fromイーハトーヴ  ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『福島の花さかじいさん』森川成美(佼成出版社)

2017年03月03日 | 本の紹介
 副題は、「阿部一郎~開墾した山を花見山公園に~」

        中学年~

 写真家秋山庄太郎さんが、「桃源郷」おっしゃったという花見山。もともと個人の山だったところを開墾し、桜を中心に、様々な花を植え、一般に無料公開していらっしゃいます。
表紙、そしてページを開いてすぐの写真の美しさ。まさに桃源郷。
 行きたい! 

 本は、この桃源郷を作った阿部一郎さんと、そのご家族のノンフィクションです。

 阿部さんのお宅は、戦前一度は、事業に失敗し、この山も畑も家をも手放さざるをえませんでした。八方ふさがりの中、山の木を伐って薪にして、また山に自生する草花を町に持っていき、売ることから、生計を立て直したのです。でも、これが先見の明というか、花を売るということを他の誰もやっていなかったときに始めたことになったのです。

 木は伐れば、なくなる。だったら、そこに花を植えよう。
 阿部さんの開墾が始まります。
 簡単なことではありません。
 私が一番感動したのは、ショベルカーなどの機械のない時代、山の木を一本一本切って、根を掘り起こし、という気の遠くなるような作業をされたことです。一つの山を全部! 
 人間って、そんな力があるんだ。すごいです。
 そして、この花見山公園ができたのです。
 
 子ども向けのノンフィクションなので、とても読みやすいです。でも、ぎゅっとつまった阿部さんの人生は、感動もの。すばらしい本だと思います。
 あの日から、様々な思いとつらさを抱えてらっしゃる福島の方達にとって、この本は、嬉しい一冊なのではないでしょうか。東北の春は四月から。今年も阿部さんの植えられた花が咲くことでしょう。
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