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みなさん、おはようございます。ミナモですぅ。
3月がこんなに忙しいなんて…。 ぜんぜん思っていませんでした
お友だちブログにも行けず、自分のブログアップさえままならない…。
楽しみに訪問してくださった方、ほんと、ごめんなさい
ゆっくりですが、アップと訪問…していきたいと思いますので、
見捨てないでね~~~
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ホールを出ると、海香とツキヨミは海中を進んで扇松に向かった。
そしてそのまま、海岸の洞窟の中まで進み顔を出した。
洞窟の中では、マサオが岩に腰掛けて待っていてくれた。
「おかえり」
とマサオが声をかけた。
「ただいま」
海香は答えてから、
「えっと…さっきはありがとう。
おかげで、大ばあ様との約束が守れたよ」
と照れくさそうに言った。
マサオはとぼけた様子で、
「何の事だい? 」と言って笑った。
それを見たツキヨミが、不思議そうに海香にたずねる。
「どうかしたの? 」
「ううん。何でもないよ」と、海香は答えて笑った。
早速マサオが、昨日と同じ様に海香の服と体を乾かしてくれたので、海香は学校帰りと何一つ変わらない姿になった。
「じゃあ、また明日」
と言って洞窟を出ようとした海香は、大事な事を思い出した。
「そうだ! 海洋博物館に、人魚を捕まえて入れる計画があるんだって。
ツキヨミ、皆が人間に捕まったりしないように、気をつけてね」
「分かった! ありがとう」
ツキヨミは、真面目な顔になって答えた。
それを聞いて、マサオは立ち上がると、
「まぁ、いざとなったらオレがいるから大丈夫。
ツキヨミたち人魚が海底を出る時には、必ず連絡が来るし、オレもここで見張るんだからさ。
ほら、海香は心配しないで家に帰りな。今日は色々あって疲れてるだろ? 」
そう言って、海香を洞窟から送り出した。
「うん、じゃあ大丈夫だね。ばいばい」
海香はその言葉に安心して、家に向かった。
マサオが時間を戻しておいてくれたので、海香が家に着いたのは、学校から寄り道せずに帰るのと、大差ない時間だった。
玄関に入ると、夕飯の支度をする良い匂いが漂っている。
「ただいま」
と言うと、台所からお母さんとおばあちゃんの、
「おかえり」
と言う声が聞こえ、居間からはお父さんの
「おかえり」と言う声が聞こえた。
「あれ? おじいちゃんは? 」
海香が、靴を脱ぎながら聞くと、
「じいちゃんなら、自分の部屋にいるよ」
と、お父さんが答えてくれた。
「ふーん。ありがと」
海香はそのままおじいちゃんの部屋に向かった。
「おじいちゃん? 」
ふすま越しに声を掛けると、おじいちゃんが顔を出した。
「おお、海香か。おかえり」
「何やってたの? 」
海香がおじいちゃんの部屋に目をやると、この前のウロコの箱が畳の上に置かれていた。
「ウロコを見ていたの? 」
海香が小さな声で聞くと、おじいちゃんは黙ってうなずきながら、海香を部屋に招き入れた。
ふすまがしっかりと閉じられたのを確認すると、安心したようにおじいちゃんは話し出した。
「いやこの前、海香にこれを見せようと思って、久しぶりに出したじゃろ?
そしたら、何だか懐かしくっての。こっそり眺めておったんじゃ」
「そっかぁ。おじいちゃんも、懐かしいんだね」
海香がそう呟くと、
「どういう事じゃろうかのう? 」
と言って、おじいちゃんは不思議そうな顔で、海香を覗き込んでいる。
「ねぇ…おじいちゃん、驚かない? 」
海香は、じっとおじいちゃんの顔を見つめて言った。
すると、「この歳じゃから、少々の事では驚かんよ」
と、おじいちゃんは笑っている。
「じゃあ今から私が話す事を、ちゃんと信じてくれる? 」
海香は、そのまま目をそらさずに、おじいちゃんに言った。
その問いかけにもおじいちゃんは、
「もちろんじゃとも」と優しく微笑んで答えた。
それを聞いて、海香は安心して話し出した。
「じつはね、私、そのウロコをくれた人魚に会ったの…」
どこからどう話して良いか分からなかったが、海香はずっと秘密にしていた、ツキヨミとの出会い、人魚の世界、魚神様、その化身のマサオ。
悪しき人魚、大ばあ様との出会いと別れ、魚崎の海洋博物館の事、それからツキヨミのお母さんの事…。
話が前後したり、それを訂正しながらだったりしたが、一生懸命おじいちゃんに話した。
おじいちゃんは、黙ってうなずきながら、海香の話を最後までしっかりと聞いてくれた。
「そうか…まだ人魚はいたんじゃなぁ。
でも、海香はこんなに小さいのに、よくもそれだけがんばったのう。偉かったのう」
おじいちゃんは、そう言って、海香の頭を撫でた。
「おじいちゃん、怒らないの? 」
海香が聞くと、
「なんで? 怒るもんかい」
と、おじいちゃんは驚いたような顔を、大げさにしてみせた。
「だって、行っちゃいけないって言われた扇松にも行ったし、会っちゃいけないっていう人魚にも会っちゃったし…」
海香が不安げに言うと、おじいちゃんはそれを遮って、
「いや、そしたら海香は後悔してるのかい?
人魚に会ったことや、色んな経験をした事を」と聞いた。
「ううん。後悔はしてない。
してないけど、お父さんやおじいちゃんが、心配して言ってくれた事を守らなかったから、てっきり怒られるかと思って、覚悟して話したんだ」
海香は素直に自分の気持ちを言った。
おじいちゃんは優しく微笑んで、
「確かに、海香はまだ子供なんじゃから、じいちゃんやお父さんの言う事は、聞かなきゃいけないじゃろう。
でも海香の話を聞くと、海香が人魚に出会って関わりを持って、人魚を助ける役目になる事は、きっと昔から決まっておったんじゃろうな。
だって、誰にも代わりが出来んのじゃからのう。
海香が、言う事を聞かなくて悪かったっていう気持ちを、どこかでしっかりと持ってさえいれば、それはそんなに気に病む事じゃないじゃろう。
だいいち、海香が人魚の世界に行かなけりゃ、わしを助けてくれた事のお礼も言えなかったんじゃし、何より、魚崎の守り神の魚神様が、海香の味方に付いてくれてるんじゃから、何も心配はないじゃろ」と言ってくれた。
海香はほっとして、胸を撫で下ろした。
「だが人魚の事は、今はじいちゃんと海香の秘密にしておこう。
そんな事を言ったら、人魚に会った事の無いお父さんたちは、心配してしまうからの。
まぁ、それにしても、町のやつらはひどいのう。
海洋博物館を建てるだけでは飽き足らず、人魚を見世物にしようと企んでるとは…。
わしは、あの時助けてもらった身じゃからな、人魚には大きな借りがある。
よし、こうなったら、断固として町と戦うぞい。
わしらと人魚の海を、守らにゃいかん」
おじいちゃんはそう言って、せかせかとウロコをしまうと、部屋を出て行った。
海香も慌てて、おじいちゃんについて部屋から廊下に出ると、カッカとしながら居間に向かうおじいちゃんの勢いに、圧倒されて立ち止まっていたお母さんと、ばっちり目が合った。
「海香! あんた自分の部屋で宿題やってたんじゃなかったの?
一体今までおじいちゃんの部屋で、何やってたの! 」
海香は、お母さんの雷が落ちきる前に、
「今日の宿題は、家族会議なの! 今、ランドセル置いてくるから! 」
と言って、駆け足で階段をのぼって行った。
部屋のドアを開けると勢い良くランドセルを投げ込み、急いで居間へと下りて行った。
居間ではお父さんが、興奮しきってるおじいちゃんをなだめている所だった。
「まぁまぁ、じいちゃん、落ち着けって。
ほれ、ビールでも飲んでさぁ」
「それどころじゃないわい。
ビールなんて飲んで酔っ払ってる間に、町のやつらが扇松を埋め立てちまったら、どうするんじゃ! 」
「なんだよじいちゃん、そんなに興奮して。
いくら何だって、そんな勝手な事をおいそれとできるわけねぇべよ。
しかもこんな時間によぉ」
「でもね、お父さん。
今日扇松に何かを測ったりしてる人が、たくさん来たんだって。
担任の小沢先生だって魚崎に住んでるのに、博物館の話を全然知らなかったっていうのにだよ。
きっと、町の皆に内緒で博物館を建てようとしているんだと思うよ」
海香がそう言うと、お父さんは、
「それ、本当か? 」と、聞き返してきた。
「うん、本当だよ。
今日、クラスの皆で博物館の事を話し合ったんだけど、知らないお家が多いみたい。
それで、皆それぞれ家族で話し合ってくるっていうのが、宿題になったんだけど…」
「かぁ~。なんちゅうこった! 」
突然の声に海香が振り返ると、おばあちゃんが仁王立ちして、これでもかと顔を思いっきりしかめていた。
「ばあちゃん…」
お父さんが驚いて、思わず呟くと、
「ばあちゃん…じゃないわい!
そんなところでもたもたしてねーで、早く町長のところにでも行って、抗議してこい!
なんだったら、わしが首根っこつかまえて来たっていいんだぞ。
あいつぁ昔、わしがよくオムツを替えてやった、ハナタレ坊主なんだからな。
わしに黙って勝手な事をするなんざ、百年早いわい! 」
と、おばあちゃんは鼻息を荒くして得意げに言った。
「ハ…ハナタレ坊主…? 」
お父さんが笑いをこらえて、おばあちゃんに聞き返すと、
「そうさ。昔は漁師の女同士、隣近所助け合って生きてきたんだ。
自分の子も他人の子もなく、皆で同じ様に育てたんだ。
だからあいつがハナタレなのも、わしはよーく知ってる! 」
とおばあちゃんはうなずきながら、もっともだという風に言い、はたとわれに返ると、
「ハナタレの話はいいから、早く町長の所に行って来い! 」
と、大声でお父さんに言い放った。
その声にお父さんは大げさに肩をすくめてから、慌てて家を出て行った。
おばあちゃんは、やれやれとため息をつきながら座って、
「しっかし…なんで今さらそんなもんを、この町に建てようと思ったのかねぇ」
と、大きなため息と一緒に言った。
海香がおじいちゃんの顔を見ると、おじいちゃんは黙って海香に微笑んで、
「最近漁獲量が減ってるから、町を潤わせるつもりで考えたんじゃろうが、そう簡単に潤うわけがない事ぐらいすぐにわかるじゃろうに…。
どこか大きな力を持った所からの差し金でもなけりゃ、こんな大事な事を町の皆に内緒でやったりせんじゃろう」
と、おばあちゃんに言った。
「ふん。どこも権力、権力じゃな。
今頃、魚神様が嘆いておるじゃろ」
おばあちゃんは呆れた顔でそう言うと、よっこらせと立ち上がって台所へと戻って行った。
「おじいちゃん…」
海香が心配そうな顔で言うと、おじいちゃんは、
「大丈夫じゃ、海香。
今、お父さんが町長に話をしに行ってるし、町長はばあちゃんの事を良く分かってるんじゃから、めったな事は出来んよ。
それに、博物館の目玉にしようとしている人魚がつかまらなくちゃ、どうにも動けないじゃろ。
そっちの方は、魚神様がしっかりと守ってくれてるんじゃから大丈夫じゃ」
と、海香を安心させるように、優しく言った。
「そうか…そうだよね。
人魚がつかまらなければ、博物館を建てる意味がないんだもんね」
納得した海香から、不安が消え去るのを見届けると、おじいちゃんは小さな声で、
「じいちゃんと海香の作戦勝ちじゃな」と言った。
「作戦? 」
海香が聞き返すと、おじいちゃんは、
「しーっ! 」
と言って人差し指を口に当てて、ちらっと台所をうかがってから、
「ばあちゃんが動けば、全てがうまくいくんじゃ」
と、いたずらっ子のような笑顔で、小さく笑った。
忙しくてなかなか読めないんだ。
だから、まとめて読ませてもらってるよ。
けどね、まとめて読んだ方が、
なんか話がつながっていて、引き込まれるんだよね。
その辺をコメントしたいんだけどさ、
なかなか、他のみんなのコメントの素晴らしさを
見ちゃうと、思わずしり込み。
しかも、なんか毎回見てる人に失礼かな?なんて思ったりもしてね。
理由にもなってないね。あはは。
コメントしなくても、楽しみにしてる人たっくさんいると思うよ。
だってランキングとか見たら一目瞭然ジャン?
ミナモさんも無理せず、頑張ってね。
前作の【龍頭の丘】を毎日更新した大変さから、ほぼ2日おき更新にしようなんて考えていて…。
でも、ここにきて一気に忙しくなっちゃって
なんかもぅ、どうしてよいやら分からなくなっちゃてたもので…
まとめ読み。
そうですよね。この作品はすでに完結しているものなので、その方がスルスルと読めるかもしれません
読みたいスタイルで楽しんでくれると、嬉しいです
あ、しり込み…ね。
あまり気にせず、気楽にコメントしてもらえたらいいかな??って思いますよ。
おじいちゃん、おばあちゃん。本当に頼りになる!
そして学校の宿題になったことも大きく影響しそうですね!
忙しい時期ですよね。らんららなんて、ブログは月一更新ですから(酷すぎ…笑。
お互い様ですよ♪まだ寒いですし、お体には気をつけてくださいね♪
ps.sadayaannさん♪
お気になさらずに♪
私も小説書きますが、コメントはまとめ読みと一話読みとで微妙に違ってきますから、それぞれ作家さんにとっては嬉しいものです。
毎回馴れ馴れしくコメントさせていただいています。作品の雰囲気を壊してしまっていたらごめんなさい(^^;
と、この場を借りて…。
家の中ってのは、女の人(この場合ばあちゃん)が強力なエンジンになって動き出す、ってことがよくあるものね。さすが、よくわかってる。
コメントも作品執筆も、お互い肩に力を入れず楽しんでいきましょう
今は少し落ち着きましたけど
あ、らんららさんのコメントはね、すっごく嬉しいですよ。
なんか、楽しくなってくるんですよね~
だから、雰囲気を壊すなんて事、ぜったいにないですね~
ありがとうございまっす
sadayaanさん、らんららさんのコメント、読んでくれるかなぁ??
自分でも、勝手に動き出すこの家族に、ゲラゲラ笑いながら書いてましたもん
力を入れずに。
まったく、その通りですよね
なんせ、私自身、読みたいんですよ。皆さんの作品を。
続きが気になって仕方無いんです。
でも、じっくりと読む時間を取れなくって、そのジレンマがね…。
ハッキリ言ってピークでした。
この前やっとまとまった時間が取れたんで、皆さんのブログをグルリと回らしてもらって、コメントさせてもらって…
すっごい至福の時間でした~
でも松果さんにそう言ってもらったら、なんかホッとしたな~
ありがとうございました
そうだよね。コメントってあるとうれしいもんね。
僕もそうだしね。
やっぱ、これから感想書いていきますね。
ってか、忙しくて18話で止まってます。
早く読まなきゃ、前のを忘れちゃうよ・・・アハハ。
ありがと♪
ゆっくり楽しんでくださいね