文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

東電事故の報道に思う

2016-10-13 20:10:23 | オピニオン

 東京電力の地下ケーブル事故で、東京で大停電が発生した。原因はケーブルの油火災のようだ。問題のケーブルは経年35年だそうだが、あのころの設備なのでOFケーブルという油を使った古いタイプの設備だった。ちなみに現在主流のケーブルはCVケーブルといって油を使っていないので、同様の事故は発生しない。

 テレビでこの事故の報道を見ていると、キャスターが変なことを言っていた。正確な言い方は覚えていないが、電力は設備に対して事業報酬率をかけて利益を得ているので、このような古い設備が残っているのはけしからんといった論調だった。

 彼は、この事業報酬率ということについてまったく無知だということを公言しているものだが、普通の人はその通りだと思うだろう。事業報酬率とは、電力供給に使う設備の簿価に対してこれをかけて電気料金に参入しているものだ。ところがこの報酬率という言葉が独り歩きして、誤解を招く。実はこれが全部利益になるわけではなく、ここから、設備を作るための借入金の利子を払っていく。またこの値も、託送料金計算においてはわずかに1.9%である。

 また減価償却費というものもあるが、古い設備では、当時とは物価が違うので、これだけでは同様の設備を更新するわけにはいかない。減価償却費の範囲で設備を更新しようとすれば、年々古い設備がたまっていくはずだし、銀行などから借り入れて設備をつくろうとすれば、こんどは利子負担がかかってきて事業報酬などふっとんでしまうということだ。テレビという公共の場では、自分の思い付きで意見を述べるのではなく、そういったことをきちんと勉強したうえで、もっと建設的なことを言うべきではないかと思う。

 
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