母親の嫉妬と幸せ恐怖症

読んでいてとても怖くなった本をご紹介。



岩月謙司著『なぜ、「白雪姫」は毒リンゴをたべたのか』

白雪姫の物語を例に挙げながら、
子どもに嫉妬する親（特に母親）と、
親に嫉妬されながら育ち、
”幸せ恐怖症”になる子ども（特に娘）について書かれています。


親が子どもに嫉妬し、自分より幸福になることを許さない


そんなことってあるの！？と思う方もいるかもしれませんが、
あるんです。


でも子どもは親に愛されたいと願うもの
だから、親の希望通りに親以上に幸せにならないように、
自ら幸せを遠ざける行動をしてしまう

こんな風に生きている人も多々いるみたいです。

そして、まさしくうちの母娘関係がこの状態でした。


うちの母は小さい頃に両親が離婚。
父親に引き取られ、父親の内縁の妻に育てられました。
兄妹もなく、寂しい子ども時代だったようです。
二十歳そこそこで父と出会い、
駆け落ち同然で結婚するものの、
父は38歳で入院し、45歳で亡くなりました。

姉とワタシは1歳になる前から、他人の家に預けられ育てられていました。
事情は色々あったと思いますが、
可愛いわが子をそんな小さなうちから手放すことが出来るものなのか？
これはワタシが長らく疑問に思っていたことなんですが、
この本を読んで、全ての謎が解けた感じです。


母はワタシたちに嫉妬していたんだ…

やっと掴んだ父親の大きな愛を、姉やワタシに獲られるのを恐れたのでしょう。

以前、母からもらった手紙にもこう書いてありました。

あなたたち（姉とワタシ）はいいわね。
ママもいるし姉妹もいるものね。羨ましいです。


母は娘たちに嫉妬し、
娘は無意識のうちに母の嫉妬を和らげようと生きてきた…

この本は核心をズバッと突いていたので、
読んでいて背筋が寒くなりました


ワタシはずっと『母に愛されたい』と思い続けていましたが、
死産後、母から
『あんたの100倍悲しいわ』と言われたことをきっかけに、
その思いを吹っ切ることが出来ました。

あぁ、この人は自分が一番なんだな、
自分以上に人を愛することができないのだから、
この人に愛を期待するのはやめよう…

そう思うことで、ワタシはとても楽になったし、
”愛されたい”思いよりも、
”愛する”思いのほうに重心を移動させることによって、
優しさ、思いやり、感謝の気持ちが生まれました。
そのことが本にも書いてありました。

親に愛を期待しなくなれさえすれば、
幸せ恐怖症は消滅します

と…。


しかし、これからワタシに子どもができたとき（特に娘）、
果たして嫉妬しないでいられるのか、
それは以前から不安に思っていたことなんです。

ワタシも両親の愛情をさほど受けずに育ちました。
タカ君という優しいお父さんに愛される娘に、
自分の子ども時代を重ね合わせ、

あなたはいいわね…

と、うちの母のように思わないでいられるのか。


それを防止するにはただひとつ。

夫婦仲をよくすることだそうです。
結局、夫に愛されていない不満から、子どもに嫉妬心が芽生えるのです。

白雪姫を殺そうとした母親（初版は実の母親だった）は、
名も富も美貌も持っていたけれど、
実は王である夫に愛されていなかったのではないか、
そして誰からも愛される美しい白雪姫に嫉妬をしたのであろう、
こんな怖い解釈を著者はしています。


だとすると、わが子に嫉妬することがないようにする為には、
タカ君を愛し、愛され続けるような努力が必要と言うことですね。

いつも不平不満を言ってたり、
可愛くない態度をしていたら、
愛されるものの愛されなくなっちゃう…


嫉妬による苦しみの連鎖は、
ワタシで止めたいものです