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【DCSS】初音島桜前線注意報(2) 和菓子の魔法

2005年07月20日 | アニメ
 純一とさくらの祖母は魔法使いで、その血を引くという先天的な要因なのか、それとも幼い頃に祖母に魔法を習ったという後天的な要因なのかは知りませんが、純一もさくらも魔法を使うことが出来ます……というか、例の枯れない桜の木の存在そのものがさくらの魔法と大きく関わっていたというのが前作でのお話でした。
 もっとも、さくらの方は本格的に魔法が使えるみたいですが、純一はもっぱら和菓子を出すことしか出来ません。いや、純一にはもう一つ、他人の夢を見ることが出来るという能力もあったのですが、これは純一の魔法の力によるものなのか、それとも桜の呪いの影響なのか、あるいは別の要因による現象なのか、現時点では明らかではありません。

 さて、この和菓子を出す魔法ですが、いったいどういう原理で魔法を出しているのでしょうか?
 この作品世界では一部で魔法等によるミステリアスな現象も起こっていますが、世の中の大半のことは魔法とは関係なく、現実の科学文明の社会が舞台となっています。ということは、この世界を支配しているのはあくまで科学的な物理法則であり、魔法は物理法則を短絡化する手段としてなら使えても、物理法則による物質の存在の有無を左右することは出来ないということです。
 つまり、この世界には質量保存の法則が働いていて、魔法で何かを出すにしても、それを無から生み出して出すことは出来ないということです。
 もっとも質量=エネルギーですから、保存されるものは目に見える物体である必要はなく、エネルギーを任意の物質に変換して生み出すということも(現実の科学文明では困難であっても)魔法を使えば可能なのかもしれません。

 一番簡単に和菓子を出す方法といえば、すでにどこかに存在する和菓子を瞬間移動させて持って来るということです。
 この場合、質量保存則というものが局所的に働くのか、それとも宇宙レベルのマクロ単位で働けば良いのかで変わってきますが、別に異世界や別次元とのやり取りを考えないならマクロ単位の保存が働けば良いものとします。この場合、和菓子自身に対する代替物質やエネルギー変換は考えなくて良いことになります。
 もっとも、完全に何も考えなくていいわけではありません。和菓子の現れた空間には和菓子の体積に相当するだけの何か(故意に何かと置き換えたりしない場合は空気)があったはずであり、和菓子の転送の前後でその補完を行う必要があります。
 もっとも単純なのは和菓子の体積に相当する空気を和菓子が元あった場所に置き換えることです。ただし、この場合、和菓子と空気とでは密度が違うため、和菓子から周囲の空気に対して働いていた圧力は同体積の空気と置き換えただけでは補完されませんので、和菓子のあった場所では和菓子が消えると同時に周囲からの空気の流入が突発的に起こることになるでしょう。ま、和菓子のサイズぐらいではたいした影響はありませんが、巨大な構造物を移転した場合とかは注意を要します。
 逆に和菓子が出現した場所では和菓子による圧力が新たに発生するわけですが、この場合は和菓子の周辺方向に対して新たに空気の流れが生み出されることになります。ただ、周辺の大気圧はどちらの場所でもあまり変わらないとすると和菓子程度のサイズの物体による外部への物理作用(膨張・収縮)はほとんど無いと考えられるので、大きな変化は無いでしょう。これも出現したものが巨大な構造物だとしたら話は別です。
 ただし、この和菓子を移転させる魔法を成立させるためには、どこかに和菓子があるという情報が存在しなければいけません。持って来るべき和菓子の探索まで魔法で行っているとすると、相当に高度な魔法ということになるでしょう。単に移動させるだけの魔法なら、使用者本人が詳細な場所の特定まで行う必要があります。
 さらにポテンシャルエネルギーの問題もあります。和菓子の移動の前後でポテンシャルが変わらないなら問題ありませんが、現実にどこか具体的な場所にある和菓子を持ってくると考えれば、多少ながらもポテンシャルエネルギーの変化は無視できないでしょう。エネルギーと質量が等価とするなら質量変化で調整することも可能ですが、質量が減った場合はともかく増えた場合の増加分は和菓子の組成としてどうなるかという問題が発生しますからここは単純に熱量の増減で補われるとしましょう。ま、一般的な平野部での移動ではそれほどポテンシャルに変化がありませんから熱量の増減も微量でしょうが、どちらかが高い山の上だったり、深海底だったりしたら熱量の増減も相当なものになります。場合によっては出した和菓子が冷たかったり熱かったりすることもあるでしょう。

 和菓子を取ってくる場所が同じ現実空間とは限らない場合があります……というか、一般的な召還魔法ではこっちの方がメジャーなのですが、異世界から持ってくるというやつですね。
 この場合、もはや自己の知識とか付随魔法で目的物の検出を行うのは(たかが和菓子を出すのには)困難すぎて現実的では無いでしょう。この世界と異世界とで召還を仲介するインタープリターというものが存在し、それを利用するのが一般的な召還術というものでは無いでしょうか。
 それはさておき、この場合、この世界と異世界とで物理的な連続性が存在しないとすると、質量保存は厳密に適用される必要があります。異世界から召還した和菓子と同じ質量を逆にこの世界から異世界に補填してやらなければなりません。同じ体積の空気ではダメなのです。質量バランスが崩れてしまうとどちらの世界も崩壊を起こしてしまう可能性があります。つまり厳密に等価交換が要求される魔法といえます。

 同質量による等価交換が必要なら何も異世界から召還してくる必要はありません。その場で物質の組成を変換したり、エネルギー質量変換などを用いて和菓子を作り上げても同じです。他の物資から組成変換で生み出すのを錬金術、エネルギー質量変換によって「無」から生み出すのを生成魔法ということにしますが、エネルギーと質量は等価なのでどちらも同じようなものです。
 錬金術は材料を原子、あるいは素粒子レベルまで分解したものを目的の物質に組成し直す魔法で、生成魔法は光や熱のようなエネルギーを質量に転換して生み出した素粒子を目的の物質に組み上げる魔法です。どちらも目的の物質を組み上げるには素粒子レベルからの詳細な設計図が必要なのですが、一般の能力者がそんな知識を持っているようには思えません。澱粉や糖類の分子組成がわかっても、それを組み合わせたマクロな存在である和菓子の組成を具体的にイメージするのは無理でしょう。
 ま、材料レベルで組成して、後は普通の和菓子作りのレシピになぞった工程を行うって方法もありますが、手間が掛かりすぎです。それに、小麦粉にしろ小豆にしろ、これ自体がかなりマクロな存在なのでやはり具体的イメージは無理でしょう。
 しかし、現実に和菓子は存在しています。存在している以上はどこかに具体的な和菓子の設計図が用意されているのでは無いでしょうか。アストラル空間にあるアカシックレコードみたいなところに、誰かが和菓子を和菓子として発明したとたんにそれが設計図として自動的に登録されるわけです。
 錬金術なり生成魔法はその設計図を用いて和菓子を組み立てるものと考えます。

 さて、作品中では純一は何も無いところから和菓子を取り出していますから、あらかじめ材料を用意する錬金術ではありません。どこか別の場所から転送、あるいは異世界から召還したので無い限り生成魔法によって何らかのエネルギーから和菓子を生み出していることになります。
 純一はこの魔法を使うとカロリーを消費すると言っています。それ以外に周囲にも何の変化も無いので、用いてるエネルギーは純一の体内の生体エネルギーだけを用いているみたいです。また、魔法を使っても極端に疲労したりはしていないので消費されるカロリーは和菓子1個を食べて得られるカロリーと比べて極端に大きかったりはしないものと考えられます。
 ところで作品中では和菓子としか呼ばれていませんが、見たところ饅頭っぽいので、ここでは和菓子=饅頭ということにします。

 さて、饅頭1個60gとして、含まれているエネルギー量は180kcalとします。ここでいうエネルギーはあくまで饅頭を食べて得られるエネルギー量であり、饅頭全体をまるまる質量エネルギー変換をした値では無いことはいうまでもありません。
 この饅頭1個を魔法で出すのに同じ量のエネルギーを消費するものとすると、物質生成に用いられるエネルギーは180kcalということになります。
 1cal = 4.18605J
 E= mc^2 (c=2.9979 * 10^8m/s)
ですから、このエネルギーをすべて質量に変換したとして生み出される質量は、8.38×10^-12kgでしかありません。これじゃとても饅頭1個を生成するどころの話ではありません。
 つまりのところ、純一の魔法はけっして和菓子を無から生み出しているわけでは無いということです。純一が魔法に消費するカロリーは和菓子を生成するために使われているのではなく、やはりどこかから転送したり召還したりする魔法の手続きに消費されているとしか考えられません。
 ちなみに炭水化物のカロリー量というのは体内に摂取された後に細胞内で燃焼されるときの化学反応による発熱量ですから、原爆のような質量欠損による発熱量とは比較するのが無理ということです。

 ま、ものは考えようで、何も無いとこから生み出された「和菓子に見えるけど、実際は内部組成の構築に間違っていて得体の知れない何か」を食わされる心配が無い分、「どんな状態にあったかはわからないけど、どこかから持ってきた確実な和菓子」を食わされた方が安心でしょう。
 可能性なら食い掛けの和菓子とか、賞味期限切れの和菓子とか、料理の下手なお約束ヒロインの作った和菓子もどきとかも考えられますが、魔法の確実性から考えると和菓子メーカーのラインとか和菓子屋の店頭から持ってくる可能性が高いので、あまり心配する必要は無いでしょう。
 もっとも、魔法を使ったほうはそれでよくても、勝手に和菓子が消えてしまうメーカーや和菓子屋さんは迷惑でしょうけど……

 ……とか書いてたら、アイシアがミニサイズのスニーカーを……。いや、これはアイシアの魔法が未熟だからサイズが小さくなった本物のスニーカーとかいう話じゃなくて、最初からリカちゃんとかジェニー用の着せ替えセットの元から小さなスニーカーを出したって話でしょうね。きっとそうに違いない……
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