部族地帯 〜アッサラーム・アレイクム〜

牧良太 日常雑感、取材報告・・・etc.

「アジ研ワールド・トレンド」掲載記事

2012-05-07 22:26:54 | Weblog
アジ研ワールド・トレンド 4月号のフォトエッセイに記事書きました。HPにアップされてますのでご笑覧ください。これも読み返すと我ながら、総論的なことしか書いてないな〜、と物足りなさを覚えるわけですが...。
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記事掲載のお知らせ

2012-03-08 12:56:45 | Weblog
3月8日発売の岩波書店「世界」4月号に、“ルポ 戦乱はアフガニスタンに何をもたらしたか” と題して拙稿9ページ掲載されています。
緊迫のルポルタージュ、ではなく現地での見聞からなる論考ですが、普段のアフガニスタン報道では忘れられがちな視座に言及できたのではないかと思っています。ご関心ございましたら是非ご一読ください。
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2月14日 セミナーやります

2012-02-10 12:59:16 | Weblog
直前ですが下記要領でアフガニスタンの話をさせてもらうことになりました。
ご関心おありの方はおいでいただけましたら光栄です。

=== 以下主催者からの案内メール転記 ===


PJ21 Afghan Seminar 01
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「非国家社会としてのアフガニスタン
 〜民族/部族 国民形成を阻む断層〜」
■講師:牧良太(ジャーナリスト)
■日時:2012年2月14日(火)午後6:45‐9:00(開場6:30)
■会場:京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟地下1B05
http://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/
■参加費:無料(事前申し込み不要)

■要旨:
「9・11」への報復として始まったアフガニスタン戦争から10年。米軍はじめ諸外国
は2014年中に駐留軍撤退の意向を示しており、治安権限の委譲を含めアフガニスタン
政府の統治能力強化が大きな課題となっている。しかしターリバーン政権崩壊後に国
際社会が巨額な資金を投じて国家再建を後押ししてきたにもかかわらず、今だに紛争
は止まず、復興も進まず、富の偏在と政府の汚職が深刻化している。
何が復興を阻み、なぜ紛争は止まないのか?大きな要因としては国民意識にまさる部
族意識や民族意識が挙げられるだろう。30年以上におよぶ紛争と統治機能を失った政
府のもとで、部族社会は地域社会そのものとして人々の生活を支えるとともに、一方
では中央政府の介入を拒んできたともいえよう。
多民族国家であるアフガニスタンには民族、部族、宗派と様々な断層が存在する。そ
して地域や生活環境によっても様々な意識の差があり、ことにこの10年間大規模に行
われた外国の介入は人々の国家意識、帰属意識にも大きな変化を生じさせているよう
に思われる。
アフガニスタンはこれからどこへ向かって行くのか。外国による支援とはどうあるべ
きなのか。10年間の社会の変化、“地べたからの視点”で検証する。

■講師プロフィール
牧良太(まき・りょうた)
フリーランス・ジャーナリスト。1972年神戸市生まれ。同志社大学法学部卒、東京外
国語大学大学院国際学修士。出版社、テレビ番組制作会社等の勤務を経てフリーラン
スとして活動。グローバル化する世界の中での国家や社会の役割と人々の帰属意識を
テーマに、主としてイスラーム世界を研究。「9・11」後は継続的にアフガニスタン
を取材。

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■参考上映 午後5時〜(会場同じ)
「ストレイドッグス〜家なき子どもたち〜」マルズィエ・メシュキニ監督
(2004年、イラン・フランス、89分、日本語字幕)
◎ストーリー:
アフガニスタンのカーブル。母親が投獄されている刑務所に寝泊まりする幼い兄妹。
だが、刑務所を追い出された二人は、何とかして刑務所に入れてもらおうと、知恵を
絞って画策する。戦争の傷跡が生々しく残る中、力強く生きる幼い二人の姿をユーモ
アを込めて描く。
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主催:京都大学大学院 人間・環境学研究科
   岡 真理研究室
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11月27日(日)イベント

2011-11-21 22:50:32 | アフガニスタン
今月27日、つまり次の日曜日、友人がアフガニスタン取材報告の場を設けてくれました。場所は高円寺です。講演というよりは、小さな集まりで写真や動画を交えつつ、ざっくばらんにおしゃべりできたらいいなと思ってます。

そこであらためて、久しぶりに昔の写真など見返して見ていたのだけど、当然ながら随分変わったね。なんだか印象は”相変わらず”なのだけど。ことにカーブル以外は。



これは2002年5月のカーブル。画質が悪いのはポジフィルムを大して性能の良くない家庭用のスキャナーで読み取ったからなのでご勘弁。が、やはり先月見たこの場所とは多いに風情が異なる。白いムスリム帽やルンギー(ターバン)の人が今より多い。というより、今はもっと人ごみが増して、洋装姿の人が随分増えた。ここはどうだったか思い出せないが、カーブル中心街は新装のビルも随分建てられた。



そういった意味では、治安懸念故に復興が立ち後れ、取り残されたように見えるカンダハールもやはり同じではない。これは2004年8月のシャヒーダネ・チョウク。クルマが少ないし交通がのんびりしている。まぁそれでもこの町はカーブルに比べるとあまり変わっていないといっていいだろう。

昔とった写真を見返すことはあまりなかっただけに、こうして久しぶりに見てみるととても懐かしい。中にはジャララバードの友人と肩を組んで写っている写真もある。先月と比べるとやつらはお腹が出て貫禄が増し、子供も増えたのに対し、私は良くも悪くもあまり変わっていないようだ。
なんだかんだと、ゆる〜くあの国のひとたちと関わって、かれこれ10年になる...。
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マスウドという幻影

2011-11-17 23:00:46 | アフガニスタン


2010年12月撮影 パンジシェール

故アフマッド・シャー・マスウドの墓石。



そとから見るとこんな具合になっている。
そして将来はこんな風になるらしい。まるで聖地だ。



マスウドと言えば今では公的な「国家の英雄」だ。カーブル国際空港にもその肖像が掲げられているし、ある交差点にも彼の名前が冠されたし、カーブル中いたるところで彼の肖像を目にする。クルマのフロントガラスに肖像を掲げている人も少なくない。まさに国家的英雄だ。
ソ連軍相手に戦ったイスラーム聖戦士、ムジャヒディーンの代表的人物。そしてその後の内戦期、さらにはターリバーンが席巻するかに思えた90年代後半、かつてのムジャヒディーン司令官たちのなかでは唯一、国外逃亡もせずにターリバーンに抵抗し続けた人である。それゆえに、ターリバーンの圧政からの解放、を謳いたい現政権下では勝利の最大功労者とされる。マスウド派であった、ということは、今でもアフガニスタン政界ではそれなりの力を持つようだ。
ただし、現実にはそう単純なものではない。この9月にブルハヌディーン・ラッバーニー元大統領が暗殺された。対ソ戦時、内戦時、組織的にはマスウドはラッバーニーの下の軍事司令官であった。ラッバーニー政府の国防大臣でもあった。そしてあの泥沼の内戦へと突入した。
ラッバーニー暗殺後、カーブルでは彼の追悼のポスターを多く見かけたし、数千人規模のラッバーニー追悼集会やその暗殺への抗議デモも開催されたという。しかし、ジャララバードでその報に接した私の友人たちは「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と唱え、笑顔すらみせていた。「ヤツが戦争を始めたのだ」「ヤツがカーブルを破壊したのだ」と。同じ批判はマスウドにも向けられる。「マスウドは自分こそがアフガニスタンだと思い上がっていた。」ある人はそう評する。またある人は「ラッバーニーと違ってマスウドは純粋だった。真の英雄だ。」と彼を讃える。ハザーラの多くはマスウド軍によるハザーラ居住区への無差別攻撃を「アフシャールの虐殺」と呼び、記憶し、彼を嫌悪する。
ラッバーニー追悼ポスターはジャララバードでは見かけなかったし、カンダハールでも見かけなかった。その両都市でもマスウドの肖像はときどき見かけないことは無い。マスウドは、彼の信奉者を除けば、あくまで「公的な」英雄なのだ。現政権がターリバーンに打ち勝った(現実にはターリバーンを負かしたのは米軍の軍事力であることは言うまでもない)ことをその正当性の根拠とし、反ターリバーン派の代表人物で、しかもその政権が樹立された時にはすでに世を去っていた、ということで英雄にされているに過ぎない。死者は汚れないし裏切らない。生者が飾り、利用してゆくのみだ。
街中で(カーブルと中北部都市に限るが)マスウドの肖像を多く見かけるからといって、必ずしも住民の多数がマスウド派なわけではない。内戦を生き抜いてきたか後の人にとって、現政権と折り合いを付けるのは文字通り命がけの処世術でもある。今はマスウド派の天下だから「マスウド派でござい」とパコール(マスウドがいつも被っている円盤形のフェルト帽)を被り、マスウドの肖像を掲げている人が、10数年前にはひげを伸ばして黒いルンギー(ターバン)を巻いて「ターリブでござい」とやっていた、ということだってあるだろう。生きるために、イデオロギーなど二の次なのだ。
上のマスウド聖者廟は完成するのだろうか?
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