文理両道

サラリーマン免許試験合格数日本一(たぶん)。理系文系の両方で90近くもの資格試験に合格した体験を披露。

電気の周波数の違いは簡単には乗り越えられない

2011-04-27 18:54:44 | オピニオン
gooニュースに次のような記事が載っていた。

東日本大震災 立ち上がれ!モノづくり大国 「節電しか方法がない」のではあまりに悲しくないでしょうか? 周波数の違いを乗り超えて関東に電気を送るには(その2)(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース


 この記事の要旨は、周波数の違いを乗り越えて、関東に電気を送電するためには、「60Hzの22kV配電線を、中部電力に隣接する静岡県東部・山梨県・群馬県および埼玉県に順次伸ばして」いけばよいだろうということだ。しかし、これには大きな問題がいくつもある。

 まず、変圧器や機器の問題である。家電については、最近はどちらの周波数でも使えるものが多いが、変圧器やモーターなどは、特定の周波数で動作するように設計されている。これは、日本電気技術者協会のサイトに詳しく解説されている。単に22kVの送電線を伸ばしていっただけでは対応できないのだ。

 さらに、22kVでは同じ電力を送ろうとすると、もっと高電圧で送るよりは電流が大きくなる。電流が大きくなれば、電線の電圧降下が大きくなる。またロスも大きくなるので、電線の熱容量上の制約が出てくる。結局、22kVでは、それほど長距離に渡って大電力を送るのは無理なのである。

 また、「22kVの配電線は被覆線であって一般には地下ケーブルだから、新電力会社の60Hz配電網を東京電力の50Hz配電網と相乗りさせることは、技術的に問題ない。」と書かれているが、これも大きな誤解がある。地下に電線を敷設するにはコストがかかるので、一般には、都市のように電力需要が集中している狭い区域が対象だ。現状あるルートを使って、22kVを長く伸ばすことはできない。伸ばそうとすると、新たにルートを作らねばならないので、莫大なコストがかかる。

 これらを考えれば、記事を書いた人が思っているように「より現実的なアイデア」とはとても思えない。現実的には、周波数変換所の容量を上げるしかないであろう。

 
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