みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

「読み書き障害」

2013-09-19 23:57:28 | 神経内科
「読み書き障害」脳の2カ所異常 国立精神・神経センター

国立精神・神経医療研究センターの稲垣真澄部長らは、知能は正常でも読み書きがうまくできない子供の「発達性読み書き障害」では、脳の2カ所で異常が起きていることを突き止めた。

■発達性読み書き障害は「ディスレクシア」とも呼ばれ、知能や記憶は正常だが文字の読み書きなどに支障が出る。
この障害を持つ人は国内に100万~200万人いると推定されている。

■障害児では運動調節や認知、学習といった機能を担う「大脳基底核」など脳の2つの領域で活動異常があることが分かった。

出典 日経新聞・夕刊 2013.9.19
版権 日経新聞社


<私的コメント>
健常な大人と子供、臨床診断が確定している発達性読み書き障害の子供の計59人に、音の読み方に関する課題を与え、その際の脳活動を、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使って詳しく調べた研究。
村上春樹氏の小説「1Q84」の中にも「ディスレクシア」の人物が描かれている。



若年性脳梗塞

2013-04-08 14:41:45 | 神経内科
■若年性脳梗塞の上限の年齢に関しては、40歳、45歳、50歳など様々な考えがあり、未だ定義は一定していない。
(15歳以下の発症は、小児脳梗塞として別箇に考えるのが通例)

■「若年性脳卒中診療の現状に関する共同調査研究」(2004年)
若年性脳卒中の頻度は、脳卒中全体のうち、
50歳以下として8.9%、
45歳以下として4.2%、
40歳以下として2.2%

他の文献においても、
若年性を50歳以下とした場合に、7.1~12.3%。

但し、これらは脳梗塞ではなく脳出血も含む「脳卒中」の統計。

■若年者脳梗塞の病型と成因は中高年のそれとは大きく異なる。
中高年の場合は動脈硬化に基づく心血管疾患や心房細動の関与が大きいのに対して40歳以下の若年性脳梗塞は動脈硬化や心房細動の影響は少なく特異な原因によるものが多い。

■抗リン脂質抗体症候群、ウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)、血管炎や凝固異常、脳動脈解離、奇異性脳塞栓症(Paradoxical brain embolism)などが原因となる。
奇異性脳塞栓症の原因となるシャント性疾患としては卵円孔開存症(PFO)、肺動静脈瘻(PAVF)、心房中隔欠損症(ASD)などが知られている。

■PFO in Cryptogenic stroke Study(PICSS)では脳梗塞を発症し、PFOがみつかったものの深部静脈血栓症や塞栓源性心疾患を有さない症例ではワルファリンとアスピリンによる治療効果は同等としている。
心房中隔瘤(ASA、心房中隔が左房側と右房側に交互に突出する病態)がある場合は再発のリスクが上昇するとされているが、その再発予防に関しては結論がでていない。



出典
脳梗塞 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/脳梗塞#.E8.8B.A5.E5.B9.B4.E6.80.A7.E8.84.B3.E6.A2.97.E5.A1.9E