僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

宇宙(ひろし)の夢 11日目(草原のクンクー)

2006年07月17日 | SF小説ハートマン
熱いシャワーを浴び、やや遅い朝食をゆっくりと楽しんだ。
ホットのハッシーミルクと、程良い塩味をつけた鶏肉をふわふわーっと半熟の甘辛卵でからめシリアルにのせたメニューはハートマンのお気に入りだ。
ハッシーミルクは大型のほ乳類(クンクー)の乳を加工したもので、温めても冷やしてもおいしい。

クンクーはC-3惑星に生息し、その星独特の植物ハッシーだけを食べる。ハッシーはとても良い香りの植物だがアルカロイドに似た毒性があり、人間の食用には向かない。
クンクーはグリーンの濃淡まだらの体色、全身がキラキラと輝く半透明の体毛で覆われている。体長は5メートル位だろう。地球にいる牛とカバを合わせたような体型だ。堅い表皮とその色は恐竜をイメージさせる。
だが全くおとなしい。天敵がいないせいかも知れない。体の大きさとは不釣り合いに大きい乳房。そのミルクは栄養豊富で、子供のいないクンクーからも搾乳できる。冷凍加工されたものは周辺の惑星群にも輸出されている。12-3頭の群で生活し「クンクー」と甘えるように鳴くのでそう呼ばれている。酪農も試されたことがあるが、天然のハッシーでしか育たず、C-3惑星以外では生きられないようだ。

セクションとの交信を終えるといつものように駐機場のスペースギアに向かった。コックピットに座り、アイドリングスイッチをONにする。チェックはオートでいいだろう。
エイムサイトはバイオリストコンピュータから昨日調べておいたクラブをインプットする。

ハートマンのスペースギアは。ブーンという低い音と青白いアフターバーナーの光を残して離陸した。   つづく
(画像と本文は、ほとんどいつも関係ありません)
コメント
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