子供の頃、私達がおやつを食べようとすると
祖母は必ず「一口けろ。(@一口ちょうだい。)」と言った。
お菓子などはまだいいが、
飲み物系は口をつけることになるので必然的にみな嫌がった。
祖母の分もコップを持ってくるからというと、だったらいらないと言う。
自分の分のコップがあるのをうっかり誰か(主に母)に見られたら
どんなに一口でもいっぱい飲んだと思われる恐れがあるので
何が何でも自分以外の人物からもらわないといけないのである。
ある時、私と妹がジュースを分けているといつものように祖母の「一口けろ!」が始まった。
私はジュースを持って離れた席に座ったので、
祖母の標的はすぐそばにいた妹のジュースにロックオンされたようである。
妹は絶対あげなかったのだが、ちょっと何かを取りに茶の間を離れたすきに
祖母はすかさずジュースに手を伸ばし一口飲んで元に戻した。
ほどなく戻ってきた妹は何かを察知したのか「飲んだでしょう!」と祖母を問い詰めたが
祖母は「飲みえんちゃ!(@飲んでません!)」と、
あたかも何を言う!という調子で強く否定していた。
その一部始終を私が全部見ていたのだけれども・・・?
そんな調子なのでまったく信用ならないのであった。