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【DCSS】初音島桜前線注意報(21) ヒロインたちの肖像

2006年01月01日 | アニメ
 もう書くことは書き尽くしてしまったし、進行中の展開もすでに予想した範囲内に収まってるから、後は最終回の後で総括してみるくらいでしょう。
 そんなわけで、作品展開から離れて『D.C.S.S.』のシリーズ中に登場したヒロインたちへの全般的な感想をまとめておきます。

(1)白河ことり

 シリーズ当初は今作品のメインヒロインかと思われたことりですが、アイシア登場で影が薄れた上、音夢の帰還で純一の恋人の座を返上してしまう破目になりました。その後、温泉旅行から夏祭りに掛けて少し抵抗を見せてくれましたが、結局のところ、純一のことは潔く諦めてしまったみたいです。
 本作でのことりの役割はアイシアの行動原理の動機付けとなる第2の主人公といった立場でしょうか。少なくともアイシアにとってことりの存在はとても重要な動機付けになっていたはずです。
 しかしながら、ことり自身は積極的に物語に関わってきたというよりも、ただ状況に流されてただけのように思えます。ことりがもうちょっと積極的に動いて、音夢にケンカを売ることすら厭わないだけの覚悟があったらずいぶん違った物語になったと思うんですが、やはり八方美人の人ですからねぇ。でも、そこを踏み出さない限り、ことりは何も掴むことが出来ないと思うんですが……
 3作目があったら、もうちょっと積極的にがんばってほしいです。

(2)天枷美春

 シリーズ当初は純一のサポート部隊、音夢の帰還後は音夢べったりという相変わらず朝倉兄妹に近い立場のキャラかと思ったら、中盤からなんかアリスと行動を共にすることが多くて意外な感じがしました。
 きっとゲーム版のアリスシナリオに関わってる関係かと思いますけど、単に学年が同じからかもしれません。
 ま、基本的に美春の立ち位置をそのままキープしただけのただの脇役ということで、前作も事実上、本人はほとんど出番が無かったわけだし、あまり報われていないキャラと言う感じがしましたね。
 ま、美春自身は音夢のそばにいてバナナを食ってたらそれで満足そうですから、このままで何も問題ないのでしょうけど。

(3)水越眞子

 眞子の立場としては音夢の親友という位置だったはずですが、音夢の帰島を知らされたのが美春だけだったり、純一とうまくいかない音夢の外泊先は美春の家だったり……何か音夢との距離が美春よりもずっと遠くなってるような気がします。音夢の立場から見た場合、所詮、前作では同じクラスだから仲良くしてただけだったのかとの疑いも拭えませんが、眞子の方はそんなことは気にせずに前作のままって感じですね。
 この作品、実際のところ一番周囲に配慮してるのはことりではなく眞子だったりするみたいですが、それを感じさせないさっぱりとしたところが眞子の眞子たるところです。
 他のヒロインが何らかの因縁なり問題なりを抱えてる中で眞子だけが普通のキャラって感じで、こう書けばなんかお気楽そうな感じがするけど、かえって作品的には報われないって面があるんですね。
 旅行に出掛けた回のことりの失言のフォローとか、アイシアによって枯れない桜が蘇った後の純一に対する嬉しそうな表情とか見てたら、やっぱり物語的にそれなりのフォローはしてやってほしかったような気がします。

(4)水越萌

 卒業生のくせに無意味に出てくる人。
 前作もそうだったけど、今回も完全に脇役の人ですね。得意の鍋料理もアイシアが水越家に引き取られた時に出てきただけで、物足りなすぎな感じです。
 ま、眞子とセットで姉妹コント要員に過ぎなかったのが寂しい限りです。

(5)胡ノ宮環

 環はななこやアリス同様、前作未登場の新キャラですが、それゆえにヒロインなのか単なる脇役なのか中途半端な扱いだったことは否めません。アイシアが巫女部に入るというエピソードがあったのでその関連で出番が増えるかとも思いましたが、巫女部の話もそれっきりだったようで、待遇は変わりませんでした。
 3人に共通して言えるのは、アニメで基本エピソードをやってないから物語に深く関わらせられず、かと言っていまさら基本エピソードのおさらいも出来ないから、中盤の紹介エピソードでもあくまでアイシアに対する紹介という感じで、本来描かれなければならない純一との間のエピソードが不在であり、結局物語のメインに関わらせることができなかったということですね。ま、物語のメインに関わってないのは美春や水越姉妹も同じですけど……
 3人の中でも環のキャラは本来ならけっこう面白く物語に関わらせることが出来たはずなんですが、そういう形にならなかったのは残念です。ま、環がサポート部隊に入ってたら1人で純一の世話をこなしてしまって他のキャラが不要になってしまいそうな気がするから、それはそれで困りそうな気もしますけど、やっぱしあの中でことりが1人勝ちというよりは強力なライバルがいても面白かったような気がします。

(6)彩珠ななこ

 ななこも前作未登場キャラとしては環と同様の扱いです。ただ、環ほどには自己アピールの無いキャラなので、実は人気マンガ家のドジな眼鏡っ子というだけのキャラに納まってしまっています。
 ま、ななこのタイプからすれば積極的に物語に関わるよりもここらの立ち位置がふさわしいんでしょうけど、それじゃ何のために出てるのかわからないキャラであるのは否めません。

(7)月城アリス

 隠れキャラである紫和泉子を除けば、一番存在感が薄いヒロインがアリスだったのは確かでしょう。他のキャラのように並べて出しても存在感が無いし、何か違和感を感じる存在です。
 どっちかというと孤独に生きるタイプのキャラって感じがしますから、ヒロイン一堂に会してとかいう出し方にはそぐわないんですね。それこそ単独に個別のエピソードで出してこそ活きてくるキャラって気がしますから、今回のような作品の作りだと完全に埋没してしまいます。

(8)工藤叶

 案の定、いつも杉並と一緒にいる「男の子」で終わってしまった感じです。ま、枯れない桜の木が復活してからは純一に対して女の子らしい態度を垣間見せるようにはなってますけど……作品中では「男の子」としか扱われていませんから、一見ボーイズラブの世界になってしまいそうです。
 普段の工藤は本来が女の子ですからそんな感じの声なんですが、芳乃家の修理の回だけやけに野太い声になってたのが気になります。

(9)みっくん&ともちゃん

 ヒロインではありませんが……
 シリーズ当初、ことりがサポート部隊やってた頃は出番が無くてどうしたのかと思ってましたが、音夢の帰還とともに復活し、相も変わらない友情ぶりを見せてくれて安心しました。
 しかし、前作での海水浴ではちゃんと参加メンバーに入ってたのに、今回の温泉旅行には混ぜてもらえなかったのがかわいそうです。(ま、サポート部隊に入ってなかったから仕方ないんだけどね)

(10)鷺澤美咲

 今回の作品で、一番意外な形で登場したのがこの美咲でした。
 頼子がもういない以上、美咲が物語に関わってくる可能性は無きに等しいと思っていたのですが、中盤にいきなり現れて、アイシアへのアドバイス役という形に収まったのは驚きました。
 もっとも、美咲のアドバイスは音夢と純一を仲直りさせることには役立ったみたいですが、その後は美咲の思い込みによる恋愛感がアイシアを反発させ、枯れない桜の木を復活させると言う暴走の要因のひとつになったことは否めません。
 アイシアへの影響度から考えて、ことりに次ぐ本作での第3の主人公と言ってもかまわないでしょう。
 美咲もことりに違わず大きな問題を抱えたキャラクターですが、やはりそれを乗越えない限り万人の認めるヒロインにはなれないでしょうねぇ。忍ぶ恋に自己陶酔してるのはいいけど、それをもっともらしくアイシアに語るのは間違ってるとしか言えません。
 ところで、この美咲ですが、さくらの帰島以降、すなわちアイシアが本格的に枯れない桜の木を蘇らせようと考え始めた頃からは、アイシアの前には現れてないんですね。そこが物語的に無責任と言うか何と言うか……

(11)朝倉音夢

 シリーズ当初の不在はなんのその、結局は筆頭ヒロインの座を維持し続けていた音夢ですが……最後までOPに出て来なかったところをみると、物語的にはゲストキャラ扱いですか。
 帰島時に純一との間でゴタゴタあったけど、仲直りしてからはおもいっきしだらけた関係を見せてくれて、エロゲのヒロインもハッピーエンドの後には堕落してしまうのかと言う変な現実感を見せてくれたところが特筆すべきかにょ。
 基本的に前作で純一が音夢を選んで、それがベースになってる世界だから、それはそれで正しいあり方なんでしょうけど、音夢の不在の2年間、ずっとそばにいたことりに対する純一の態度見てたら、音夢の存在感ってのは相当に強いものがあるって感じですね。
 前作でさくらと壮絶なバトルを展開した音夢ですが、今回はどのヒロインが餌食になるのかと思ったら、誰も2人の間に割り込もうとしなかったので、そういう展開にはなりませんでしたね。いや、ことりには挑戦してほしかったんですけど……

(12)芳乃さくら

 シリーズ終盤になって帰って来たさくら。音夢と同じくゲストキャラ扱いですね。
 アイシアが魔法を求めて初音島に来た以上、何らかの形でその魔法の問題に決着を付ける存在が必要だったわけですが、それが出来るキャラと言うのはさくらしかいませんから、登場することはほとんど確信事項でしたけど、こんなに遅くなるとまでは思いませんでした。
 でも、結局、さくらは具体的に魔法をアイシアに教えることは拒否して、その結果がアイシアの暴走を引き起こしてしまったわけですから、ある意味、枯れない桜の木の復活の責任はさくらにもあるといえます。まぁ2年前の事件があるからさくら自身が魔法に対してナーバスになってるのはしかたありませんが、アイシアはそんなこと知らないんだからちゃんと説明もせずに分かれと言う方が無理な話です。
 さくら自身は前作から全然成長していない姿で登場しました。成長しないのはさくら自身がそれを望んでるから。純一との関係を現状維持するために選んだ姿と言うことをアイシアに指摘されてしまってますが……ある意味、さくらも現実と向き合うことを拒絶してるって感じですね。
 でも、これはさくら自身が純一との関係をどう乗越えて行くかと言う問題ですから、ことりや美咲の抱えてる問題ほど深刻では無いでしょうか。
 ところで、夏休みが終わってしまったら急に初音島にさくらの居場所が無くなってしまってる感じで、なんか違和感感じるのは気のせいでしょうか? いや、1人だけ魔法によって変わった世界に同化していないってこともあるんでしょうけど。

(13)アイシア

 最後に本作の事実上の主人公、アイシアです。
 基本的に素直で良い子なんですが、「みんなを幸せにする」ということに絶対的な価値観を持ってて、それが否定されたりうまくいかなくなってくると意固地になるというのが困ったところです。
 その頑固さがうまい方向に働けばいいのですが、なにぶんずっと祖母と一緒に旅の生活を送っていて学校に通ったこともないため、世間一般の常識というものが無いので、善意の勘違いによるトラブルが付き物なのがご愛嬌。ま、純一を立派な魔法使いだと思い込んで「ご主人様」と付き従ってる程度ならかわいいものなのですが……
 そんなアイシアが純一をめぐるヒロインたちの恋と出会って、それに自分なりの解釈と解決を図ろうとしていく顛末を描いたのが本作品の物語でした。

 ま、アイシアにとって不幸なのは、祖母が死んでいきなり価値観の違う別の世界に放り出されてしまったということですね。おまけに祖母が頼れと言った芳乃のおばあさんはとっくに故人になってて、なんとか純一のやっかいになることは出来たけど、そこに音夢がいきなり帰って来て状況がわからず混乱状態。純一の恋人だと思ってたことりは音夢が帰って来たら引っ込んでしまってるし、美咲とかいう変な女の子がよくわからんこと言ってくるし……
 ようやく本物の魔法使いのさくらが帰って来たと思ったら魔法は教えないと宣言されてしまうって感じで、そりゃこんな状況なら嘘でもいいから、無理やりにでも魔法でみんなを幸せにしてやりたいと思うのも当然でしょう。でも、それが一番無理な話だったのですが……
 事件が終わった後のアイシアが、それでも魔法で他人を幸せにする道を選ぶのか、魔法に頼らずに他人を幸せにする道を選ぶのかが見ものです。
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