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【DCSS】初音島桜前線注意報(3) アイシアのバナナ

2005年07月27日 | アニメ
 第2話で小さなスニーカーを出したアイシア。あれが精一杯の魔法かと思いきや、第3話では魔法を乱発して大暴走を起こしてしまっています。
 眞子によって水越家に引き取られた後の魔法……石鹸、ライオンの給湯口、木彫りの熊……は状況や量的な問題あるとはいえ、現実に一般的に存在するようなものを出してきただけです。これらに対しては前回の純一の和菓子の魔法と同様な考察で済ませることが出来るので、置いておきます。
 ここでは最初に美春に対して出した、剥いても剥いても皮だけのバナナを考察して見ましょう。

 前回の結論からすると、代償無しに無から物を生み出すことは不可能です。魔法によって取り出されたものはどこか別の場所から運ばれて来たのに違いありません。そうするとあの皮だけバナナはアイシアの魔法で生み出されたものではなく、最初からああいうバナナが存在していたと考えることが出来ます。しかしながら、現実世界のバナナの概念からは懸け離れた存在であることは確かです。
 一番可能性の高いものとして、あれは突然変異による異常体のバナナだったということです。本来なら房になるはずのバナナの果芯がどういうわけか多重構造で生育してしまい、1本の実の中に別の実が、その中にはまた別の実が……というような構造になっていったわけです。こういう状況ではそれぞれの実の中に本来なら詰まってくる果肉が入る余地はなくなってしまいます。そこで剥いても剥いても皮だけというバナナが出来上がったと考えられます。
 ま、そんなバナナがこの世にいくつも存在するとは思えませんが、アイシアがたまたま魔法で出した1本がそれに当たってしまったということですね。もし、アイシアが1本だけじゃなく、2本3本と出していたら他のバナナは普通のバナナだった可能性が高いということです。

 いや、突然変異なんかじゃなくてあれは元からああいう構造の実だったという可能性もあります。外見がバナナに見えるから変なバナナと思うのであって、あれはバナナに似ていても別の植物の実なのだということです。現実世界のどこかにある未発見植物の実なのかもしれません。あるいは異世界には普通に存在する植物の実なのかも知れません。
 この場合、いくらバナナと似ていてもバナナとは別の何かでしかありませんから、アイシアの魔法は失敗です。しかし、魔法というものが概念ではなく外観に作用するということが確実に証明された一例ということになるでしょう。

 突然変異のバナナも、バナナに似た未発見植物や異世界の植物もあくまで可能性の存在でしかありません。この世界にはそんな得体の知れないようなものは何もなく、あくまで普通のバナナしか存在していないということも考えられます。
 剥いても剥いても皮だけのバナナは、魔法の事故によって生み出されてしまったという可能性もあります。
 物を取り出す魔法は、対象物をどこかから転送してくる魔法とした場合、物体はどんなふうに転送されてくるのでしょうか? 現実空間を超高速で飛来してくるということも考えられますが、その場合は何らかの物理的な影響を周囲に対して及ぼすはずです。そうではないとすると別の何らかの転送手段がとられているはずです。

 もっともポピュラーな方法として考えられるのは、物質そのものを亜空間転移させ、三次元空間における物理的な静止状態に変化を起こさないまま亜空間を移動させることで転移する方法です。これを機械装置化したのがガミラスの瞬間物質移送装置ですが、それと同じことを魔法で行ってると考えるわけです。
 さて、ここで1房のバナナを転移させることにしました。しかしながら、手違いにより転送先に用意されているのはバナナ1本分の空間でしかありません。バナナは1本ごとに別の亜空間を通って転送されましたが、それらはすべて同じ空間座標に転送されてしまい、三次元空間に出現すると同時に融合して多重化構造を取ってしまったとかいうことが考えられます。
 あるいは転送は物質の組成情報を電気信号に転換して転送される方法もあります。往年の怪奇映画『蝿男の恐怖』のリメイク版『ザ・フライ』では人間の転送実験の最中に蝿が混入してしまい、遺伝子レベルの融合が始まって科学者が怪物になっていく様子が描かれていましたが、同様の仕組みで遺伝子レベルの融合にまでは至らず、バナナ構造の多重化が起こった状態ということも考えられます。

 しかしながら、亜空間転送にしても電送にしても、バナナの多重化によって皮だけバナナが出現するには無理があります。問題はやはり質量保存則です。1房分のバナナを転送させたなら転送先にも1房分のバナナの質量が保存されていなければなりません。皮だけが多重化して皮だけバナナになったのなら、その代わりに1房分のバナナの果肉がどこかに存在していなくてはなりません。
 もし仮に融合段階において質量欠損が生じたのならその分のエネルギーが放出されるはずです。原爆にしろ水爆にしろウランまたはプルトニウムの核分裂またはトリチウムの核融合における質量欠損のエネルギーを利用しているわけですが、反応に用いられるウランやプルトニウム、トリチウムなどの材料に比べると質量欠損の分量は微々たる物です。
 つまり、バナナ1房分の果肉が丸々質量欠損してエネルギーに変わったとすると、それは原爆や水爆のエネルギーどころではありません。魔法を使ったとたんに朝倉家を中心として大爆発が起こり、少なくとも初音島は消滅してしまうでしょう。

 皮だけバナナが天然には存在せず、また転送中の事故によって生み出されたもので無いとした場合、やはり魔法によって作り出されたと考えるしかありません。しかしながら前回の考察通り、無から物を生み出すということは無理なので、ここは便宜的に見えないところで等価交換が行われていると仮定しましょう。
 素粒子段階から単結晶ではない具体的な有機物を生成するための構造知識は人間の頭脳の及ぶところではありません。アカシックレコードのようなものに記録されてる構造知識を参照しながら構成していくしかないのは前回触れた通りです。バナナを生み出すにはバナナについて書かれた記録を参照する必要があるのです。

 ここで問題なのはその構造記録はバナナを一単位として記録しているのか、それともバナナの皮とバナナの果肉とは別に記録されているのかということです。バナナがそれ単体で完全に記録されてるなら、その記録を用いてバナナを作る限りはアイシアだって間違ったバナナを作ることは出来ません。間違ったバナナが出来るのはアカシックレコードに何らかの記録欠損、あるいは読取不良が起こってる場合と、アイシアの魔法自体がアカシックレコードを読取る技術に欠けていることです。
 しかしながら、小さいスニーカーにしろ、石鹸にしろ、ライオンの給湯口にしろ、木彫りの熊にしろ、アイシアはそれなりのものを出しています。記録の読取り技術に欠けているとは思えません。それなら記録の方に問題があったということですが、この場合、同じように魔法でバナナを出そうとしたら誰がやっても再現してしまうことになってしまうそうで怖いです。普通そんなことは展開上ありえないから、記録に問題は無いと考えるべきでしょう。でも、一時的に読取り障害が起こってた可能性はあります。
 アカシックレコードも一種のサーバーみたいなものですからメンテナンスも必要だということです。

 さて、アカシックレコードに記録されてるのがパーツごとバラバラの場合です。これを用いてバナナを作るにはバナナがどういう構造の物かを知っていないと記録にアクセスできません。
 もし仮にアイシアがバナナの皮だけしか知らなくて果肉を知らなかったら、バナナの皮だけの記録でバナナを作ることになります。中が空洞にならないようにバナナの皮を補填していくと、ほら、皮だけバナナが出来上がります。
 ところで、北欧から来たのに日本語の流暢なアイシアがバナナを知らないってことはあるのでしょうか? ま、これは個人的な知識だからたまたまアイシアがバナナを知らないってことは十分に考えられますけど、ここは北欧の子供一般の問題として考えて見ましょう。

 バナナは熱帯の植物です。日本やヨーロッパには自生していません。日本でバナナが大衆のメジャーな果物になったのは戦後の話で、戦前は貴重品でしたし、江戸時代の人はほとんど知らなかったでしょう。
 これはヨーロッパだって同じで、熱帯を植民地化していた国で王侯貴族に献上される高級品的なものだったはずです。それが一変するのはプランテーション農業によってバナナが農作物として大量栽培されるようになり、さらに植民地支配が終わって生産国の自由な貿易品になってからです。ヨーロッパだって特に海外植民地を持たない北欧では庶民が簡単に食べられる果物になったのは日本と変わらない時期のはずです。
 ところで、日本の場合は近くに台湾、フィリピンというバナナの2大生産地があるので地理的に輸入しやすい環境があるのですが、北欧になると生産国とは遠く離れているので貿易品としてもあまり馴染みの深いものではないだろうかと思ったんだけど、欧米人は日本人に比べてフルーツをたくさん食べるので、北欧だってバナナは相当に消費してるみたいですねぇ。すると、北欧の子供がバナナを知らないってことは考えられません。
 可能性からするとアイシアがバナナを知らないってことは考えられませんが、これだけは個人知識の問題なので一概に何とも言えません。

 結局のところ、皮だけバナナの原因としては次のような可能性があげられるということになります。

(1)現実にある皮だけバナナをどこかから持ってきただけ。
(2)アカシックレコードの障害による生成失敗の結果。
(3)アイシアがバナナの中身の構造を知らなかった。

 ま、魔法なら何でも問答無用で取り出せると思ってる立場なら(3)のアイシア原因説が一番納得のいく答えかも知れませんが、ここでは質量保存則に反する生成魔法は使えないという立場をとっているので、等価交換の代償問題が解決しない限りは生成魔法を認めがたいので、(1)の突然変異なり未知のバナナもどきなり、元々皮だけバナナが存在していたという説を最有力として挙げておきます。
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