僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。森の葉っぱ、教育的指導、たまに小説、最近は母の介護…

プールサイドストーリー…最後のジェダイ

2017年11月16日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

ほっとしたユキオは自分のクロールで泳いだ

いつもの2ビートキックだ

ゆっくりと泳いでも気持ちがいい

 

「みなさーん、バタバタ急いで泳がないこと-、記録を狙ってるんじゃないですからねー

ゆっくり長く泳ぐのが目標ですよ-、はい、もう1本いきまーす。」

 

ユキオがゆっくり泳ぎ出すと、早速ダースベーダーが

バタ足をもっと強くするように声をかけてくる

 

2-3度バシャバシャとアピールしてすぐ自分のペースに戻る

いくら言われてもそのバタ足では泳げない

しかし、静かな2ビートでも、ゆっくり手を回しても十分にスピードはあるはずだ

 

最後の1本を泳ぎみんなが集まる

「は~い、クロールの練習はこれで終わりにします

次回からはそれぞれの泳ぎを練習しますからね~」

 

やったー、これでやっと平のスタートだな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…バタ足

2017年11月11日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

けのびは問題なかったが

「バタ足」でダースベイダーの攻撃を受ける

 

「頭はもっと下げて、足はもっと上で大きく蹴らないと!」

バシャバシャと派手に水しぶきを上げて進むバタ足が理想型のようだ

 

そんなのやったことないし、だいいちユキオのマスターしたクロールは

全体に水しぶきが上がらない様に泳ぐのがお手本だった

 

案の定5メートルも行かないうちに腿が疲れて進まなくなってしまう

 

「ほら、もっとしっかり蹴って!」

ダースベイダーの容赦ない叱咤が繰り返される

 

ユキオの後からスタートしたバシャバシャタイプの人があっという間に追いつくと

「遅い人は左によって右側を開けて下さいね~」と指示される

 

ビート板を使って25メートルの対岸までのバタ足では2人に追い抜かされる

息も絶え絶えに、ぱんぱんになった腿をコースロープにもたれて休ませる

すかさず

「コースロープにはもたれないでくささ~い」と注意される

はいはい、そうでしたそうでした

 

ギブアップを真剣に考え始めた時、声が聞こえた

「次は25メートルクロール行きまーす」

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…ケノビ

2017年11月09日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

講師の先生は8人、結構沢山のスタッフがいることに安心する

中には真っ黒に日焼けして、いかにも水泳部デスって感じの大柄なお兄さんもいる

全く日焼けしていない色白のおねえさんは、普段事務仕事なのだろうか

大柄なお兄さん一人だけ黒で、後全員は白いキャップを被っているのは、

ストームトゥルーパーとダースベイダーのヨーダようだ。

 

泳法別のグループに分かれる前に先生の自己紹介があった

驚くことに、全体を指揮する先生は一番先生らしくない太ったおばさんだ

 

この人本当に泳げるの?

 

男なら絶対ビールっ腹と冷やかされるだろう、妊娠臨月みたいな体型だし…

さすがに失礼だと思ったので金子さんにも感想は伝えなかったが、

多分ほとんどの人が同じ気持ちだったと思う。

 

そしてその人が言う今後の指導予定を聞いてもっと驚く。

「平泳ぎも背泳ぎも基本はクロールなので、全員クロールの練習から始めます!」

 

え~っクロールはクロールコースの人がすればいいじゃん、

だって平も受講条件が「息継ぎ付きのクロールで25メートル泳げる人」だったはずだし

それいらないから平のキックを教えてよってカンジなり。

 

まずは蹴伸びとバタ足。

「けのび」と聞くといつも「オビワンケノビ」と言いたくなってしまうのは自分だけかもと思い

ついついニヤついてしまうユキオだ。

オビワンケノビとは初期スターウォーズのジェダイだ。心の中でつぶやく…

ア フォース ウィルビー ウィズミー。。

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…初日の血圧

2017年11月08日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

集合場所に着くと金子さんがソファーに深々と座り込んでいた

 

「こんにちは、早いですね」

「早めに来たんだけどね、やっぱり引っかかっちゃった」

 

「何ですか、血圧?」

「そう血圧、家出る時は大丈夫だったんだけどね」

 

「薬は飲んでるんでしょう?」

「飲んでてもダメなのよ、185だって」

 

「え~っそんな高いんですか」

「まぁ時々高い時は高いんだけど、今の時間なら160は大丈夫だと思ってたんだけどねぇ」

 

「高めの人は少し休んでから測るといいって…」

「そう思って早めに来てじっとしてたんだけどねぇ」

 

「まぁだ20分あるから大丈夫ですよ、あとその機械狂ってるかも」

「そっか、こんどはあっちの機械で測ってみようかな」

 

 

 

しばらくして、先に着替えてプールサイドで待機していたユキオの隣に

笑顔の金子さんが座った

 

「オッケー出たんですね」

「159の88でぎりぎりセーフよ、あぁ~あ」

 

「良かったじゃないですか、やっぱり休めば大丈夫なんだ」

「あっちの機械がよかったのかもね」

 

 

 

そして、準備体操が始まる。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…泳法別①

2017年11月05日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

ユキオは早速応募することにして、説明会に参加した

 

毎回体温と血圧を測定し、看護師の問診を受けること

シャワーは浴びずに開始時間までプールサイドで待つこと

キャップには名前を書いた布を貼り付けること

など、注意点を確認する

 

「あなたも受けるの?なに、平泳ぎ?」

 

声をかけてきたのは、いつもプールで顔なじみの金子さんだ

噂に聞いたところでは、中国残留孤児なのだそうだ

金子さんという名前も、中国で金という名字を

日本では金子とか金沢に直す人が多いのだそうだ

 

「はいっ一緒なんですね、いやぁ心強いな」

「何言ってんの、こんなお婆さんじゃ何の役にもたたないわよ」

 

「でも、知ってる顔って1人だけですよ」

「そう言えばそうねぇ」

 

「ちゃんと泳げるようになりますかね」

「アタシはそれより血圧が心配よ」

 

「高いんですか?」

「ほら、基準が160/90以下ってことじゃない、アタシはぎりぎりかも」

 

「適当に書いちゃえばいいじゃないですか」

「ほら、あそこに座ってる看護師、あの人が厳重にチェックしますって言ってたよ」

 

「まぁまぁ大丈夫ですよ、いつも泳いでるんだし」

「ならいいけど…」

 

 

 

と言うわけで泳法別水泳教室が始まるのだ

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…パンフレット

2017年11月01日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

なぁんだ教えてくれないのか、そう言えば鬼コーチが平泳ぎ泳いでるのってみたこと無いし

そう思いながらコースで泳ぐ上手な人を目で追ってイメージトレーニングに励む

 

昨日見たYouTube通りに懸命に泳ぐのに、ちっとも前に進んでいる感じがしない

平泳ぎはクロールと違い、推進力は足の蹴りだという

その蹴りが全くダメなのだ

 

何がどうダメなのかが分からない

自分の泳ぎをビデオに撮影して見せてもらえたら

ちゃんとした泳ぎとどう違うか分かって進歩できる気がするのだが…

 

精一杯強くキックして泳いでも

体は横を歩いている人と同じくらいの速度しか出ていないことに気づきがっかりするのだ

そのうち力尽きてしまうので、とても対岸までたどり着けない

 

あぁ今日も進歩がなかった

気落ちして帰るロビーで目にとまった一枚のパンフレット

 

「泳法別水泳教室生徒募集」

 

これだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…徘徊

2017年10月31日 | ケータイ小説「パトスと…」

イラスト:Samantha French

 

 

 

 

鬼コーチは苦々しい顔で話し出した

 

「あの後な、そっとつけてったんだよ。心配だし」

「雨も降ってましたよね」

 

「小雨だったから濡れてもいいやと思ってさ、いい加減濡れれば止めるかなとも思ったんだけどね」

「そうだったんですかぁ、小雨って言ってもまだ結構降ってましたよ」

 

「そんでさ、風邪でもひかれたら後が困るからさ、一応傘持って追いかけたよ、しょうがねぇから」

「はぁ」

 

「もう帰ろうって言うとな、そこの角曲がるとアタシの生まれた家があるからそこに行くんだって言ってな」

「あるんですか?」

 

「そんなものあるわけない、車で2時間くらいのところにあることはあるけどな」

「そんでどんどん行っちゃうんですか?」

 

「あきれたもんだよ、ほっとけば防災無線のお世話になるってことだな」

「大丈夫でまずは良かったですよ」

 

 

「平はやってるの?」

「はい、蛙じゃないブレストストローク目指してます」

 

「いいね、んじゃまたストリームラインとかだなぁ」

「はい、あと手でかいた後、足を蹴るってやってます」

 

「ほうほう、ストイックだねぇ」

「え、ストイック?」

 

「まじめだねぇって事だよ」

「いやいやそれが全然、前に進まないんですよ、どうしたらいいですか?」

 

「練習練習」笑いながらそう言って鬼コーチは行ってしまった。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…蛙じゃない

2017年10月29日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

「向こうのコースで泳いでるお兄ちゃんがやってるのが本物だ」

「オリンピックの北島みたいな泳ぎですよね」

 

「あんなにうねらなくてもいいけど、やっぱり基本は基本だからな」

「記録よりなんかゆっくりスマートに泳ぎたいです」

 

「ゆっくりでも泳ぎ方は最初にきちんとしたのを覚えといた方が絶対にいいと思うよ」

「はき、研究して頑張ります」

 

「偉いねぇ、パソコンで勉強するの」

「クロールもそれで覚えたし、でもここで教えて下さいよ」

 

「そうしたいんだけど、オレは蛙で覚えちゃったから今更できねぇな」

「え~そうなんですか」

 

「昔と全然違うもんな今のヒラは」

「そう言えば、こないだ鬼コーチの家に行ったんですよ」

 

「何?俺んとこ来たの、いつ?」

「ほら先週の雨の降った金曜日、鬼コーチ来なかったでしょプールに」

 

「ん?あぁそうだ、来るつもりだったんだけどな」

「ユキさんの車で行ったんですけど、なんか取り込み中だったみたいで…」

 

「ユキさんも一緒だったのかぁ、なら声かければ良かったのに」

「ちょっとかけにくいってゆーか…」

 

「ひょっとして婆さんが出てった時かい」

「そうそう、そうです」

 

「あっちゃーあん時か、まずい時きたねぇ」

「はい、すみません、あの後どうなりました?」

 

「ったくよぅ…」

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…ブレストストローク

2017年10月28日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

「よう、だいぶ速くなったなぁ」

クロールでたどり着いた対岸で鬼コーチが声をかけてきた

 

「こんにちは、少しは上達してますか?」

「あぁしてるしてる、やっぱり若いと上達するの早いな」

 

「いやいやぁ、まぁだダメですよ」

と謙遜しながらもやはりほめられると嬉しい

今時、学生の部活だって根性根性ではうまくならない

自分はやっぱほめられて伸びるタイプなのだと実感する

 

「んじゃ今度はブレストだな」

「何ですかそれ、背泳ぎですか?」

 

「背泳ぎはバック、ブレストはヒラだな」

「ヒラって平泳ぎ?ブレストって言うんですか」

 

「ちゃんというならブレストストローク、まぁカッコつけずに平でいいか」

「僕にもできますか?平」

 

「ほらあそこ、あんな婆さんも泳いでるんだからできるさ」

「息継ぎとかは楽そうですよね」

 

「まぁな、で今のクロールみたいにちゃんと泳ぎたいならアレじゃぁダメだな」

「ダメって何がダメなんですか?」

 

「ああやって顔出しっ放しでやってるのは昔の、要するに蛙泳ぎだ」

「蛙泳ぎが平泳ぎのことじゃないんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…進歩は模倣から

2017年10月23日 | ケータイ小説「パトスと…」

イラスト:Samantha French

 

 

 

 

 

25メートル泳ぐ間に何回か息継ぎをする

しなくても死ぬ気になって頑張ればできないことは無いのではあるが

実際、高校時代のテストで泳げないと赤点だぞ、というのがあって

その時は息継ぎとかバタ足とかそんなのカンケーネーって感じで泳いだことはあった

今思い出しても笑える

 

まぁ息継ぎはしておかないと進歩も何もないのでとりあえずする

顔を天井に向けて口をあけるのだ

イルカや鯨は頭の上に鼻があるから息継ぎは楽だね

と思いながら空気を吸う

 

一度に沢山は吸えないので、あっという間に息苦しくなる

傍目には溺れているように見えるかも知れないのだが…

 

家に帰ってまたYouTubeを見、プールでは歩きながら

上手に泳ぐ人をじっと観察して真似るように心がける

 

同じ屋根の下で同じ釜の飯を食って生活していると

顔や表情が似てくると言う

アフリカの奥地の部落を取材したTVでは、女性の生理の日が皆同じだと言う

バッタは数が増え、ある程度の密度になると個体の色が変化し

集団で飛翔するようになると言う(これは多分ちょっと違うね)

 

話が飛躍してしまったが、要するに生き物は

いつもじっと見ていると次第に様子が揃ってくる習性を持っているのではないかと思う

毎日映像を見て、上手に泳ぐ人をじっと見ることで

いつの間にか少しずつ近づいていく訳なのだ

 

ホントかどうか分からないが、そんなわけでユキオも進化をとげ

対岸にたどり着く日を迎えることができたのだ。

 

つづく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー…ツービート

2017年10月22日 | ケータイ小説「パトスと…」

イラスト:Samantha French

 

 

 

 

ビートきよしは今頃どうしているのかな…

って、その話じゃあ~りません。

 

 

一般にクロールは手で2かきする間に足は6回バタバタする

なるべく膝を曲げずに股からキックすると言うのだが

泳ぎ始めて10メートルも進まないうちに疲れ果ててしまう

 

ツービートキックはそれが2回なのだ

 

つまり、ひとかきで足もひとつ

足のタイミングと揃えて手を強くかけばよい

 

TIスイムとは別のサイトだが

クロールの推進力は手のかき7割、バタ足3割だと説明があったのも納得する

 

遊泳時間のぎりぎりで人が少なくなった頃を見計らい

向こう岸を目指して泳ぐ。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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プールサイドストーリー(水泳教室編)クロール

2017年10月21日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

毎日YouTubeを見てイメージトレーニングを繰り返していたユキオは

プールで泳ぎ始めて半年でクロールをマスターした

マスターというといかにもすごいことのようだが

ユキオの中ではプールの向こう岸まで

つまり25メートルを泳ぎ切ることができる、と言う意味だ

 

ネットには様々な泳法のハウトゥ映像が数え切れないほどUPされている

どれも似たようなモノなのだが、

その中でTIスイム(トータルイマージョン)というサイトが

ユキオに合っているような気がして、お気に入りに登録した

 

初めの映像で「ストリームライン」という言葉を聞いた

水中でできるだけ抵抗の少ない姿勢を保ちましょう、という意味だった

 

バタ足をいくら激しく頑張っても

さして推進力にはなっていないなと思っていたユキオに

TIスイムは「ツービートキック」が基本だというのも新鮮だった。

 

 

つづく

(イラスト:Samantha French)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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湖畔を歩きながら…⑤

2017年09月11日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

それは美しい音楽、
大きな荷物はアコーディオンだったのだ。


かなり大きな音量だが全く耳障りでなく、素敵!

ライムライトに始まって小さな恋のメロディ、ふるさと、ジブリで聞いたことのある曲、

題名は分からないがポピュラーなクラシックの曲と途切れなく続く。

 

10曲ほど奏でた後一度アコーディオンは横に置いて休憩。

 


その時初めて顔を向けてじっくりその姿を見た。
それまで目は本の活字を追っていたが、心は音楽に魅せられていた。


顔を向けると、本を読んでる時にうるさい奴だと思ってそうしたのだと勘ぐられて、
演奏を止めてしまうかも知れないことを心配したからだ。

 

大きな公園では時々サックスや尺八の練習をする姿が見られるが、
多分楽器を習い始めの中学生や年寄りの趣味らしきもので、
音楽とはほど遠い聞くに堪えないものだったりすることが多い。

 

使い込んだらしいくたびれたアコーディオンからこんな美しい音が出るなんて…
この人はいったいどんな人なんだ。


読んでいた本を閉じ、向きを変えて聴衆になってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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湖畔を歩きながら…④

2017年09月10日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

風が心地よさを通り越して寒くなってきたので場所を変えることにした。


ぐるっと歩きながら心地よい場所を探す。

ベンチは沢山あるがほとんど空いているのでお好きなところに座り放題という感じだ。

何度めかでちょうど良い場所を見つけ、本の続きを読み始める。

 

犬の散歩の人が少しずつ増え、お互いに挨拶したり喧嘩のように吠え合うのを必死で止めたりと騒がしくなってきた。

 

そんな時大きな荷物を担いで隣のベンチにやってきた人がいる。
横目でそっと見ると、初老のやつれた感じの人だ。


 

申し訳ないが、その時はホームレスなのかと思ってしまった。


しばらく休んでいたが、ごそごそする音に目を向けると大きな荷物の中から何かを取り出す。


そこでも申し訳ないが、ホームレス特有の家財道具を取り出しているのだろうくらいにしか思わず、

なるべく見ないようにしようと決めて本の続きを読み続けた。

 

 

そして夢のような驚くべきことが始まった。
起きた、のではなく、始まった、のだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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湖畔を歩きながら…③

2017年09月09日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

足下の草むらで何かが動いた。


覗いているとカナヘビの子供がちょろりと出てきた。
こいつは朝の太陽で体を温めていたところ急に人間が現れて慌てたのだろう。

カナヘビはトカゲだけど、どうもあまり好まれない生き物だ。

切れたしっぽがくにゅくにゅを動くのを見て

得体の知れない生命を感じたことが誰でも一度はあるだろう。

へびが蛇に聞こえるので、どうしてもにょろにょろしているイメージになってしまうのかも知れない。
青く縞になっててらてら光っている日本トカゲの方が蛇っぽいし、

危険を感じたときシッポを切って逃げる習性はこっちの方が多い気がする。

 

そもそも爬虫類っていうのはどうしてこんなに嫌われるのだろう。

その辺に沢山いるのにとてもキモチワルイものにされている。
一部の毒を持っている蛇や凶暴なワニが全体のイメージを悪くしているような気がする。
顔が強烈にカワイクナイと言う人もいるが、近くでよく見て欲しいとカナヘビに代わって訴える。

 


カナヘビは幼い頃箱に入れて飼育したことがある。

餌になるコオロギを探しに草むらをかき分けたり、手に乗せて角砂糖をかじらせたりした。
三角にとがった口の中に柔らかそうな肉厚の舌が動く様は、恐竜に憧れるそれと同じかも知れない。

もっとも骨でない生きている恐竜が目の前にいたらカワイイなんて思いもしないのだろうが。

まてよ、草食のおとなしめの恐竜が今いたら、ペットにしてしまうに違いないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

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