soMethin' diffeRent way yu'll See.. tomorrow.
the field of presence
※ ジミーリャオ 幾米 Missing my cat の訳です
2012年01月20日 / ※

ジミー(幾米)さんの
猫の絵本の訳です。
最後の1ページ分だけのせてありません
あなたが自由に想像してみてください。。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
猫がいなくなった
彼と別れたその日の夕方、
彼女の猫が居なくなった。
家の近くをあちこち探し、
猫の名前を呼び続けていると、
しだいに 空が明けてきた。
彼女は疲れはてて家に帰り、
ソファにたおれて眠りこむと、
不思議な夢を見た。
夢の中で奇妙な動物が話してきた:
「君は自分のことを愛していない、
だからもう君のことを愛せない」
目を見開いて彼女を見つめ、意味深な表情をすると、
その動物は 緑の森を飛び跳ねて、消えていった。
驚いて目を覚ますと、
日の光がきらきらとさし込んで、
真っ白いシーツの上に
猫の足跡が3つ 残されていた・・・
きのうの夢が醒めないうちに、
今日の夢がやってきて、
夢か現実か、彼女にはよく分からなかった。
日曜日の朝、
誰かが歌っていると、
彼女は目を覚まして また眠りについた。
夢うつつでいるうちに、彼女の猫は
家を出ていってしまった・・・
「私たちの猫が・・・」
という留守電の声を聞くと、
こらえきれず泣いてしまった。
彼女の髪には枝毛が出はじめた。
浴室では水もれがはじまった。
鍵がふいにどこかへ消えてしまう。
もうだれも彼女を愛していない、彼女自身でさえも。
何が起こったのか彼女にはさっぱりわからない。
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
彼女はすっかり気力がなくなり、
まるで世界が 灰に覆われて、
初夏のさわやかな朝が、またたく間に
真冬の夕暮れに変わったかのように感じた。
彼女はきっと どこかで間違いをした、
彼がとても疲れているときに、
自分を愛してるかと、問い続けてはいけなかった。
明け方に謝ったのに、
夕方にまた同じことをしてはいけなかった…
夜中に目を覚ましては、
悲しみをこらえきれず しくしく泣いてしまう、
猫はきっとそれが嫌になって、
家を出ていってしまったのだろう。
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
ハンドルをきつく握り、車の混み合う中をさまよう、
行くべき方向すらわからない。
猫のことを、ただただ思い、涙が静かに流れた。
泣きながらガソリンスタンドへ入ると、
店員が ほほ笑みかけて言った:
「気を落とさないで、満タンになったら
山の上へ行って 星が見れるよ。」
この街から逃げ出したくても、行くあてが無かった。
一人でどうすればいいのだろう
一生ただひとつのことをして、
同じ部屋に住み、同じベッドで眠り、
同じ景色を眺め、
同じような四季を過ごす。
どうすればできるのだろう
ただ一人のために尽くし、
同じ人を想い続けるなんて・・・
いつも逃げてきて、今でもまだ面倒だと感じてるのに ・・・
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
だっこできる猫がいないと、
何をする気もでてこない・・・
起きて顔を洗う気にもなれない、
食事する気にも、
お化粧する気にも、
出かける気にも なれない、
友だちと連絡するのも、
おしゃべりするのも、
判断したり決めたりするのも、
未来のこと、明日のことさえ考える気にもなれない。
憎んだり、愛したりする気にも、
この世界と向き合う気にもなれない。
もう、何もかも手遅れになってる、
歯磨きや洗顔も、
朝食をとるのも、
猫がなぜ、いなくなったのか考えるのも。
税金の納付書を忘れ、
キャッシュカードの暗証番号を忘れ、
母親の誕生日すらも忘れてしまった。
バラの花はすぐに枯れてしまい、
ゴミは臭いを放ちだした。
母親は留守電で優しく聞いてくれた、
「今度の日曜に ご飯を食べに来ないかい?」
もう愛せないものたちを窓から放り投げたくなった。
枯れた花、期限を過ぎたビタミン剤、
時代遅れの指輪、
色あせた友情、失った思い出、
あいまいな愛情・・・
彼女自身すらも。
彼女はわけもなく怖くなった、
眠ってる間にとつぜん 世界がくずれ落ちたらどうしよう、
目覚めたとき、歯がぜんぶ抜けてしまってたら、
車が高速道路でいきなり火を噴いたら、
彼女の愛する人たちが、実は全然愛してくれていなかったら。
青春が消えてしまい、すぐに老婆になってしまったら。
医者から言われるのが怖い、まちがいなく君は、
重いパニック障害なんだと。
そして、彼女が最も怖れているのは、
猫を探しても永遠に戻ってこないこと・・・
みんなは言ってくれる、怖がることない、
天使が君に微笑んでるよと。
でも彼女にはどうして何も見えないんだろう?
彼女がもし貪欲で、嫉妬深くて、疑い深かったら、
天使は本当に許してくれるだろうか?
彼女の心が、虚しくて、寂しくて、パニックだったら、
天使は本当に同情してくれるのだろうか?
彼女は凍えそうな街の真ん中で、
天使の温もりを求めている。
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
彼女は猫の写真を取り出し、迷い猫のポスターを作った。
彼女はポスターを
街かどの朝食屋さんの中に貼り、
小学校の校門わきにある木にも
道ばたの電柱にも
動物病院の壁にも
ペットショップの窓ガラスにも
町の掲示板にも貼って・・・
それから、彼のポストにもそっと忍ばせた。
彼女は歩きなれた街へ出かけ、
いつもの場所、3番目の街灯の下で彼を待った。
人々がたえ間なく過ぎる通りをぼんやり眺めながら、
夜がふけるまで彼を探した。
彼女はお酒をひとつ買い、
つつじが満開の公園に一人、月灯りの下で飲んだ。
壁のすみに黄色い猫がいて、じっと彼女を眺めていた。
その猫は彼女の猫じゃない、
彼女の猫はとっくに 彼女の悲しむ姿を見なれていた。
彼女は 遠くへ遊びに行くのを想像してみた、
しかし不幸にも大吹雪にあってしまった。
道に迷うのを想像してみたら、
地図が突風で飛ばされてしまった。
甘い夢の世界を想像してみたら、
夢の中のチューリップが全て枯れてしまった。
猫が戻ってくるのを想像してみたら、
扉をたたいても開かなかった。
猫がいなくなってからは、雪でもないのにすごく寒い。
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
友だちは また猫を飼えばと言うけれど
彼女はかたくなに拒んだ。
彼女はどうしてもいなくなった猫を探し出したかった、
同じいろ、同じ模様、同じ魂のあの子を。
友だちは また彼氏を作ればと言うけれど
彼女は黙ってうつむくばかり・・・
『青いぶちのある子猫を見ませんでしたか?
私の大切な猫が、いなくなってしまったんです。
もしどこかで見たら、教えてもらえませんか?
いつでも構いませんので・・・』
そのうち、彼女はゆっくり歩くのが習慣となり、
街の中をひとり、猫を探し歩くようになった。
これじゃまるで落ちぶれた探偵だわ、 と思った、
何の手がかりもない失踪事件を調査してるみたい・・・
いま、
彼女はどの画眉鳥(がびちょう)が
夜明けに歌いだすのか知っている、
どのカポックの木が
先にあでやかな花をつけるのかも知っている、
どの野良犬が
けもの道を抜けて秘密の花園に入っていくのかも・・・
いま・・・
ずっとできなかったことをやってみたいと彼女は思っている。
ガードレールに沿ってゆっくり歩く。
歩道橋の手すりにのって特技を見せる。
59階建ての窓辺に座って、白い雲が飛びまわるのを眺める。
古くて切れそうな吊り橋にこっそり忍び込んで、はしゃぎまくる。
嵐の夕暮れに、防波堤のてっぺんから荒波を見る。
想像すれば 時空を越えてどこへでも行ける。
余震のやまない夜に、エレベーターに乗って遊ぶ;
交通事故で、散らばり落ちた小銭を拾ってあげる;
火事の煙の中、家の中から古い写真を持ち出してあげる;
かごの中に手を入れ ガラガラ蛇の体温を確かめる;
突然、強盗犯の人質にされ、彼との逃亡生活を始める;
彼女は柔らかいソファに沈み込んで猫をうらやましく思う、
あの猫はいま、彼女の想像を現実に生きてる。
お姉さんの猫が公園の池のところで歩いてたよ、と
となりの家に住む男の子が言っていた
昨日、人なつこくて青いぶちの猫にお客さんが会った
そうだよ、とペットショップの女の子が言っていた
君の猫は男の子が抱えて連れていってしまったよ、と
図書館のおじいさんは言っていた・・・
大雨が過ぎ去ると
窓辺で枯れていた薔薇が
奇跡的に新しい芽を出した。
彼女は長い間 クローゼットにしまったまま忘れてた
花柄のロングスカートのことを思い出した。
穏やかな午後、
彼女はそれをそっと繕い直した・・・
日曜の朝、街がまだ眠っているころ、
太陽はいつも通り昇ってくる。
她在半梦半醒间、
听到门外响起熟悉的脚步声、
和一声她思念已久的呼唤:
喵・・・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読んでくれてありがとう。
最後の1ページ分は、あなたが想像して
コメントに書いてくれるとうれしいです。。
| 前ページ |