児童文学評論家土山優さんが、「ブックプラザ」というコーナーで、『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)を取り上げてくださっています。
(前略)この物語が為す重層構造。そして世界観の対比、陰と陽、実と虚、具と不具らが描かれる。表現力が素晴らしい。ふと「遠野物語」を想起する。興味をそそられる記述は読むほどに増えていくが、何度読んでも惹きつけられるのは庭の桜木をただ眺め続け、物言わぬ老女妙である。(中略)老女妙に一切を語らせぬ作家の心持ちが潔い。
語らせずに表現する。意図してやったわけではないのですが、それができていたら、こんなに嬉しいことはないです。
ありがとうございました。
嬉しい、楽しい、美しい、きれいなどの言葉を使わずにそれを表現することが文学。という初心を思い出させていただきました。 児童文学、特に幼年のものを書くと、ついこの上の言葉、他にも「怖いとか、悲しい」を使ってしまうんです。
泰山木