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【DCSS】初音島桜前線注意報(14) 美咲の恋愛論を疑え

2005年10月28日 | アニメ
 第16話で、告白しなかったことりの気持ちがわからないアイシアに対し、美咲は「好きな人が、恋人と一緒にいるのを見るのは幸せ」だと語り、ことりもそうだと決め付けています。
 いや、確かに美咲はそれで満足してるのかも知れないけど、ことりはそうじゃないだろと思うのが正直な感想なのですが、実際のところはどうなんでしょうか……
 アイシアは美咲が言った「みんなが朝倉くんを好き」というのを確かめるためにヒロインたちのところを回りますが、なんかみんな一緒のように思って納得したみたいです。これも実際にどうなのかは良くわからないところですので、検証していきましょう。

(1)天枷美春の場合

 おそらく、ヒロインたちの間で一番ニュートラルな位置にいるのが美春でしょう。なぜなら美春にとって純一よりも好きなもの(音夢、バナナ)が明確に描かれているからです。美春にとって純一は音夢の兄として好きというレベルであり、友達として好き(LIKE)と恋人同士(LOVE)のほぼ中間点に位置していると考えられます。
 この立場はおそらく、(美春ロボは別人扱いとして)前作の最初から現在に至るまでほとんど変化してないように思います。とりあえず数値化すると50%LOVEというところにして置きます。

(2)水越眞子の場合

 眞子は美春と違って明確に純一を恋愛の対象として意識しています。ただ、いろいろな経緯があって面と向かって好きとは言えないし、そういう関係になれないものとして諦めています。まして親友である音夢が純一とくっついてからはなおさらです。
 ただ、眞子の場合、早い段階で諦めてるので、もうすっかり吹っ切れてるという面があるので、日常生活ではそれと意識せずに純一と付き合ってられるという立場ですね。
 数値化して70%LOVEぐらいとして置きましょう。

(3)水越萌の場合

 アニメでは萌は純一のことを直接恋愛の対象とは見ていない感じで、どちらかというと眞子の姉として出てるだけって感じがします。
 ま、好きか嫌いかと聞けばもちろん好きと答えるでしょうけど、そこに恋愛感情が働いてるかどうかは微妙なところです。どちらかというと純一のことは妹が好きな男の子として見てるという感じでしょうか。
 多めに数値化しても30%LOVEぐらいでしょうか。

(4)月城アリスの場合

 アリスのことはあまりよくわからないのですが、純一のことは日本に来て最初に友達になってくれた人間として、ほのかに恋心を抱いてるってところでしょうか。
 とてもじゃないけど好きと言う気持ちを面と向かって言い出せないし、それが単なる憧れに近いものだと自分でもわかってるという感じ。
 数値化して60%LOVEぐらいとして置きましょう。

(5)彩珠ななこの場合

 この人はわかりやすいですね。これだけ頻繁に純一をモデルにしたマンガを描いてれば自分から好きだと言いふらしてるみたいなものです。それでいて面と向かって純一に好きとは言えないんですね。
 ま、ななこの場合も対等の恋愛感情というよりは恋に憧れてるといった少女漫画家特有の現象に近いものがあるのかもしれませんが、それでも明確に恋してると言えるでしょう。
 数値化して80%LOVEぐらいとしておきましょう。

(6)胡ノ宮環の場合

 環は純一とは親同士が決めた許婚だったみたいですが、現在は解消してしまってる感じです。ま、そのまま許婚の関係を続けてラブラブ状態だとかだったらわかりやすいところですが、そうでないところを見ると、とりあえず一歩距離を置いてみたというところでしょうか。
 現状の環は純一に恋してるとか、恋に憧れているとか言う感じはなく、むしろ近い友人同士の関係に昇華させてるみたいで、ある意味、眞子に近い位置付けにいる感じです。
 それでも、眞子のように恋愛を諦めて距離を置いたというものでもなく、恋心に近いものは持ってるようです。互いに理解しあった間柄だけに、いざとなれば……という感じもありますが……
 数値化して75%LOVEぐらいとしておきましょう。

(7)鷺澤美咲の場合

 未だに純一との面識はなく、一方的に恋しているだけの美咲。頼子の記憶を受け継いでるみたいなことは言っていましたが、頼子の記憶の中の純一はあくまで頼子の記憶であって、美咲が体験したものではありません。
 美咲が恋しているのは窓から見ただけの自分の理想で彩られた純一であり、本当の純一ではありません。本当に恋するためには当人に向き合わなければならないのに、美咲はそうしようとはしていません。
 要するに、美咲の恋というのは、恋に恋した想像上の恋であって、現実の恋ではないはずです。このあたりに現実との大きなギャップがあるわけですね。
 美咲の気持ちを純粋に数値化してたら75%LOVEぐらいが付くのかもしれませんが、その気持ちは現実に向けられたものでは無いのです。美咲が純一との接触を避けている以上、現実の恋には発展しようもありません。
 数値化してせいぜい20%LOVEぐらいがいいとこでしょうか。

(8)白河ことりの場合

 ことりは本当に純一に恋をしています。それは恋に恋したとか、憧れの恋だとかいうものではありません。なぜなら、ことりは一度ふられてから、もう一度恋にチャレンジしてるのですから。
 ま、例えきっかけが、「音夢もさくらもいなくなったよ、ラッキー」だったとしても、その恋は真剣なものです。本来ことりは眞子や美春とはそれほど親しくは無かったはずですが、一緒にサポート部隊を始めたのも真剣に純一のことを思ってたからでしょう。
 いや、最初は再チャレンジなんてことは考えてなかったのかもしれません。それでもいつしか気持ちが抑えられなくなっていったような感じです。
 しかし、そんなことりの気持ちも純一には気付かれず、音夢の期間の前にははかなく散らされてしまったというところでしょうか。
 白河ことり、90%LOVEを進呈しましょう。

(9)美咲は自分の恋を美化しすぎている

 以上の検証結果からすると「みんなが朝倉くんを好き」と言っても、その「好き」の度合いは各人で差があります。

 ことり > ななこ > 環 > 眞子 > アリス > 美春 > 萌

 美咲は本人自身はかなりのレベルで純一に恋心を抱いているつもりですが、すでに述べてるように、その恋心は現実の恋ではありません。現実面で考えたら美咲のポジションは問題外というところでしょうか。
 美咲の言っていた「好きな人が、恋人と一緒にいるのを見るのは幸せ」ということも、それは観念でしか恋をしていない美咲の理想論に過ぎず、必ずしも他の各人に当てはまるとは言えないはずです。確かに恋愛感情を昇華できればそういう境地に立てるとは思いますが、現時点でそこまでの境地に至ってる人間はあまりいないと思います。
 かつてのさくらのように、直接音夢にぶつかっていくようなことは無いにしても、音夢を多少とも疎ましく思ってるヒロインだっているはずです。

 そう考えていくと、とてもじゃないけど、ことりが美咲と同じ心境でいられるようには思いません。
 純一自身に自分に対する恋愛感情が欠片も無いことに気付いて諦めたのか、成功確率の低い告白に失敗して自分が傷付くことを恐れたのか、それとも自分が告白することで純一あるいはその他の人間を傷つけてしまうことを恐れたのか、それはよくわかりません。でも、美咲の言うような告白するよりも見守ってる方が幸せとかいう理由では無いと思います。

(10)ことり、美咲、アイシア……それぞれの課題

 ことりの問題は、やはり自分で告白して決着を付けることでしょう。確かに成功の見込みは無いし、告白すれば他人を傷付けてしまいます。でも、それを乗越えないと、この先もことりは本当の恋を出来ないことになってしまいます。
 前作での告白は、おそらくことり自身の気持ちもそれほど深い恋ではなかったし、だからこそ失敗して傷付くのも自分だけだとわかってたから出来たのでしょう。でも、今のことりが直面してるのはもっと真摯な本当の告白です。この山にぶつかってみないことには、ことりの物語は終わらないのです。

 美咲はいうまでもなく、現実の恋をしろということ。ま、ずっと引きこもったままでも他人に迷惑をかけないならそれでもいいけど、自分の観念の恋による机上の空論での解釈をアイシアに教え込むのはやめなさい。

 そして、アイシアはまず美咲の言うことを鵜呑みにしないで、それが現実の恋とは違うということを自分の経験によって確かめていくことが大事です。ま、アイシアにとって本当の恋をするということはまだまだ先の話かも知れませんが、この勘違い娘のこと、間違った知識を鵜呑みにしたままでいると、魔法以上に反動が危険だと思いますから。

(11)最後に

 ところで、現実の物語では、そのまま美咲の理論が受け入れられてしまって収束してしまいそうな感じです。
 ことりはなんか吹っ切れてしまった感じだし、美咲は自分の恋愛感に絶対の自信を持ってる感じで、アイシアは恋とはそういうものだと受け取ってしまうのでしょう。結局、音夢と純一の関係を脅かすものは現れず、誰一人傷付くことなくメデタシメデタシで終わるのでしょうか?
 確かに、前作での音夢とさくらの争いの結末は悲壮なものであり、そういう展開は誰も望まないものだとは思いますが、かといって、このまま何の危機感も無くダレまくった音夢と純一の姿を見続けるのはねぇ……
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