石油の内外情報を読み解く

内外の石油・天然ガス関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。(元ジェトロリヤド事務所長 前田高行)

天然ガスは目先買い手市場に:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(天然ガス篇15)

2016年08月29日 | BP統計

(2000年以降の天然ガス貿易の年平均伸び率は4.7%!)

(2)天然ガスの貿易量(2000年~2015年)

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-4-G01.pdf 参照)

 2015年の世界の天然ガス貿易の総量は1兆420億立法メートル(以下㎥)であり、内訳はパイプラインによるものが7,040億㎥、LNGとして取引されたものは3,380億㎥であった。パイプライン貿易が全体の3分の2を占めており、LNG貿易は3分の1である。天然ガス貿易に関与している国の数はパイプライン及びLNGを合わせ延べ50か国以上にのぼる。これらの国の中には日本のようにパイプラインによる輸入がなく全てLNG輸入に依存している国がある一方、カザフスタンのようにパイプラインによるガス輸出のみを行っている国、更には米国とカナダのようにパイプラインで相互に輸出と輸入を行っている国、あるいはカタールのようにLNG輸出から始まり今や近隣国にパイプラインによるガス輸出も行っているなど様々な形態があり、天然ガス貿易は多様化している。

 

 2000年以降の天然ガスの貿易量を見ると、2000年に5千億㎥を突破した後ほぼ2年毎に1,000億㎥ずつと言う高い伸びを示し、2011年には1兆㎥を超えている。同以降は伸びが鈍化し、2014年には1兆㎥を割ったが、2015年には再び1兆㎥を超えた。この間の年平均増加率は4.7%である。貿易に占めるパイプラインとLNGの比率は2000年にはパイプライン74%、LNG26%であったが、その後LNGの比率が徐々に増加、2010年には30%を超え、2015年はパイプライン67%、LNG33%となっている。

 

 2000年と2015年を比較するとパイプラインによる貿易量の伸びが1.8倍であったのに対してLNGの伸び率は2.5倍である。LNGは最近の伸びが特に著しく2010年には対前年比24%という高い増加率を示している。天然ガス貿易はパイプライン或いはLNG設備が完成すれば貿易量が飛躍的に伸びるという特性があるが、LNG貿易はカタールの能力増強やロシア(極東)、豪州等の設備新設により供給力が増加したことが貿易量の増大につながっている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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天然ガスは目先買い手市場に:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(天然ガス篇14)

2016年08月28日 | BP統計

4.世界の天然ガス貿易

(天然ガス貿易にはパイプラインとLNGの二つのタイプがある!)

(1)はじめに:天然ガス貿易の二つのタイプ

 天然ガスは石油と異なり大気中に拡散することを防ぐため密閉状態で搬送しなければならない。この場合輸送方法によりパイプラインで気体状のまま搬送する方法若しくは液化して特殊な船(LNGタンカー)や運搬車で搬送する二種類がある。パイプライン方式は常温で気体状のガスを生産地と消費地をパイプで直結して搬送するものであり、LNG方式は生産地で極低温で液化したガスを密閉容器で消費地に搬送するタイプである。

 

 パイプラインによる貿易は古くから行われている。但しパイプラインを敷設するためには生産地と消費地が陸続きであるか比較的浅い海底(又は湖底)であることが条件である。パイプラインによる天然ガス貿易が広く普及しているのが北米大陸の米国・カナダ間の貿易である。ヨーロッパ大陸でもオランダ産の天然ガスを各国に輸出するための天然ガスパイプライン網が発達し、同国の生産が衰退するに従い新たな供給地としてロシア及び中央アジア諸国とのパイプラインが敷設され、或いは地中海を隔てた北アフリカとの間で海底パイプラインが敷設され、現在ではこれらのパイプラインが欧州・ユーラシア地区における天然ガス貿易の中心を成している。

 

 これに対して天然ガスの生産地と消費地が離れており、しかもその間に深海の大洋がある場合は両者を結ぶパイプラインを敷設することは不可能である。そのために開発されたのが天然ガスを極低温で液化し容量を圧縮し効率よく輸出するLNG貿易である。LNGは生産現地における液化・積出設備、LNG運搬専用タンカー並びに消費地における積卸・再ガス化設備のための高度な技術と多額の設備投資が必要である。そのためにも顧客との長期的かつ安定的な販売契約が事業の成立と継続のための重要条件である。

 

 このような制約のためLNG貿易の歴史は比較的新しく本格化したのは中東のカタールと日本の間で1997年に始まった事業からである。なお最近ではLNGのスポット取引が普及しつつあるが、三国間貿易を行う国ではLNGタンカーの確保あるいは中間貯蔵・入出荷設備の建設等に原油の場合とは比較にならない多額のコストがかかることに変わりはない。

 

(続く)

 

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データ更新のお知らせ

2016年08月28日 | その他

OPEC年鑑2016年版(OPEC Annual Statisitcal Bulletin 2016)に基づき下記データを更新しましたのでご利用ください。

http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-2Oil.html

・OPEC加盟13か国の生産枠(生産目標)推移

・世界の国別原油輸出量(2011~2015年)

・OPEC加盟国の生産量(1960, 1970, 1980, 1990, 2000 & 2015年)

 


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天然ガスは目先買い手市場に:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(天然ガス篇13)

2016年08月27日 | BP統計

(いよいよ天然ガスの輸出国になる米国!)

(5-2)主要6カ国の天然ガス自給率

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-G05.pdf 参照)

 現在国産の天然ガスだけでは需要に対応できず一部を輸入に頼っている国として米国、中国、UAE、英国、インド及びクウェイトの6カ国について各国の自給率[(生産量-消費量)/消費量]を見ると2005年ではUAEが114%、中国106%、クウェイトは100%でありこれら3か国は完全自給体制であった。一方英国、米国及びインドの自給率はそれぞれ93%、82%および83%であり、米国とインドは2割近くを輸入に頼っていた。

 

 有力な産油国であるクウェイトとUAEはいずれも自国に単体の(非随伴型)ガス田が無く、石油生産に伴う随伴ガスに頼ってきたが、原油生産が停滞する一方、発電・造水用燃料ガスの需要が増加し、UAEは2008年、クウェイトも2009年にはガスの自給率が100%を切っており、現在ではともに自給率8割前後にとどまっている。

 

 英国もかつては北海油田のガスで完全自給体制を維持していたが、2005年には既に自給率は93%であり、その後も年々低下し2013年には国内消費の半分程度しか賄えない自給率50%になり、2015年の自給率は58%である。

 

 中国を見ると同国の2005年の自給率は106%で完全自給体制であった。しかし2007年に100%を切り輸入を余儀なくされるようになり、以後は年々自給率が下がり2015年には70%で、消費量の3割を輸入に頼っているのが現状である。インドは2005年時点ですでに自由率が100%を切っており(83%)、2011年までは自給率70~80%台を維持していたが、それ以降は年を追うごとに自給率が急速に悪化、2015年は英国と同じ58%であり需要の4割強を輸入に頼っていることになる。

 

 これら英国、インド、中国に比べ米国の自給率の改善には目覚ましいものがある。米国の2005年の自給率は82%であり6カ国の中では最も低かったが、その後年々改善し、2006年にはインドを、また2007年には英国、2008年にはUAE、2011年には中国を追い抜いている。そして2015年の自給率は99%とほぼ自給体制を達成している。そして今や米国は天然ガスの輸出国に変化しつつあり、政府は既に天然ガス(LNG)の輸出を承認、メキシコ湾沿岸で複数のLNG輸出基地が建設され日本向けを含めた輸出が今年から始まっている。

 

(天然ガス篇消費量完)

 

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月26日)

2016年08月26日 | 今日のニュース

・激しい中国の原油輸入シェア争い。1-7月はサウジアラビア14%、ロシア13.6%

・イラン石油相、来月のアルジェOPEC非公式会合に出席の意向表明

・サウジアラムコ、インドネシアCilacapへの出資を45%から30%に縮小

・サウジ副皇太子、来週日本と中国訪問。エネルギー・産業協力目指す

 


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天然ガスは目先買い手市場に:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(天然ガス篇12)

2016年08月25日 | BP統計

(5)主要6カ国の生産・消費ギャップおよび自給率

 世界の主要な天然ガスの生産国と消費国を並べると、日本やドイツを除く多くの国が天然ガスの消費国であると同時に生産国であることがわかる。例えば米国とロシアはそれぞれ世界1位と2位の生産国であり同時に消費国でもある(本稿2-(2)および3-(2)参照)。カナダは生産国としては世界5位、消費国としても世界7位であり、また中国も生産量世界6位、消費量世界3位である。中東の有力産油国であるUAEも天然ガスに関しては生産量世界15位、消費量は世界10位である。また近年天然ガス輸出国として頭角を現しているオーストラリアは生産量世界13位、消費量は世界28位である。

 ここではこれら6カ国について生産量と消費量のギャップ(需給ギャップ)の推移を見ると共に、米国、中国、UAE、英国、インド及びクウェイトの6カ国について天然ガス自給率を検証してみる。

 

(過去10年間1,800億㎥近い余裕を維持するロシア!)

(5-1)各国の生産量と消費量のギャップ

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-G04.pdf 参照)

 6カ国のうちで2015年の生産量が消費量を上回っているのはロシア、カナダ、オーストラリアの3カ国であり、米国、中国及びUAEの3か国は消費量が生産量を上回っている。つまり前3カ国は天然ガスの輸出余力があり、後者の3カ国は天然ガスを輸入する必要があることを示している。

 

 6カ国の過去11年間(2005~2015年)の需給ギャップを見ると、2005年のロシアは生産量5,801億㎥に対し消費量は3,940億㎥であり、差し引き1,861億㎥の生産超過(輸出余力)となり、ヨーロッパ諸国に輸出されたことになる。ロシアの需給ギャップは2009年に一時1,500億㎥を割ったが、その後は再び上昇して2013年の需給ギャップは過去10年で最大の1,913億㎥に達し、2015年は1,816億㎥となっている。このことは2008年にリーマンショックのためヨーロッパの消費が一時的に減ったものの、その後の世界景気の回復と新たな国内ガス田の開発及び極東向けのLNG輸出開始により2013年には国内消費の伸びを上回る生産が行われたことを示している。しかし一昨年及び昨年は欧米先進国の経済制裁の影響により国内、輸出ともに消費量が減退したものと見られる。

 

 カナダもロシアと同様生産量が消費量を上回っているが、ロシアとは対照的に2006年以降は需給ギャップが年々縮小している。同国の2005年の生産量は1,871億㎥、消費量は978億㎥で差し引き893億㎥の余剰生産であったが、その後余剰生産量は減少し続け2015年には611億㎥になっている。2015年の国内消費量は1,025億㎥であったから10年間の消費の増加は5%に過ぎない。従って余剰生産量の減少は輸出量の減少を意味している。カナダの場合天然ガスの輸出は現在のところ米国向けに限定されるため輸出量の減少は即ち対米輸出が減ったことになる。それは次に述べるとおりとりもなおさずシェールガス革命により米国の生産量が急増したためである。

 

 2005年に米国は1,122億㎥の消費超過であった(生産5,111億㎥、消費6,234億㎥)。2007年まではほぼこのような状況が続いたが、2008年以降はギャップが急速に小さくなり、2015年のギャップは11年前の10分の1の107億㎥にまで下がっている。シェールガスによる天然ガスの供給増は目を見張るものがある。

 

 中国の場合、2005年は生産量510億㎥、消費量482億㎥で天然ガスの完全自給国であった。しかし2007年には消費量が生産量を上回るようになり、その後需給ギャップは年々大きくなっている。2015年は生産量1,380億㎥に対し消費量は1,973億㎥に達し、正味594億㎥が輸入されたことになる。この傾向は今後も続くことはほぼ間違いないであろう。

 

 オーストラリアは新規ガス田の開発により2015年の生産量は2005年の1.7倍に増加している。これに対して同じ期間の消費の伸びは1.4倍であり余剰生産量は143億㎥から327億㎥に倍増し、LNGとして輸出に回されている。UAEにおける天然ガスの用途は発電及び海水淡水化用燃料であり、かつては油田の随伴ガスで賄っていたが、電力・水の需要が急増し2008年以降は国産のガスだけでは足らなくなり、隣国のカタールからパイプラインで輸入している状況である。2015年の輸入量は134億㎥に達し既に米国の輸入量を上回っている。

 

(続く)

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月24日)

2016年08月24日 | 今日のニュース

・イラク石油相、BPなど操業中の外国企業に生産、輸出の増加を要請

 


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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(34)

2016年08月24日 | 中東の戦後70年
第4章:中東の戦争と平和
 
6.イラン・イスラム革命
 1970年代末までのイランは中東で最も安定した国であった。1921年にコサック軍のレザー・ハーンがクーデタによりパハラヴィー王朝を樹立、それまでのペルシャという国名をイランに変更、第二次大戦ではナチス・ドイツに接近したため連合軍の進駐にあい、息子のムハンマド・パハラヴィーが皇帝の位を継承した。国内政治では共産党が力をつけ1951年にはモサデグが首相となり石油産業を国有化した。
 
 イランの共産主義化と石油の国有化に危機感を抱いた米国はCIAの秘密工作によりモサデグ政権を転覆、パハラヴィー皇帝(シャー)が全権を掌握した。これ以降米国とイランの蜜月関係が始まり、米国は最新兵器を惜しげもなくイランに供与、皇帝は石油の富を米国に還元したのである。米国は不安定なイスラエル情勢を間接的に支え、中東の東半分ペルシャ湾周辺を安定させる役割をイランに託した。イランは「ペルシャ湾の警察官」と呼ばれるようになったのである。シャーは米国CIAとイスラエル・モサドの協力を得て国内に秘密警察(SAVAK)の網を張り巡らせ恐怖政治を行った。そして米国の歓心を買うため「白色革命」と称して農地改革、国営企業の民営化、婦人参政権などの近代化を強引に進めた。
 
 白色革命によって最も影響を蒙ったのが都市のバザール(市場)商人であり、或いはイスラーム聖職者たちの宗教勢力であった。イスラームの預言者ムハンマドが隊商のリーダーであったこともありイスラームでは商人階層と宗教階層は相性が良い。中東の商人の力は侮りがたい。商人たちと聖職者は協力してシャー体制に抵抗した。抵抗運動に対して皇帝は彼らを容赦なく投獄或いは国外追放した。宗教指導者のホメイニ師も国外に追放され、パリから抵抗運動を指導した。
 
 1978年、ホメイニ師に対する中傷記事をきっかけに聖地コムで暴動が発生、それを弾圧する政府に抗議しイスラム国家の樹立を叫ぶデモが燎原の火のごとくイラン全土に波及した。1979年1月、ついに皇帝シャーは国外に退去し、入れ替わりにホメイニ師がパリから帰国、ついにイスラム革命が成功したのである。
 
 同年4月、国民投票によりイスラーム共和国の樹立が宣言された。ホメイニ師が提唱した「法学者の統治(ベラヤット・ファギー)」が国家体制の基礎とされた。イスラーム近代社会で初めて宗教国家が成立したのである。ベラヤット・ファギーとはイランのイスラーム信者の多数を占めるシーア派十二イマーム派特有の法理論であり、ムハンマドの死後その教えを引き継ぐ宗教指導者イマームが十二代目で途絶え(イマームはお隠れになった)、いずれの日かマハディ(救世主)が現れるまで、イスラーム指導者がマハディに代わって世の中を治めるとする理論であり、宗教支配を正当化することである。こうしてイランは世界でも稀な宗教国家となったのである。
 
 同じころ東隣のアフガニスタンでは共産主義政権が生まれ、アフガニスタン戦争が始まる。アフガニスタン戦争はイデオロギー(智)と宗教(信仰=心)の二つの側面を持っていた。だからこそ水と油の関係の米国とアラブ・イスラーム諸国が呉越同舟でソ連に対抗したのである。即ち自由主義・資本主義のイデオロギーを奉じる米国はアフガニスタン戦争をソ連とのイデオロギー最終戦争と位置づけ、一方のアラブ・イスラーム諸国は社会主義・共産主義の無神論が侵入するのを阻止するための宗教戦争と位置付けたのである。
 
 これに対してイラン・イスラーム革命は宗教という信仰の体制がシャー(皇帝)による自由主義・資本主義イデオロギーという「智」の体制に取って代わったのである。ソ連も米国もイランの体制の変化に当惑した。中でもシャーという中東で唯一無二の味方を失った米国の衝撃は大きかった。米国は人道的配慮を理由にシャーを亡命者として庇護した。これがイランの学生の反米感情に火をつけ、テヘランの米国大使館占拠事件に発展する。占拠は一年もの間続いた結果、今度は米国に強烈な反イラン感情が生まれそれは今に至っても収まる気配はない。イランと米国の不幸な関係の始まりである。
 
(続く)
 
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 荒葉一也
 E-mail; areha_kazuya@jcom.home.ne.jp
 Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
 
 

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天然ガスは目先買い手市場に:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ(天然ガス篇11)

2016年08月23日 | 中東の戦後70年

(2009年に日本を超えた中国、増加の伸びが止まった日本とインド!)

(4)日本、中国及びインドの消費量の推移(1980~2015年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-3-G03.pdf 参照)

 ここではアジアの三大国である日本、中国及びインドについて1980年から昨年までの消費量の推移を比較してみる。1980年の日本、中国及びインドの天然ガスの消費量はそれぞれ241億㎥、147億㎥、12億㎥であった。中国は日本の6割、インドはわずか20分の1に過ぎなかった。それでも同じ年の米国の消費量5,629億㎥と比べると日本ですら米国の20分の1以下だったのである。

 

 1980年から2000年までの20年間は日本とインドの消費量が急増する一方、中国の増加率は両国を下回った。このため2000年における3カ国の消費量は、日本723億㎥、インド264億㎥、中国253億㎥となりインドが中国を追い抜き、日本と中国の差は3倍に拡大した。

 

 しかし2000年以降中国の天然ガス消費量は急増、2005年には482億㎥に倍増した。2005年以降は増加のペースが加速し2009年には日本を追い抜き、2015年の中国の消費量は1,973億㎥、日本の1.7倍となっている。日本の場合は2000年から2010年までの年間平均増加率は3%であったが、2011年には一挙に対前年比12%の大幅増となり、2012年も前年比11%と2年連続して高い増加率を示した。福島原発事故に伴う火力発電用LNG調達のためであるが、その後の2013年および2014年の対前年伸び率はそれぞれ0.0%および1.0%と増加の勢いは止まり、2015年は減少に転じ前年比3.9%減であった。インドの消費量は2010年までは順調に伸び2011年には619億㎥に達したが、その後は減少傾向が止まらず、2015年の消費量は506億㎥である。これは日本の2分の1、中国の4分の1弱である。

 

 天然ガスは石油に比べてCO2や有害物質の排出量が少ない「環境に優しいエネルギー」として今後需要が拡大することは間違いない。世界的にも新しいパイプラインやLNGの液化・運搬・受入設備が増強されている。米国でシェールガスの開発生産が急増しており、また世界各地で新しいガス田が発見されるなど天然ガスの開発と生産拡大の余地は大きく、それに応じて今後も消費拡大のペースは続くものと思われる。中国は今後ますます需要が伸びるものと見られ、最近ロシアと大型天然ガス購入契約を締結し消費の増加に対処しようとしている。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(8月22日)

2016年08月22日 | 今日のニュース

・イラン6月原油生産361万B/D、輸出200万B/Dで安定

 


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