北岳山麓合唱団

ソウルジャパンクラブ(SJC)の男声合唱団です。毎週火曜日、東部二村洞で韓国の歌と日本の歌を練習しています。

アメリアの遺言 El Testament d'Amelia

2013年01月14日 00時23分53秒 | その他

「アメリアの遺言」はスペインの大ギタリスト、ミゲル・リョベートによって作曲されたギター曲で、カタルーニャー地方に伝わる古い民謡をギター曲に編曲したものです。

民謡で唄われるのは、カタルーニャの古城における、アメリア姫と、夫の継母である義母との愛憎の物語。

ブログをご覧の方は、この曲を聞かれたことがないと思いますので、まずはYoutubeの映像を紹介しましょう。

義母から、なでしこの花を贈られたアメリア。その花を大切に枕元に飾っておいたアメリアは、やがて体調を崩し、病の床につきます。

姫の病状は日々悪化して臨終のときを迎え、枕元の義母に対して、アメリアが語った遺言とは....。

遺言ならば、あなたには
ひとつも嬉しくないものを……

あなたは奪った、まま母よ
わが夫をば、とこしえに
いつも夫が戻るたび
あなたは部屋に引き入れて……

もうこれからは邪魔もなく
お抱きになれます、あのひとを
ああ、なでしこの束ゆえに
わらわの胸はつまります

(濱田滋郎訳詞。スペイン歌曲の第一人者、柳貞子先生のホームページから引用させていただきました。)

アメリアの夫は、義母と深い関係となり、義母は邪魔となったアメリアを毒殺するために、毒を盛ったなでしこを、姫に贈ったのです。

アメリアがすべてを悟ったとき、姫はすでに死の床にありました....。

なんとも悲劇的な結末ですが、アメリアの心情を考えると、どこにでもある「悲劇のヒロイン物語」として片付けることもできません。

この曲は非常に人気のある曲で、幾多のギタリストによる演奏が残されていますが、スペイン芸術のCoreともいえる、「デュエンデ(Duende)を持つ演奏は?」と言われると、なかなかピンとくる演奏が思い浮かばないのも事実。

感情がはいりすぎて、お涙頂戴のあざとい演奏にだったり、やたら技巧が目についたり、楽譜に忠実であるあまり、無機質に過ぎたり....。

決定盤と言われると、やはり、作曲者であるミゲル・リョベートご自身の演奏をおいて、ほかにありません。寡黙な演奏で、音質もいただけませんが、それを補って余りある、世紀の名演だと思います。

スペイン音楽は、かって東芝EMIからHispavox原盤のスペイン民謡集が発売されていましたが、今は絶版。ミゲル・リョベートの復刻CDも今は絶盤で、Youtubeにもアップされていません。機会があれば、私のスペインコレクションからアップしてみたいと思います。

最後に、カタルーニャー出身のスペイン歌謡界の大御所、ジョアン・マヌエル・セラート(Juan Manuel Serrat)のカタルーニャー語による歌をご紹介しておきます。(ちょっと長いですが)映像と一緒に、お楽しみください。


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