石油の内外情報を読み解く

内外の石油・天然ガス関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。(元ジェトロリヤド事務所長 前田高行)

今週の各社プレスリリースから(7/24-7/30)

2016年07月30日 | 今日のニュース

7/25 ExxonMobil SABIC and ExxonMobil Evaluating Petrochemical Joint Venture on U.S. Gulf Coast 

7/26 BP BP second quarter 2016 results 
7/28 石油連盟 木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 
7/28 Shell Royal Dutch Shell plc second quarter 2016 results announcement
7/28 Total Second quarter and first half 2016 results  
7/29 JXエネルギー 人事異動について
7/29 ExxonMobil ExxonMobil Earns $1.7 Billion in Second Quarter of 2016  


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BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ:天然ガス篇2

2016年07月28日 | BP統計

 

1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数(続き)

(埋蔵量は35年間で2.6倍、可採年数は50~60年前後でほぼ一定!)

(3)1980~2015年の埋蔵量及び可採年数の推移

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G02.pdf参照)

 1980年末の世界の埋蔵量は72tcmであったが、2015年末のそれは187tcmであり、この34年間で2.6倍に増加している。埋蔵量は1990年、2001年及び2010年前後とほぼ10年毎に大幅に増加しており、以下のような4つの成長時期に分けることができる。

 

 1980年代は年率4%前後の割合で伸び、1988年末の埋蔵量は96tcmに達した(第1期)。そして1989年には対前年比11%の大幅な増加を示し同年末の埋蔵量は107tcmとなった。その後1990年代は年間成長率が平均2%とやや鈍り2000年末の埋蔵量は139tcmであった(第2期)。2001年は前年比10.3%増大し同年末の埋蔵量は154tcmに達したが、2002年以降2007年までは年間成長率が1%以下に停滞している(第3期)。2008年から埋蔵量は再び増加の兆しを見せ2010年及び2011年の対前年比伸び率はそれぞれ4.3%、5.3%であった(第4期)。2011年から2015年の埋蔵量は横ばい状態で2015年末は187tcfであり現在の第4成長期が高原状態に達しているようである。

 

 一方可採年数の推移をみると1980年代は50年台前半であったが1990年代以降は50年台後半を維持し、2001年及び2002年には可採年数は60年を超えている。2003年以降は50年台後半を、また2013年以降は50年代前半維持しており、2015年の可採年数は53年となっている。上に述べた通り1980年から2015年まで可採埋蔵量は一貫して増加しており(但し2012年のみは対前年比で微減)、この間天然ガスの消費は大幅に伸びている(本編第3章「天然ガスの消費量」参照)。消費量が急激に増加するなかで可採年数が横這い状態となっているということは、世界各地で新しいガス田が発見され、或いは従来商業生産が難しいとされていたものが技術革新により実用化されたことを意味している。前者の新規ガス田発見の例としては中央アジアのトルクメニスタン、ロシアの北極海或いは東アフリカのモザンビーク沖における大型ガス田の発見があり、後者の技術革新の例としては米国のシェールガスや世界各国におけるコールベッドメタンの開発をあげることができる。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(30)

2016年07月27日 | 中東の戦後70年
第4章:中東の戦争と平和
 
2.平穏な市民生活に忍び寄る長期独裁政権の影
 第四次中東戦争が終わりほっとしたのはエジプトとイスラエルの両国民だけではない。長年住み慣れた父祖の地を追われてヨルダンに逃れ、さらに東のクウェイト或いはサウジアラビアへと移って行ったパレスチナ人たちも気持ちは同じであった。
 
 クウェイトとサウジアラビアの中間地帯で石油開発に乗り出した日本企業に就職したシャティーラは遠縁のパレスチナ女性と結婚、忙しいが平和な日々を送っていた。彼は週末になると妻を伴い中古のアメリカ車を運転してクウェイトに住む両親のもとを訪ねるのであった。国境を越えてしばらくは未舗装の凸凹道であったが、ブルガン油田地帯に入るあたりからは片側二車線の快適な舗装道路がクウェイト市内まで真っ直ぐに続いていた。父親の家に着くとシャティーラは必ず隣家のアル・ヤーシン家を訪ねる。二つの家族はパレスチナのトゥルカムからヨルダン、さらにクウェイトへと常に行動を共にしてきた同志である。クウェイトでアル・ヤーシン家は娘を授かりラニアと命名した。シャティーラは可愛くて利発な女の子ラニアと大の仲良しであった。
 
 クウェイトの中心街には欧米の一流ホテルが軒を連ね、エアコンの効いたショッピング・センターでは世界の有名ブランドの店が買い物客を惹きつけた。中東戦争が終わり石油ブームが到来したためである。クウェイト人も外国人も平和と豊かさを満喫し、このような生活がいつまでも続くことを願った。周辺のアラブ諸国も産油国の援助、或いは出稼ぎ者からの送金により恩恵を蒙ったのであった。
 
 しかしそのような平穏な生活が続くと、奇妙なことに民衆の心の中に不満が少しづつ鬱積する。物足らなくなるだけではない。生活の底に流れる経済格差に気が付き、変革を求めるのである。そのような微妙な空気を抜け目なく捉えて登場するのが独裁者である。独裁者は最初から圧政者だった訳ではなく、むしろ最初は国民的な人気者として登場する。このような現象は中東に限ったことではなく、東欧、アジア、南米、アフリカなど多くの開発途上国で見られることであるが、中東特有の現象は独裁政権が第4次中東戦争後に集中的に出現し、その後ごく最近まで30年或いは40年間という極めて長い間権力を保持し、その一部は今も権力を掌握し続けていることである。
 
 中東の独裁者たちの在任期間を歴史順に並べると、リビアのカダフィ大佐(1969年~2011年)をはじめとして、シリアのアサド大統領父子(1971年~現在)、イエメン・サーレハ大統領(1978年~2012年)、イラク・フセイン大統領(1979年~2003年)、エジプト・ムバラク大統領(1981年~2011年)、チュニジアのベン・アリ大統領(1987年~2011年)、そしてスーダンのバシル大統領(1989年~現在)となる。短い独裁者で24年、長い場合はアサド父子で45年経た今も独裁者の椅子に座り続けている。
 
 彼らが最初に権力の座に就いたのは1980年前後が多い。また権力の座を滑り落ちた年が2011年、12年に集中していることに気付かれるであろう。これはいうまでもなく2010年末に始まった「アラブの春」の影響である。
 
 それぞれが独裁者になる過程は各国の政治的・社会的状況や権力奪取の方法等によりそれぞれに異なる。しかし中東の独裁者たちにはいくつかの共通点もある。リビアのカダフィ、シリアのハフィーズ・アサド(父親)、エジプトのムバラク、イエメンのサーレハ、スーダンのバシルはいずれも軍人である。中東では軍隊経験こそが独裁者への最短コースのようである。
 
 その中でリビアのカダフィを例に取ると、彼は1969年にクーデタでイドリス王朝を倒して権力を掌握、国名を大リビア・アラブ社会主義人民ジャマヒリーヤ国とした。ジャマヒリーヤとは直接民主主義の意味であり、彼は人々が彼のことを大統領と呼ぶことを許さなかった。そこで人々は彼を最高指導者と呼び、彼自らは敬愛するエジプトのナセル大統領の軍隊時代の肩書が大佐であったため、自らを「大佐」と称した。彼は飴と鞭を使い分けて国内の部族勢力を従わせ、一方絶妙の世渡り術を駆使して激動する国際社会を生き抜いたのである。しかし最終的には隣国チュニジアの「アラブの春」の余波を受け内戦の中で殺害され42年にわたる独裁の幕を閉じたのであった。
 
(続く)
 
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 荒葉一也
 E-mail; areha_kazuya@jcom.home.ne.jp
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BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ:天然ガス篇1

2016年07月26日 | BP統計

BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2016」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。

 

1.世界の天然ガスの埋蔵量と可採年数

(天然ガスの4分の3は中東と欧州・ユーラシアに。世界の可採年数は53年!)

(1)2015年末の確認埋蔵量

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-G01.pdf参照)

 2015年末の世界の天然ガスの確認可採埋蔵量(以下単に「埋蔵量」と言う)は187兆立方メートル(以下tcm: trillion cubic meter)であり、可採年数(R/P)は53年である。

 

 埋蔵量を地域別に見ると中東が43%、欧州・ユーラシアが30%であり、この2地域だけで世界の埋蔵量の4分の3を占めている。これら2地域に次ぐのはアジア・大洋州とアフリカがそれぞれ8%、北米7%、中南米4%でこれらすべて合わせても全体の4分の1にとどまる。このように世界の天然ガスの埋蔵量は一部地域に偏在していると言える。

 

 埋蔵量を生産量(次章参照)で割った数値が可採年数(R/P)であるが、2015年の天然ガスのR/Pは53年である。これを地域別で見ると中東地域の130年に対して北米はわずか13年にすぎない。アフリカ地域のR/Pは66年で全世界の平均を上回っており、その他欧州・ユーラシアは世界平均よりやや高い57年である。中南米は43年、アジア・大洋州は28年で世界平均を下回っている。

 

(国別埋蔵量ではイランとロシアがトップ!)

(2)国別の埋蔵量

(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/2-1-T01.pdf参照)

 2015年末の国別埋蔵量を見ると、イランが最も多い34tcmであり、第2位はロシアの32tcmである。この2カ国が世界の中で飛びぬけて多く、両国を合わせると世界の36%を占める。この2カ国に続くのが第三位カタール(25tcm、シェア13%)、第四位トルクメニスタン(18tcm、9%)であり、これら4カ国だけで世界の埋蔵量の6割弱を占めている。5位以下10位までは米国(世界シェア5.6%)、サウジアラビア(4.5%)、UAE(3.3%)、ベネズエラ(3.0%)、ナイジェリア(2.7%)、アルジェリア(2.4%)と続いており、上位10カ国の世界シェア合計は79%に達する。

 

 因みに天然ガス生産国の一部はガス輸出国フォーラム(GECF)を結成している。GECFは2001年に結成され、現在は正式メンバーがロシア、イラン、カタール、アルジェリアなど12カ国及びオブザーバーがノルウェーなど3カ国の合計15カ国で構成されている。埋蔵量上位10カ国のうち6カ国がGECF加盟国であり、これらの国々の埋蔵量が世界に占める割合は6割弱に達する。GECF自体は加盟国相互間で世界の天然ガス市場の需給・価格情報を共有することが目的であり、OPEC(石油輸出国機構)のような生産カルテルではないが、消費国の一部にはGECFを「天然ガスのOPEC版」と警戒する向きもあり、今後の動向が注目されている[]

 

(*)ガス輸出国フォーラム(GECF)メンバー

正式加盟国(12ヶ国):ロシア、イラン、カタール、ベネズエラ、ナイジェリア、アルジェリア、エジプト、リビア、オマーン、トリニダード・トバゴ、ボリビア、エクアトール・ギニア

オブザーバー参加国(3カ国):ノルウェー、カザフスタン、オランダ

 

(続く)

 

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[1]拙稿「ガスOPEC(天然ガス輸出国カルテル)は生まれるか?」(2007年5月)参照。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0131GasOpecReport2007.pdf


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ホームページ「マイ・ライブラリー」のご案内

2016年07月25日 | その他

 これまでにブログ「アラビア半島定点観測」、「内外の石油情報を読み解く」および各種の雑誌への寄稿等に発表したレポート、エッセイ等を「マイ・ライブラリー(論稿集)」としてまとめました。 日々のニュースをモニタリングしているブログ「アラビア半島定点観測」及び「石油の内外情報を読み解く」とあわせてお読みください。

おすすめのコーナー:

・(New)BPエネルギー統計2016年版石油篇

・(New)五大国際石油企業2016年1-3月期決算速報

・五大国際石油企業2015年度業績速報

・(ニュース解説)サウジアラムコIPOニュースの波紋

 

 

 


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今週の各社プレスリリースから(7/17-7/23)

2016年07月23日 | 今週の新聞発表

7/20 Total Papua New Guinea: Total statement regarding Interoil assets  7/20 Chevron Chevron and JOVO Sign LNG Agreement 
7/21 住友商事/新日鉄住金 BPとラインパイプの長期販売契約を更新 
7/21 ExxonMobil ExxonMobil to Acquire InterOil in Transaction Worth More Than $2.5 Billion  

7/22 Total Total signs long-term agreement to supply LNG to Japan’s Chugoku Electric  


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ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月22日)

2016年07月22日 | 今日のニュース

・中国の石油輸入国、3か月ぶりにサウジアラビアがロシアからトップ奪回。サウジ:111万B/D、ロシア100万B/D

 


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見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(29)

2016年07月20日 | 中東の戦後70年
第4章:中東の戦争と平和
 
1.束の間の平和:イスラエルとエジプトの和平
 第四次中東戦争は1973年10月25日に終わった。緒戦の勝利でアラブ側に有利な停戦条件を引き出そうとしたサダトの思惑通りにはならなかったが、ともかくエジプトとイスラエル双方に和解の機運が生まれた。
 
 1948年の第一次中東戦争(イスラエル独立戦争)以来わずか四半世紀の間に4回も戦火を交えた両国は共にすっかり疲弊し、国民の間には厭戦機運がみなぎっていた。中東戦争にうんざりしていたのは当事国だけではない。イスラエルの最大の庇護者である米国もニクソン大統領が経済面で不安定な国際通貨危機に振り回され(1971年、ニクソン・ドルショック)、外交面では泥沼のベトナム戦争から抜けられずに苦悩を深めていた。戦前ヨーロッパのユダヤ人迫害を逆手に取られてこれまでずっとイスラエルの肩を持たされてきた欧州諸国はと言えば、アラブ人やイスラム教徒に加担する気は毛頭なかったものの、我が物顔のイスラエルに対して「もういい加減にしてほしい」という空気が漂い始めていた。
 
 さらに第四次中東戦争でアラブの産油国が石油禁輸を強行したため、これまで中東紛争に無関心、無関係を装っていたアジアの国々には石油ショックの衝撃が走った。特に日本にとっては高度成長という太平の夢を打ち砕く大事件であった。日本を始めとする石油の消費国もアラブとイスラエルの和平を促した。
 
 戦争回避の機運は現実主義者のサダトにとっても望むところであった。一部アラブ諸国の首脳はなお「イスラエルを地中海に叩き落せ!」という勇ましい掛け声を叫び続けていたが、それが荒唐無稽な絵空事であることをアラブの大衆は肌身で感じていたし、サダトも同じであった。優秀な軍人ほど現実を冷徹に見据えるものである。ただ熱くなるだけのリーダーはいつか必ず敗北を味わう。そのとき退場するのが本人一人で済めば良いが、「一将功成って万骨枯る」では部下が浮かばれない。この点、サダトは智将であった。
 
 サダトは第4次中東戦争終結後から米国寄りの姿勢に転じた。前任のナセル大統領がソ連寄りだったのと対照的である。米国ではキッシンジャー特別補佐官(後に国務長官)がニクソンとそれに続くジョンソンの両大統領時代にデタント(緊張緩和)外交政策を展開、これにより米中和解、ベトナム戦争終結などが実現、全世界に平和の機運が生まれた。この機に乗じサダトもイスラエルとの関係改善を図り、1977年にはイスラエル訪問にこぎつけた。翌1978年に民主党の理想主義者カーターが大統領に就任した。イスラエルびいきの共和党からリベラルな民主党に政権交代したことでエジプトとイスラエルの和平が現実味を帯びてきた。1977年、両国が歴史的な平和条約を締結すると、カーター大統領は両首脳をワシントンのキャンプ・デービッドに招いた。和平合意により第三次中東戦争以来イスラエルが占領していたシナイ半島はエジプトに返還された。
 
 これら一連の動きの集大成として1978年、エジプト大統領サダトとイスラエル首相ベギンはノーベル平和賞を受ける栄誉に浴した。1901年に第1回ノーベル平和賞が授与されて以来、アラブ人が受賞するのはサダトが初めてである。
 
 このように書き連ねるとサダトが英雄とは言えないまでもエジプトおよびアラブ諸国から平和の貢献者として高く評価されてもおかしくないように聞こえる。しかし現実は全く逆であった。彼のエジプト・イスラエル単独和平はアラブ以外の世界各国からは高い評価を得たものの、肝心のアラブ諸国からは「パレスチナのアラブ人同胞に対する裏切り」ととられサダトは国内外で孤立する。サダトのような軍人政治家は戦争に勝って平和を得てこそ英雄である。しかし勝敗がはっきりしないままに戦争を終結し外交手腕によって平和をもたらしても国民大衆は彼を「裏切者」とそしるのである。
 
 サダトにその後もう一つの誤算が生じた。1979年、イランにイスラム革命が発生、サダトは人道的配慮からムハンマド・レザー皇帝の亡命を受け入れた。しかし皇帝はサダトの好意を踏みにじりカイロから米国へ向かったのである。エジプトの大衆はこれに猛烈に反発、非難の矛先をサダトに向けた。中東に平和をもたらし、シナイ半島の返還を実現したにもかかわらず大衆はサダトに冷たかった。
 
 1981年10月、第4次中東戦争開戦記念の軍事パレードを観閲中のサダト大統領はパレードの隊列で行進中の歩兵車両部隊によって暗殺されたのであった。
 
 (続く)
 
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 荒葉一也
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消費量でインドに追い抜かれた日本:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ:石油篇18(完)

2016年07月18日 | BP統計

(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます


5.世界の石油精製能力(続き)

(景気低迷で稼働率70%台にとどまる中国!)

(5)主要な国と地域の精製設備稼働率(2000~2015年)

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-5-G04.pdf 参照)

 精製能力に対して実際に処理された原油の量(通油量:Refinery throughputs)で割ったものが設備の稼働率である。ここでは日本、米国、中国、インド及び欧州・ユーラシア地域について2000年から2015年の稼働率を比較検討する。

 

 2000年には米国とインドが90%を超える高い稼働率を示し、日本も83%を記録している。これに対し中国および欧州・ユーラシア地域は74~75%にとどまっていた。インドはその後も高い稼働率を維持し2003年以降は稼働率100%を超える状況が続き、2015年の稼働率は106%であった。前項の精製能力の推移に見られるとおりインドは2000年以降精製能力を拡大しており、2015年には2000年の1.94倍の能力に達しているが、需要の伸びに追い付かず慢性的な精製能力不足であることがわかる。

 

 米国の稼働率は2000年の91%をピークに年々低下し2009年には82%まで下がった。その後稼働率は年々上がっており2015年には88%とほぼ2000年の水準に戻っている。同国の精製能力は2000年の1,660万B/Dに対して2015年は1,832万B/Dに増加しており、近年経済が回復しガソリンなどの石油製品の需要が堅調であることを示している。但しシェールオイルおよびOPECが高水準の生産を維持しているため昨年の後半以降原油価格が急落していることを勘案すると米国の石油産業は「利益なき繁忙」の状況にあるとも言えそうである。

 

 日本は設備能力の削減により漸く稼働率が上がりつつある。前項に示したとおり日本の精製能力は2000年の501万B/Dから2015年には372万B/Dへと4分の1も減少している。その間の稼働率は2000年の83%が2005年には91%に上昇し設備廃棄の効果が見られた。その後稼働率は再び80%台前半に低迷しており、2012年は80%に落ちたため、更なる設備削減が行なわれた結果、2015年には88%まで回復した。

 

 中国の精製能力は2000年の541万B/Dから2015年には2.6倍の1,426万B/Dに急拡大している。その間、2011年までは80%前後の稼働率で推移してきたが、2012年以降は稼働率は70%台にとどまっており景気低迷の影響がうかがわれる。

 

 欧州・ユーラシア地域の精製能力は2000年の2,503万B/Dから2015年には2,364万B/Dに減少している。しかしながらこの間の稼働率は80%前後でありほぼ横ばい状態である。現在でも設備過剰感が残っているようである。

 

(石油篇完)

 

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今週の各社プレスリリースから(7/10-7/16)

2016年07月16日 | 今週の新聞発表

7/11 Shell LNG Canada’s joint venture participants delay timing of final investment decision  
7/13 JOGMEC 中国・国家石油備蓄センター(NORC)との石油備蓄の運営、管理に関する研修の実施に関する協定書の締結~国際協力の推進による我が国のエネルギー安全保障の向上への取り組み~

7/14 JXエネルギー 人事異動について 


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