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『舞-HiME』キャラとパーソナリティ障害

2005年02月17日 | アニメ
 最近『パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか』(岡田尊司著、PHP新書)とかいう本を読んだのですが、今週の『舞-HiME』を見たら、巧海が自分を重荷に感じていることを知って舞衣が衝撃を受けてるシーンがあって、こりゃなんか《強迫性パーソナリティ障害》と《依存性パーソナリティ障害》とかいうパターンで理解出来そうな精神状態だなと思いました。
 そこで、改めて『舞-HiME』を見渡すと、典型的なパーソナリティ障害の兆候を見せるキャラがタイプ別に揃ってるということに気付いてしまいました。

1.鴇羽舞衣

 病弱な弟の面倒を自分が親代わりに見なければいけないという絶対的な世界観を作ってしまって、人生のすべてをそれに結び付けてしまって、他の価値観を認められなくしている傾向があります。趣味がバイトというのが、高度成長期の日本のサラリーマンに典型的な「趣味が仕事」といって何事も仕事第一で規制してしまっている《強迫性パーソナリティ障害》の現れでしょう。このタイプの人は自分の価値観を他人にまで強要してしまう事が多いのですが、舞衣の場合はそこまではしてないけど、自分に無理を強い続けてるような舞衣の在り方が巧海に精神的な圧迫感を与えていたことは確かです。

 一方、舞衣は巧海が自分の保護のもとに依存してくれている状況というものに依存してしまっていて、そうじゃなくなることに大きな不安を感じています。これはいわゆる「子離れ出来ない母親」というものに典型的に見られるような逆パターンの《依存性パーソナリティ障害》の現われです。このタイプは自分に依存してくれる存在がいなくなってしまったら自己の価値観が崩壊してしまってどうにもならなくなってしまいがちです。
 舞衣にとって必要なのは、巧海のことは自分がすべてを背負わなくて構わない、自分は自分で楽しみを見付け、それに没頭しても構わないということを自覚ことですね。

2.玖我なつき

 なつきは典型的な《シゾイドパーソナリティ障害》のタイプです。常に単独行動を好んではいるけど、その立場を尊重して活かしてやればけっして負の方向には走らないタイプなのですが。逆に集団に合わせることを強要されたらストレスが溜まってしまってどういう行動を起こすかわからなくなってしまいます。舞衣とは一定の距離を置いてるからうまくやってる感じだけど、碧ちゃんみたいな群れたがるタイプとは露骨に反りが合わないだろうと思いますね。

3.美袋命

 命は《妄想性パーソナリティ障害》のタイプです。いわゆる周囲に脅迫や被害妄想を感じて、それを排除しようとする行動を取るパターンです。1話でなつきと敵対して戦ってるシーンが描かれていたけど、舞衣と出会う前の命はたぶん周囲が全部敵に思えて、絶えず敵意を抱いていたんだろうと思います。その後は舞衣の周囲の人間にべたべたしてるんだけど、要するに「舞衣の敵は自分の敵」「舞衣の友達は自分の友達」という判断基準で人を区別している感じですね。

4.杉浦碧

 碧ちゃんは《演技性パーソナリティ障害》のタイプです。自分の目的(論文を書いて大学に復帰する)の前には、他人を利用するために自分をどのようにでも演じられます。最初はファミレスのバイト、ついで社会科の臨時講師と、目的のためには職を転々と変えることも苦ともしません。論文のために他のHiMEたちを利用すること自体には何ら後ろめたさを感じていないってところです。

5.結城奈緒

 奈緒はいうまでもなく《反社会性パーソナリティ障害》で、自分の非行を恥じたりはしないし、むしろそのためにHiMEの能力まで平気で使えるタイプです。本人はそのことを間違ったこととも欠点とも思っていないけど、日頃の行いによって本人が関与しようとも思わない部分でも周囲は絶えず危険視し、警戒します。そこを利用されてシスターの狂言で加害者にされてしまってるんですね。

6.真田紫子

 シスターは典型的な《依存性パーソナリティ障害》のタイプです。自分と言う存在に自信が持てないので、常に何者かに依存しなければ生きていけないパターンです。最初は神に依存して、それゆえにシスターになったのだけど、普通ならこのタイプはこれで救われてるはずです。
 しかしながら、シザーズ財団の一件で神というものに依存できなくなってしまい、そこを例の石上先生に付け込まれて、石上に依存するようになってしまってるんですね。このタイプは依存する相手には絶対服従だから、命じられたことは例え悪事だとわかっていてもやらずにはいられません。それが奈緒を加害者に仕立てた狂言の理由です。

7.菊川雪之

 雪之は《回避性パーソナリティ障害》のタイプです。絶えず自分が迫害されたり、難事に追い込まれたりすることを恐れて、それを回避する方向に動いてしまいます。ダイアナという匿名で他のHiMEに連絡を取ってたのも、正体が知られることによるトラブルを避けようとしてのことだろうし、石上から脅されれば即座に舞衣を襲ってるのも自分が助かりたいゆえの行動です。

8.尾久崎晶

 晶は《失調型パーソナリティ障害》と《強迫性パーソナリティ障害》のタイプです。忍者であるということと、女であるということを偽っているために、普通に人に溶け込めなくなってしまってるのが《失調型パーソナリティ障害》の現われで、たぶんルームメートの巧海以外に学園の中で打ち解ける相手はいないんでしょうね。
 一方、その忍者や女であることを偽らせているのが《強迫性パーソナリティ障害》の現われで、例えその規範がHiMEとして勝ち残るために父親に与えられた規範だとしても、晶自身の行動を規制してしまっています。
 まぁ、晶の場合は、女であることを知られた巧海を殺せなかったことで、徐々に束縛からは解放されているみたいだけど、場合によっては逆に本人にアイデンティティの喪失をもたらせてしまうこともあるでしょうね。

9.宗像詩帆

 詩帆は《自己愛性パーソナリティ障害》、いわゆる自己を特別しし、絶えず自分中心でないと気がすまないタイプですね。いわゆる幼馴染みの妹的キャラを装っているのも、そうすることで自分が祐一を独占できると思ってるからです。
 すべての面に現れてるわけじゃないけど、こと祐一のことになるとそれが露骨に表れてしまい、他者の存在(舞衣)は許せなくなります。

10.アリッサ・シアーズ

 アリッサは《失調型パーソナリティ障害》のタイプです。これは偽りのHiMEとしてシアーズ財団によって生み出され、風華学園に送り込まれてきたという境遇が原因になっていて、深憂以外の他者とは打ち解けられないという状況に現れています。学園の歌姫とかもてはやされながらも、初等部の他の生徒やコーラス隊のメンバーとも仲良くなれず、結局は最後まで孤独だったと思います。

 ……というところで、この作品のメインキャラって、かなり問題あるパーソナリティ障害の傾向を抱えたものが目立ちます。まぁ、現実の社会で散見される《境界性パーソナリティ障害》の明確な事例が見えないけど、すぐにリストカットして病院に運び込まれるキャラなんか出したら痛々しいだけで話にはならないだろうし……でも、作品では明確に描かれてはいないけど、チャイルドの消滅で彼氏を失った日暮あかねが、その後入院させられるまでに《境界性パーソナリティ障害》を引き起こした可能性もあるし、現状でもシスターや雪之はいつ《境界性パーソナリティ障害》の症状を引き起こしてもおかしくはない状況です。(ある意味、舞衣もね)

 まぁ、こじ付けと言えばこじ付けと言うところもあるし、そういう傾向があるというところで障害と呼ぶところまでは行ってない場合も多いでしょうけど、少なくともシスターはヤバイ状態でしょうねぇ。
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