音楽性、そして音楽全体の構成力が高度の次元でバランスした、すばらしいリストだったと思います。

まだ17歳ということですが、すでに数々の国際ジュニアコンクールで輝かしい成績を残されています。これからもモスクワ音楽院で研鑽を重ねられ、ピアノの演奏を通じて、数多くの人々を幸福にできるピアニストとして、大成されることを祈っています。

 

かねてからお世話になっている、アウロスミュージックの林鶴黙代表のご紹介で、演奏終了後に、ユン アインさん、そしてユンさんのお母様と一緒に食事をする機会に恵まれました。

ユンさんは日本のお寿司が大好き。せっかく帰国したので、モスクワでは味わえない、美味しいお寿司を賞味したいとのこと。ついさっきまで、舞台上で演奏していたピアニストと一緒に食事ができる(!)ということで、緊張しましたが、「舎利殿」という、日本人駐在員の間で一番人気のお寿司さんにご案内しました。

ステージ衣装から私服に着替え、美味しそうにお寿司をほうばる天才少女は、素朴で明るい、17歳の女の子でした。

ユンさんと一緒に。私の隣は、ユンさんのデビューCDを製作された、アウロスミュージックの林鶴黙代表。丁寧な仕事で、旧ソ連のメロディア音源の復刻や、韓国の若い才能の発掘に尽力されています。アウロスのCDは日本でも発売されており、林代表は、クラッシック音楽における、私の大恩人でもあります。

ユンさんと手を合わせる私。私は日本人の中でもかなり手が小さい方ですが、ユンさんの手は、その私と同じ大きさです!

「手が小さかったので、ピアニストになる夢をあきらめた。」日本で、そんな話をよく聞きましたが、この小さい手でリストの難曲が弾かれているのですから、本当に驚きです。

お二人によれば、モスクワ音楽院にはもっと手の小さい生徒も在学しているとのこと。手が大きければ、より楽に弾けることは間違いない。でも、仮に小さければ、それを補う、別の方法を考えるだけのこと、と。お話を聞きながら、ピアノのみならず、教育全般について、いろいろと考えさせられました。

幾多の国際コンクール優勝者を輩出した、モスクワ音楽院での毎日、世界最高のピアニストの一人として日本でも名高い、ヴィルサラーゼ教授。私がかつて、ひと夏をすごしたモスクワの街。話に夢中になって、あっと言う間に時間がすぎていきました....。

ユン アイン様。そしてお母様、楽しく、貴重なお話、どうもありがとうございました。皆様のご成功を心より祈願しております。