Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

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LA SONNAMBULA (Sat Mtn, Mar 21, 2009)

2009-03-21 | メトロポリタン・オペラ
注:この公演はライブ・イン・HD(ライブ・ビューイング)の収録日の公演です。
ライブ・イン・HDを鑑賞される予定の方は、読みすすめられる際、その点をご了承ください。

『夢遊病の女』、それはベル・カント・レパートリーを語る際に決して外せない、
美しい旋律に溢れた作品であるに関わらず、メトではなんと今シーズン35年ぶり(!)に
舞台にかかるという、NYエリアのベル・カント・ファンにはあまりにも永すぎた春。
それを、ジンマーマンの新演出で、昨年の『連隊の娘』に続きデッセイとフローレスのコンビが飾るとなれば、
人気公演になるお膳立てはすべて整ったようなもので、
ライブ・イン・HD予定演目の中でも最も手堅く、最もこけることのない作品だと思っていました。
ところが初日にはまさかの大ブーイングがジンマーマンの演出にとび、
さらにデッセイの歌唱もどこか冴えず、結局、気を吐いているのはフローレス一人という大変な事態に。

ラン二日目の公演には私も劇場へ足を運びましたが、演出へのブーイングこそ出なかったものの
(しかし、それはジンマーマンが舞台挨拶に現れなかったからに過ぎない可能性大あり。)、
デッセイの歌は焦点がずれていて、テクニック的にも荒い部分が散見され、
公演の問題がすべて演出のせいにされているのは、それはちょっと違って、
実は歌の方にも原因があるのではないか、という疑問をその時の感想で投げかけたとおりです。
そんななか、フローレスだけは一人、その日、まさに絶好調の山の頂点に立っていて、
この演目、存じ上げているだけでも、このブログを読んでくださっている方で、
NYにお住まいの方はもちろん、日本からはるばるメトにいらっしゃった方や、
海外でHDでご覧になった・なる方が、たくさんおられて、こんなことを申し上げるのは
気が引けますが、私はランの中でも最高の歌唱だったと思っています。
(同じ日にご覧になった方は大いに喜びましょう!!)
聴ける機会のあったシリウスの放送、それからこの記事で感想を書こうとしている
HD収録日の公演と比べてももちろんそうで、
この二日目以上の歌を歌うことは物理的に無理である、と私は言い切ってしまいます。
テクニックが冴えわたっていたのはもちろん、コンディションが、今まで彼を生で聴いた中でも、
最高に良かったので、無理もありません。
アリアの後で、観客の拍手が止まらなくなって、フローレスが感謝の気持ちをあらわすその動作にも、
彼自身が会心の出来だと感じている様子が伝わってきて、
こんなすごい歌が聴けたんだから、と、演出の問題に対しても気が大きくなってしまいました。

今日はすでにふれた通り、ライブ・イン・HDの収録日。
前回の、最前列でも舞台から距離があるグランド・ティアの正面席と違って、
今日はサイドのボックス席なので、舞台に近く、歌手の表情や細かい演技が見れるのが魅力です。

まず、前回、技巧面で随分不安を感じさせられたリーザ役のブラックですが、
この短時間でよくここまでまとめて来たと思います。
声、歌唱ともに際立った個性や魅力があるわけではないのですが、
割と性格付けの難しいこの役(どこかに滑稽で憎めない部分も残さないと、
やりすぎては単なる意地悪女になってしまう。)を彼女らしく演じていました。
この役は作品通りに演出されていれば、村の宿屋を切り盛りしている若女主人で、
フローレス演じるエルヴィーノとは昔恋仲だったという過去があります。
その意味でも、彼女があまりに嫌な女では、エルヴィーノって、
女だったら誰でも彼女にするのか?という話になってしまいます。
だから、あくまでエルヴィーノをアミーナにとられて心がねじれてしまった、
という範囲内におさまる嫌な女でなくてはなりません。
というか、私は大体どういう経緯でアミーナがエルヴィーノとおさまったのか、それも結構気になったりします。
意外とアミーナの方が、清楚な風でしたたかなんじゃないか、と思ったり、、。
侯爵に夜這い同然のことをしかけるのだって、考えてみれば、
まだエルヴィーノとアミーナが結婚するとみんなが思っていた時期なんであって、
リーザが自由恋愛をしたって、誰に責められる理由もないってもんです。
この演出では、その彼女が、NYにあるオペラ・カンパニーの演出助手で、
アミーナ役を歌う主役女性歌手(デッセイ)と相思相愛であるエルヴィーノ役を歌う主役男性歌手(フローレス)の、
フローレスの方に横恋慕しているという設定になっています。
職場恋愛バリバリのオペラ・カンパニーなのです。

演出家かアミーナのマネージャーのような女性を演じるバネルは、
リブレットでは、孤児アミーナの優しい育ての母親テレーザ。
彼女はメトのいくつもの舞台で脇を固めているおなじみのメゾですが、それは、
『カヴァレリア・ルスティカーナ』のルチア母さん役のようなヴェリズモ・ロールから、
この『夢遊病の女』のようなベル・カントものまでカバーし、
それぞれがきちんとスタイル感があるという器用さを考えれば驚きではありません。

今日のデッセイは、これまでの自分の歌唱をかなりきちんと分析してきたとみえ、
とにかく丁寧で耳障りな部分のない歌を仕上げることに専念していたと思います。
その中で、無理な技巧は思い切って落とす、という英断もしていて、
前回、”さらりと曖昧に流した”部分として紹介した一幕のカバレッタも、
カラスと全く同じ上昇音階に挑戦するのはやめ(これが上手く行けば、
まるで小鳥のように聴こえてすごくスリリングな部分なのですが、残念ながら、
私が前回観たときは非常に微妙でした。)、無理なく歌える旋律に差し替えていました。
彼女の今日の歌は集中力がずっとあがっていて、こういう大舞台に強い人だな、
とつくづく思います。
今日の歌からは、本来歌いたかったところから難易度を下げているな、と感じる部分はあっても、
雑だな、という印象を感じる方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。

演技も前回よりは主役歌手役としてのディーヴァ度を下げ、
より親しみやすい女の子像にシフトさせていたのは正解だと思います。



逆にカメラが入っていることで少し緊張していたのはフローレスの方でしょうか?
彼はこの役は声に合っていて歌いやすいのか、今回全ての公演で
非常にレベルの高い歌唱を披露し続けていますが(というか、フローレスがそうでないときの方が珍しい)、
その範囲での非常に細かい話をすれば、ほんの少し高音に緊張を感じる部分があり、歌う前にも少し構えているような感じで、
前回の公演で聴いたような、のびやかに、自由に声が空間に飛び出してくる感じと全く同じではありませんでした。
前回はHDはもちろん、シリウスの対象でもなかったので、リラックスの度合いが違ったのかもしれません。
それでも、素晴らしい歌には変わりがなく、逆にこんなすごい歌を聴かせているこの公演よりも、
まださらに上を行く歌を歌える時がフローレスにはある、というファビュラスな事実を
頭の片隅におきながらHDを鑑賞する、というのも素敵かもしれません。

デッセイの歌唱は歌唱で魅力的ではありますし、彼女は演技と歌唱を一体化させるところに強みがあるので、
歌だけを取り出して比較するのはフェアでないかもしれませんが、
私は彼女の歌については、どこか、ベル・カントの歌唱としては
ちょっとほわんとした発声の仕方がエキセントリックに感じる部分もあって、
それはこのベル・カント教科書のお手本のようなフローレスの歌と比べると、
なんとなくニュアンスが伝わるのではないか、と思います。

オリジナルのリブレットでは、身分を隠して(すぐに村人にはばれてしまいますが)村にあらわれる
侯爵ロドルフォは、この演出ではオペラカンパニーの総監督を思わせる感じで、
それゆえに、演出家助手(リーザ)が色仕掛けで迫っても、特に無理を感じません。
いえ、別に私はゲルプ氏にもそんなことがありそうだ、などとは決して言ってませんので、
そこのところは誤解なく。

ただ私は音楽だけからだと、このロドルフォは実はアミーナの実の父親なのではないか、と思っていて、
(で、テレーザは育ての母親なだけでなく、実は本当のお母さん。
つまり、ロドルフォは村の女テレーザとできていた!!!)
それは彼が妙にこの村を懐かしがっているところとか、
彼に与えられている旋律がとても優しかったり、
リーザには遠慮なく手をかける寸前だったロドルフォが、アミーナにはなぜか躊躇してしまうところ、とか、、。
アミーナが娘である、というのをはっきり知っているわけではないのだけれど、
本能レベルで、親子同士であることを何となく感じ取っているのではないかな、と思うのです。
もちろん彼こそがことの真相を知っている人間だから、というのもありますが、
エルヴィーノよりも、むしろ、変わらぬアミーナへの愛を終始作品を通して感じるのは
このロドルフォの方です。
なので、この演出もそんな風なことを匂わすものだったら素敵だな、と思ったのですが、
ロドルフォは、今回のメトの演出ではアミーナに緑の靴を履かせてあげる程度で、
それもどちらかというと、親子というより男女的なニュアンスでしたので、私の夢はあえなく破れました。

前回、ドリフを彷彿とさせられ、くらくらしたデッセイの客席夢遊の場面
(宿に泊まっているロドルフォの部屋にアミーナがあらわれる部分)ですが、
今日はサイド、それもデッセイが歩いている通路のほとんど真上にある、
に座っているせいで、オペラハウスの最後部座席の後ろにある扉から、
デッセイがずーっと一直線に舞台に向かって歩いて来るのが見え、
おかげで前回に比べてそれほど唐突な感じがなく、
この客席夢遊を見るには、最良のポジションでした。
正面席、それも後ろのほうだと余計に、舞台に近くなってからしか彼女が見えないので、効果が半減。
これはなんとしてでもサイドから楽しみたい演出です。

あまりの初日の観客受けの悪さに、細かい部分をだいぶ手直しするのではないかと思っていた今日の公演ですが、
前半に関しては基本的な部分の手直しはほとんどなく、まさに”馬鹿馬鹿しい”という言葉がぴったりな、
客席夢遊のシーンよりも一層ドリフしているともいえる”ドタバタ”場面、つまり、
一幕最後の、合唱のメンバー全員が紙をひきちぎる個所のことですが、ここもすべてまま。
この紙引きちぎりに関しては、私がどれだけこの演出を大目に見ようとしてもできない部分で、
せっかくのデッセイやフローレスの声がばりばりばりっ!という音にかき消されるのは許せません。

ライブ・イン・HDの映像を見るため、インターミッションは猛ダッシュでベルモント・ルームへ。
ホスト役のデボラ・ヴォイトのデッセイとフローレスへのインタビューが一段落した後、
私の隣に座っていた女友達同士で鑑賞にいらっしゃったと思しきローカルのおばあちゃま二人が、
かしましく、今日の演出は誰なのか?という議論を始めました。
片方のおばあちゃまが、”確かジンマーマンだったと思ったのだけど、、”と言いながら、
必死でプレイビルに目を通しています。
プレイビルに演出家の名前は書いてあるのですが、見つけられなかったのか、
おもむろに私の方に向き直って、”今日の公演の演出家、誰かご存知?”と尋ねられたので、
”ジンマーマンですよ。”と答えると、二人で、”やっぱり!””だから言ったでしょう?”と大騒ぎ。
そして、もう一人のおばあちゃまが、”あなた、今日の演出、どう思われる?”

こういう質問の仕方が、メトの、特にオペラヘッドから出てきた場合、
まずは、本人たちが気に入っていない、と思って間違いありません。
なぜ、”今日の演出、最悪だと思わない?”とストレートに言わないかというと、
例えばあまりオペラの鑑賞経験がない方や、あっても趣味の合わない方が、話し相手であった場合、
もしかすると、素晴らしい公演だ!と幸せな気分になっていらっしゃるかもしれず、
それを最初から”これは最悪だ!”と言ったりするのは申し訳ない、という気持ちからなのです。
しかし、答える方も、逆に相手がオペラ初心者/趣味の合わない人だったらどうしよう、という思いから、
つい、”いいですね。”と言ってしまう場合もあり
(らしくもなく、私もそんな風に答えてしまうこともあります。面倒臭いときとか、、。)、
お互いに、いいとも思っていないのに、”いい公演ですね”とかみ合わない会話になっているケースもままあります。

お二人の雰囲気からヘッズ臭を感じ取ったのと、今日はあまり本心を隠す気分ではなかったので、
”私はですね、超がつくベル・カント好きなので言わせていただけば、、”と前置きすると、
おばあちゃま二人揃って、”私達もよね?””ねっ!”といきなり合いの手。
”この演出はベル・カント作品としてのオリジナルの魅力とか雰囲気は完全に払拭していると思います。”
そこで”やっぱり!!””そうよね!!!”と私の腕を掴みながら蜂の巣をつついたような騒ぎに。
痛たたた、、。
その後に続けた、”でも、ベル・カント云々、などということを気にせず、
これはこれで違った独自のものとして見るなら、それなりに楽しめますし、
あの初日に出たようなブーイングを受けるほどのひどい演出とは思いませんが、、”
という言葉は当然ながらもうおばあちゃまたちの耳には入ってません。
畳み掛けるように、”あの最後の紙を破るシーンはあれは何?意味不明だわよ!!”
”ロドルフォ役のペルトゥージがE sonnambula(夢遊している女性だ!)という言葉を発してから、
デッセイが舞台上にあらわれるまで5分も経ってるのよ!おかしいでしょ!っての。”
(おそらく客席を徘徊しているために、、、)と、私もたじたじの大噴火。
私にとって今日は二度目の鑑賞であること、
前回はデッセイの歌がちょっとしたmess(ぐちゃぐちゃ)で、今日はそれに比べたらよくなってますよ、というと、
”ええ!そうなの?今日だって大して良くないのに!””そうそう、高音が無理矢理よね。”
私の腕をますます強く握り締めながら、演出や歌のほころびの次々を列挙し、
めためたに切り裂くその姿に、ふと、思い浮かんだ言葉は、
、、、もしかして、彼女たちってば、30年後のあたし、、?
しかし、そんな彼女たちもフローレスの歌は大絶賛なのでした。
その後、”二度ご覧になっても、演出はそう大して良くはなってないでしょ?なりようがないもの、これじゃ。”
とお二人で総括モードに入られた後、”お話できてとっても楽しかったわ。”
”難しいかもしれないけれど、残りの公演も楽しみましょうね!”と言い残し、
あわただしく幕前の化粧室に走り出す実にラブリーなお二人を呆然と見送る私なのでした。

さて、第二幕での一番の見所は婚約を破棄され後のアミーナの夢遊の場面。
デッセイが、オペラ・カンパニーの稽古場の外の窓の下にある外壁の部分を歩いて登場する、という話は
前回の記事で書きましたが、窓から無事に中に引き入れられたアミーナが、
稽古場にある黒板にある文字を書き、そこから当作品の最大の聴かせどころに入っていきます。
この黒板に書く文字が、前回は、ただの線だったのですが、
(つまり、一直線に水平の線が黒板に書かれた)
これだと、”夢遊病の女”な感じは出ますが、それ以上の何も伝わってきません。
しかし、今日の公演では、”elvino”(しかし、デッセイ、字、汚いなー。
しかも、eが小文字、、。学のない村娘だから、ってことかな?)と
とつとつと書く演技付けにかわっていて、これは実に効果的でした。
そうです、夢の中でも彼のことを思っているアミーナですから、
ここで書く言葉は”エルヴィーノ”以外のものであっていいわけがありません!
この後に続く歌の部分とも整合がとれていて、大成功していました。

歌の方も前回とはうってかわって、非常に丁寧で、あっと驚くような超絶技巧タイプの歌唱ではないものの、
しみじみと心に染みるいい歌唱だったと思います。
ここでオケの頭上にせり出してくるデッセイがのった板、こればかりは私も意味がさっぱりわかりません。
劇場で観ると、それほど聴覚的にも視覚的にもインパクトのあるものではなく、
(それこそかなり小さい板で、デッセイだからいいようなものの、
ヴォイトとヘップナーが同時に乗ったら割れてしまいそうな代物です。)
劇場のスタッフの給料を減給しようか、という話があるときに、
減給して浮いた金でこんな板を作るのか、と思うと、げんなりします。
全く不要です。こういうのを無駄遣いっていうんです。

結局、このHDの収録日に演出家のジンマーマンを再登場させる度胸はさすがのメトもなかったようで、
演出のみへのダイレクトな反応を確認する場はありませんでしたが、
全体としての反応は良く、しかし、それはひとえに、歌唱の力なんではないか、と思っている私です。
いい歌唱は演出の不備を越える。
『蝶々夫人』に続き、それが証明されたHDの公演でした。

Natalie Dessay (Amina)
Juan Diego Florez (Elvino)
Michele Pertusi (Count Rodolfo)
Jennifer Black (Lisa)
Jane Bunnell (Teresa)
Jeremy Galyon (Alessio)
Bernard Fitch (Notary)
Conductor: Evelino Pido
Production: Mary Zimmerman
Set design: Daniel Ostling
Costume design: Mara Blumenfeld
Lighting design: T.J. Gerckens
Choreography: Daniel Pelzig
Grand Tier Side Box 33 Front
OFF

*** ベッリーニ 夢遊病の女 Bellini La Sonnambula ***
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撮影済み?では。 (ゆみゆみ)
2009-03-22 15:31:32
私が見た、14日(土)のあの大騒ぎの日は何だったのでしょう?
カメラが上下し、そうです!!私の席を前の真ん中の席に代えて下さった日です。

あれって予行演習??座席を空けて、余分を確保して・・・大変だ事
HDライブキャストで観て来ました (babyfairy)
2009-03-23 06:50:02
HDライブキャスト観て来ました。このプロダクション、ひょっとしたら映像として観た方が良いのでしょうか? 噂に聞いていた程酷くないどころか、素晴らしい歌唱に感動してしまいました。

マドカキップさんの実際にご覧になった感想を拝読するのを楽しみにしています。
予行演習/良かった~ (Madokakip)
2009-03-23 12:49:56
頂いた順です。

 ゆみゆみさん、

ライブ・イン・HDはいつも土曜のマチネが対象です。
ゆみゆみさんがご覧になった14日は夜の公演ですよね?
通常は、本番の前の直前の公演(3/18)がカメラ・リハになることが多いのですが、
時々、そのさらに一つ前のものがリハーサルとなることがあるようです。
なので、14日はまさしく予行演習でした。
そうですよー、だから、HDは、いくつも
潰れてしまう座席が、x 二日分あるのです。

 babyfairyさん、

良かったー。それを聞いて安心しました!
なんだよー、メト、最悪の演出じゃないか!と
言われるのは悲しいですから、、。
私も、それはもとの作品の世界が損なわれている、
という点と、細かい筋にほころびがある、という面では、
不満な面もありますし、一幕の最後(みんなで紙をひきちぎるシーン)は馬鹿ばかしすぎるとは思いますが、
そんなに激怒するほど最悪なプロダクションとも思いませんでした。

フローレスの歌は良かったですねー。
デッセイも、私が一つ前に観た公演より、
ずっと良くなっていたと思います。

はい、感想の方、もう少しお待ちくださいね
父親ロドルフォ (Boni)
2009-03-27 16:27:58
>このロドルフォは実はアミーナの実の父親なのではないか

このオペラの台本は、ウージェーヌ・スクリーブによるバレおよびコメディーの為の台本を基に、ロマーニによって書かれたのですが、おぺら読本出版から出ている対訳の注記に拠れば、下敷きとなったスクリーブの台本、ロマーニの初稿ともに、アミーナはロドルフォの娘であった、という設定になっていたそうです。
この設定は結局却下されてしまうのですが、音楽やリブレットにも、その名残は充分に窺えますね。
私も上の事情を知らずにこのオペラを観たとき、Madokakipさんと同様の感想を持ったのですが、間違いではなかったわけです。

それにしても、おばあちゃま方の演出に対する評価はなかなか厳しいですね。どちらかと言えば私は、余りにチープであったり不愉快な演出でさえなければ、そして歌と演奏が良ければ、ブロードウェイ風であっても「ま、いっか」と許せてしまうのですが。
メトロポリタンの聴衆に忌み嫌われること必定の(あのおぞましい)ドイツ式演出を2,3回観てみるのも、新奇な演出に対する耐性を身につけるためには悪いことではないかも知れませんぞ。
興味深く拝読しました (babyfairy)
2009-03-28 00:05:29
詳しいご感想どうもありがとうございます。
なるほど、フローレスは2日目の方が良かったんですね。
彼の魅力の一つは、良い時と悪い時の差が少ない事なんですが(悪い時でも一定のレベルは保つ)、キャンセルが比較的少ない方と言った、『安定性』なんです。だからメトの理髪師を観に行った時も、コンディションの良し悪しに関わらずまず満足行く歌唱を聴かせてもらえると確信が持てたから、安心して大西洋越えする事が出来たんです。

真性夢遊病とは違うし、決して歌唱の助けにはなっていないものの、私は今回の演出、HDではそれなりに楽しみました。というか、この程度の書き換えでビビっていては、ヨーロッパでオペラは観られませんので・・・。

演出家の時代とか言われる昨今のオペラ界ですが、おっしゃる通り、優れた歌唱の威力がいかなるものかを実証した公演ではなかったかと思います。
親子の絆は深し!/最高に寄った、その細い隙間のさらにその端 (Madokakip)
2009-03-28 12:29:03
頂いた順です。

Boniさん、

アミーナとロドルフォが父娘である可能性を裏付ける貴重な情報、ありがとうございます!!
なんだか、すっごく嬉しいです。

>音楽やリブレットにも、その名残は充分に窺えますね

本当にその通りで、特に音楽の方に、
ロドルフォのアミーナへの温かい視線というか、
異性を見る目でなく、娘を見る目であることがあらわれているように感じます。

で、その部分を示唆しようとすると、
やっぱり、スイスの村というのがシチュエーションとしてぴったりなような気がするんですね。
のどかなはずの村で、起こってしまう、
侯爵と村娘のアバンチュール!!!

今回のメトの演出、私は毛嫌いするほど苦手ではないのですが、
そういう、のどかな中に何かありそう、という雰囲気は、
NYのオペラ・カンパニーを舞台にした時点で消えてしまったように思います。

もちろん、オペラ・カンパニーの支配人と、
演出家(もしくは有名歌手のマネージャー)の間に関係がある、という風にすることも可能ではあったと思いますが、
それだと、スイスの村が舞台だった場合の
どこかロマンチックで、それでいて、のどかな村に隠された秘密(でも実は村人は全員知ってそうでもある、、)、というスリリングで微妙な側面は消えて、
なんだか、キャリアを手にするための、ぎすぎすした恋の駆け引きのようになってしまうでしょうし、
同じ効果は得られないですよね。

>ドイツ式演出を2,3回観てみるのも

ははは、ショック療法ですね!
あのおばあちゃまたちだと、療法にはならなくて、
ショックのまま息絶えてしまいそうです。
NYのオーディエンスはやっぱり保守的なんだな、と実感します。
(私もそうですが、もっとそうである人が多いんだな、と、、。)

 babyfairyさん、

>彼の魅力の一つは、良い時と悪い時の差が少ない事

おっしゃるとおりですね。
多分、私が見た二回の公演も、ここまで日にちが近くなかったら、
違いはほとんど感じられなかった可能性はあります。
今回は日数が近く、私にとってはこの公演は、
彼の歌がハイライトだったので、ものすごく注意が向いていたせいもあるのですが、
やっぱり彼にも微妙な調子というのがあるんだな、と実感しました。
それでも、おっしゃるとおり、いい時と悪いときの差が異常に狭く、
それがまたすごくいい方に寄っているので、
あの二日目の公演は、
”ものすごく細い間隔の間で、いい方に寄った方”とでも言った方がぴったり来るかもしれません。

>この程度の書き換えでビビっていては、ヨーロッパでオペラは観られませんので・・・

だと思います(笑)。
そんなに酷い書き換えではなかったですよね。
私には、酷い、というより、詰めが甘い、と言ったほうがぴったり来るように思います。
時間が足りなかったのかな、と思わせる部分がありますよね。

>優れた歌唱の威力がいかなるものかを実証した公演

私個人的には、こんなこと言って、演出家に殺されるかもしれませんが、
オペラが演出家の時代だった時期なんて一度としてありません(笑)

演出は大事な要素だとは思いますが、
つい数日前に観た『カヴ・パグ』が、
あんなに素晴らしいゼッフィレッリの演出でも、
歌唱や演技がB級だとこんなことになってしまうのか、、ということを再確認する好例で
(そんなこと、確認せずにすむならそれに越したことはないんですけどね、、本当は、、。)

http://blog.goo.ne.jp/madokakip/e/e87322428e7a3dfd87aa6e8bb092c8ce

この『夢遊病の女』とは逆の形で、
babyfairyさんがおっしゃっていることを
裏付けていると感じました。
フローレンス (S)
2009-04-01 03:45:32
14日、カメラが動いていたから、これがライブビューイングの撮影かーと思っていたら、予行練習でしたか。

演出ですが、オーソドックスな演出を見たことが無く、スイスの村を舞台にしたオペラという知識しかなかった私には、こういう上質コメディーも有りかと、思いました。面白かった。

この演出だと、歌が上手い歌手が演じなければ、災厄な結果になったことでしょう。。。

でも、やっぱりオーソドックスなものも見てみたい。

フローレンスの声は、本当にハリと若々しさがあって良いですね。あまりにも感動したので、28日も見に行ってみたのですが、14日の方が良かったです。
14日 (Madokakip)
2009-04-02 12:52:15
 Sさん、

>こういう上質コメディーも有りかと

多分、初日から14日までにはだいぶ時間もあったので、
練れて行った部分も大きいのではないかと思います。
実際、私も二日目(3/6)の公演より、こちらの公演の方が
ずっと全体としてまとまっていたように感じましたので。

>歌が上手い歌手が演じなければ、災厄な結果になったことでしょう

でしょうね、、。
デッセイとフローレスの二人を念頭に置いて作られた演出であることは
否定できないと思うので、この後誰が歌う予定なのかわかりませんが、
大変だと思います。

>28日も見に行ってみたのですが、14日の方が良かったです。

こればかりは生ものですからわからないですね。
でも2日観て、もう一回観たくなるほどの感動が一回でもあれば、
ラッキーでいらっしゃると思います。
(デッセイとフローレスの二人が打率が高いというのもありますが、、。)
なるほど。 (娑羅)
2009-04-13 14:18:01
>前回はHDはもちろん、シリウスの対象でもなかったので、リラックスの度合いが違ったのかもしれません。

なるほど。ラジオ放送やHDがあったほうが、歌手も気合いが入って、いいパフォーマンスにつながるのでは・・と思っていましたが、逆のパターンもあるわけですね。
トロヴァトーレの話に持っていって申し訳ありませんが、私が観に行った13日の公演は、7回トロヴァに通った友達から見ても、全員の一体感があったそうで、7回中のベスト・パフォーマンスに入ってくる・・とのことでした。
ホロストフスキーもすごくのびのびとしていましたし
その13日はシリウスの放送もない日。
観るまでは、歌手も緊張感がなくてダレちゃうかな~と心配していたのですが、かえってリラックスできていたから、いいパフォーマンスにつながったのかもしれませんね。
なんじゃこりゃ~ (jun)
2009-04-13 16:18:00
私が何も感じることがないほどのひどい演出は初めてです。
むかついた点
第1幕では人を不必要に動かしすぎ。フィナーレのどたばたはロッシーニじゃないんだからいらない。
第2幕フィナーレでいきなりチロリア~ン(笑)はないでしょ!人が歌っているときはどたばたダンスするな
だってあの伴奏系のスチャチャ~にすべての要素が含まれているんだから
日本版のチラシにはジマーマンの新演出で「睡眠と不眠」というこのオペラの2つの要素を探求すると書いてあったので、ちょっと心理学的なことを期待してしまったのですが何もなかったですね。
この演出でデセイ以外に今後嬉々として歌ってくれる人はいるんだろうか?

デセイは予想通りというか、声がハスキーになっていてかつての艶とかまろやかさが懐かしいです。
歌の巧さは抜群ですよ。しかしAh! non credea~と歌い始めた時凄く稚拙な表現ではずかしいのですが歌が「曲がっているな~」と感じてしまいました。
ここで音を抜いてとかためてとか見えすぎるし、高音をぎゃつとだすとか、いろいろ技巧的装飾をつけることによってちょっとアミーナを台無しにしてるような気がして残念でした。

というのも もちろんフローレスが直球勝負の見事な感動的歌唱をくりひろげてくれたので分が悪いというか。だいたい今までのエルヴィーノというとレッジェーロのふわふわとした声の人が歌う場合が多く、役のイメージ全くつかめなかったんですが、芯のある輝かしいフローレスの声で歌われると男の嫉妬心や猜疑心、身勝手さなんかも歌唱にきちんと表現されていて見事でした 耳の至福でとろけるような歌唱でしたね。
ペルトゥージのアリア上手いと思いました。
リーザ役のブラックは歌はそこそこですが、この演出ではかなりリーザには焦点あてていますね。これはありかな?
ピドの指揮は交通整理以外の何かは感じましたか?
少なくとも歌いにくそうではなかった。
初めて観ました(HD) (sora)
2009-04-13 18:57:31
なかなか退屈なお話だな~と思いながら観てました。
あらすじぐらい、やっぱり予習してくるんだったかなと。
ヴォルピさんのガラでデセイが歌う最後のところしか聴いたことがなく、あの時のデセイの雰囲気と相まって、もっと妖しいお話かな~と期待していたのですが。
演出も、私の頭では???でした。現実と芝居練習の境界線が見えなさ過ぎですよね?初めての「夢遊病」なので、特別悪いとは思いませんでしたが。
合唱のメンバーとか、いったいどっちの味方なんだよって歌だし。
エルヴィーノも「二人の女性とも、~と節操が無い」でしたっけ?
節操ってあなた、あなたも鞍替えしてんでしょ。などとつまらぬ突っ込みを入れたくなったり。
紙を引きちぎってどんちゃん騒ぎにはさすがにあきれました。
演出が普通だったら、もっと面白いのでしょうか???
初めて観た者の感想としては、演出というより相当歌の比重が強いオペラだなぁと感じてしまいました。
音楽で保ってましたね、このオペラ。メロディは美しいな~と思いましたもん。フローレスはほんと素敵ですね。私も指輪欲しい。というか抱きしめられたいです。エルヴィーノにはあのてのかわいらしい感じが合いそう。
デセイは、最初は風邪引いてる声みたいと思いましたが、125周年ガラの椿姫が相当いけてないと感じた私には、思ってたより悪くなかったな~という感想です。

ペルトゥージ!!かっこいいです!!
なんですか、あの肩幅!あのコートの似合うこと。叔父さま私のタイプとしてはフローレスよりもこちらですね(←全然歌とか関係ないですね)
歌も渋くて良かったです。11月終わりにリサイタルがあるみたいなので、楽しみです。

それにしても、またしても映画館の音響がやってくれました。それもフローレスで
高音が、きんきん頭に響いて、ちっとも良くなかったです。
でも小心者なので、抗議できない。というか誰になんて言ったらいいのか分からない。。。一度映画館の方にはネットで文句を言ったのですが、音沙汰ないですし。
フローレスに合わせると、よっぽど他が小さくなってしまうのでしょかね~。

つまらないな~とは思いましたが、めげないでそのうち全曲盤を手に入れて聴き倒します。きっと良いはず
音響 (jun)
2009-04-14 00:48:13
soraさんへ
>またしても映画館の音響がやってくれました
いつも同じ映画館の同じような席で見てますか?
今日私は映画館でも座席の場所によってかなり違うということを発見しましたよ。
というのは 隣のおばあちゃんが第1幕途中でし始めて、いびきまでの始末なので、休憩時間に一言言ってやろうかとも思ったのですが、ちっと気持ちはわかるのと見たから疲れているおばちゃんだったので可愛そうになりまして、係の人に頼んで席を変えてもらったらなんと全然聞こえが違うんですよ。たかだか映画館の音響だとあきらめずベストスポット探してみてはどうでしょう?
HD第2シーズンではアンコール上映が目黒のパーシモン大ホールであったんですが、音楽ホールで上映は最高でしたね
だってスクリーンは大きいし、ホールの残響できんきんもしないし適度に臨場感もあり、チケットも割安だったし。
またあるといいな~
HD(日本ではライブ・ビューイング)行ってきました。 (みやび)
2009-04-14 00:53:59
観るのも、全幕とおして聴くのも初めてです。いくつかのアリアと、あらすじは知っていましたが。(そして、あまり好みの話ではなかったので…。)

演出は、いわゆる外枠というか額縁というか現実部分と劇中劇の部分の境界が曖昧だったのは…私が馬鹿だからではなくて、わざと曖昧になって…いるん…です…よね?(不安。)外枠部分で主人公の濃い模様を描くスペースはないので、同時進行している外枠部分での主役2人の恋愛模様を劇中劇に重ねてしまっているのかな…なんて思っていたのですが。どうなんでしょう…。
皆様に不評の紙(台本というか楽譜?)をひきちぎる場面は…意味不明としか(苦)百歩譲って音がしなければ…と想像してみましたが、それでもやっぱりエコじゃないわよ~なんて思ってしまいます。

デセイはルチアのように本当に狂乱している役だと演技力とあいまって鬼気迫る感じがものすごいですが、アミーナの場合は、ちょっとキャラクターに違和感がなくもない…ですが、なかなかこれだけ歌える人はいなさそうです。フローレスには(例え他にもっと素晴らしい日があったとしても)文句のあろうはずもなく。ペルトゥージって、あんなに男前だったっけ?とちょっと吃驚しました(笑)
いよいよ日本で上映ですね! (Madokakip)
2009-04-14 11:38:18
皆様、いつもながら、早速の感想、本当にありがとうございます。

では頂いた順に!

 娑羅さん、

オペラの舞台は本当に生もの、一回一回が違って、
またその構成要素が複雑なので、どういう結果になるかを予測するのは至難の業ですね。

歌手の性格もあるかもしれませんね。
フローレスは振れ幅が少ないですが、
ザジックはなぜかシリウスの放送などがあると、
歌の出来が今ひとつになったりするんですよ。
それで、ああ、いつもはこんなんじゃないじゃないのよー!!と悶絶するわけです。
(なので、スカラでエボリを歌ったときも、
ちょっとどきどきしてしまいました。)

でも、あとは共演者同士のケミストリーで火がついたりとか、
オケが強引にもっていったり、とか、
いろーんなパターンがあるので、やっぱり予測不能です。

ということで、こればっかりは運次第。
トロヴァ、一番出来のよい公演を観れたなんて、
ラッキーですよ!!

 junさん、

>ジマーマンの新演出で「睡眠と不眠」というこのオペラの2つの要素を探求する

いやいや、そんな大げさなものではありませんって、、って感じですよね(笑)。
私はかえってこの演出は、深く考えて、
ここがおかしい、あそこがおかしい!と矛盾を感じるよりは、
ゆるーく構えて観た方が楽しめるのかな、と思います。
私も一回目はどこからどこまでが現実なんだ!架空なんだ?と気になってしまいましたから、、。

まあ、そこを置いても、人を不必要に動かすのはどうかと思いますよね。
ベル・カントって、オケがつまらないと良く言われますが、
そんなことはないんではないかな、と思いますよね。
一つの和音ですーっと場面の空気が変わるところとか私は大好きですし、
そういうのって、ヴェルディも応用してますよね。
『愛の妙薬』(ドニゼッティですが)を鑑賞しているときに、
あ、『椿姫』だ!と思わされる個所がありました。
だから、ベル・カントの伴奏と言って、侮るなかれ!です。
紙で台無しにするなんて、もってのほか!

>声がハスキーになっていて

おっしゃるとおりですね。特に今シーズン、
すごく声が乾いている感じがしました。

そうなんですよー、私もこのフローレスのエルヴィーノを聴いて、
はじめてこの役がぴたーっとはまったというか、
一人の人物としてはっきりした像を結んだ感じです。
あまり超絶技巧な役ではないので十八番の役と認識されにくいのかもしれませんが、
実は彼に最も合っている役の一つじゃないかな、と思います。
本人ののんびりした感じがまた合っているんですよね、この役に。

ピドの指揮は、結果がよければオーライなのかな?と思いつつ、
なぜ、あの指揮で一応ちゃんとした演奏になったのだろう?という気もします。
歌手とオケの力でしょうか、、。
Opera Newsの評でも、彼の指揮に対してはややネガティブなものでした。

 soraさん、

でしょうね、、多分、HDで初めて作品にふれた方には、
すごく筋が混乱する演出だと思います。
でも、筋を知っている人しか対象にできない、なんて、
そんな演出は失格ですね。
私は筋を知ってしまっているので、逆に気付けなかった、
変な、不思議な部分が結構あったんだろうと思います。

>合唱のメンバーとか、いったいどっちの味方なんだよって歌だし

ははは、それ、私も思いました。まあ、確かにリブレットがそうなってしまっているんですが、
オーソドックスな演出なら、村人という集団にすることによって、
彼らの中にもいろいろな意見があり、
正反対のことを言っているのは、村人のなかの
AグループとBグループ、ともとれるんですが、
この演出では、オペラ・カンパニーのスタッフ、
というようなすごく固定した設定になっていて、
一人一人がたってしまっているために、
そういう風に見づらいんですよね。

そして、フローレスよりペルトゥージに悩殺されたsoraさん、
それは実に正しい!!

なぜなら、私は彼の出演した昨シーズンの『フィガロの結婚』を見て以来、
ペルトゥージの伯爵が納める領地に住むのが夢です。
コートもいいですが、貴族の衣装も似合うんですよ!!
そして、なんといっても、芝居がすごく上手い。
リサイタルの感想も、お待ちしております!!

そして、映画館の件は残念でした。
しかし、ネットで苦情を出しても返事がない、っていう、
それはどうなんでしょうね?礼を失してます。
うちの親も時々映画館について文句を言っているので、
松竹に直かメールしようかと思っています。

フローレスは声が輝かしいからそう感じられるかもしれませんが、
決して声のサイズは大きい方ではないので、
彼でそんな音響になるのは問題です。

 再びjunさん、

ありがとうございます。
映画館でも、あくことなく音の質を求め続ける、、
素晴らしい!!
しかし、映画館でもそんなことがあるんですね。
映画館は、結構音漬けって感じで、ホールの生音よりは場所による比較をしにくいのかな、って思ってました。
興味深いです。

 みやびさん、

>わざと曖昧になって…いるん…です…よね?

そうしたくてそうなったのか、やむをえず、かはわかりませんが、
わざとだと思います。

前者の場合、思いっきり失敗してるんですが、
後者の場合、もしかしたら、どうやっても辻褄が合わないことをある程度見越して、
意識的にぴったりあわせることを放棄した感じですね。
私は多分後者じゃないかと思っています。

>意味不明としか

ほんと、silly(ばからしい)という言葉しか思い浮かびませんでした。

>デセイはルチアのように本当に狂乱している役だと演技力とあいまって鬼気迫る感じがものすごいですが、アミーナの場合は、ちょっとキャラクターに違和感がなくもない…

これ、すごく鋭い指摘でいらっしゃって、
全く同じ趣旨のことをOpera Newsの5月号で、
ドリスコル氏が評の中でおっしゃってました。
彼いわく、彼女はfighter(戦う人)の要素が役に入った時にこそ、
彼女の持ち味が出る、といい、
彼女のルチアが成功しているのは、彼女がルチアを
運命と戦う人間として描いているからだ、と分析しています。
それに比べてアミーナのほうは、その戦う人の要素が入れづらい役なんだろうと思います。
それをなんとかしようとしたのがそもそもこの演出だったのかもしれないですね。
(成功してないですが、、。)

ペルトゥージはsoraさんへのお返事でも書きましたが、素敵ですよー。
昨年では伯爵姿の彼に舞い上がってしまいました。
ペルトゥージ (DHファン)
2009-04-14 17:29:11
メトでこの演目を観たあとデマチをされたかたから写真を見せていただいて思わず「えっ、誰?このステキな人!」って叫んでしまいました。それがペルトゥージだったんです。
私も秋のリサイタルには行きますとも。

ここで言うことではないのですが、新国立のワルキューレを先日観てきたら、もう疲れてしまって仕事も忙しいし、「夢遊病の女」のHDを見に行く気力がなくなってしまいました。
junさんを悩ませたおばあさんのように眠ってしまいそうなので。

ワルキューレはもう本当に面白かったです。
メトと新国立で同じころに同じ演目をやってたんですね。新国立のは大変変わった演出です。ワルキューレがナースの格好でストレッチャーに死体を乗せて動き回りながら叫ぶんですよ。
この私がワグナーを観て退屈しなかったなんて驚きです!
びっくり (sora)
2009-04-14 19:16:55
Junさん
有難うございます。映画館の席で音響が変わるなんてびっくりです。なんとなくいつも同じ席で観てしまうので
前方の席だと見上げるのが嫌なので、だいたいいつも後ろの方のまんなか辺りに座ってます。映画館もいつも同じ、家から近いところです。
パーシモンホール、10月にアンコール上映やるみたいですね。夢遊病、リベンジしようかな~。またあのドリフを観るのもどうかと思いますが。
トーキョー・リング (チャッピー)
2009-04-14 21:43:39
某巨大掲示板(つか2ちゃんねる)も新国立のワーグナーで盛り上がってましたね。
ただ作品の内容だけでなく、客ネタでも書き込み多数。
ワーグナーの客@新国立って、なにやら恐ろしげ。
実はワーグナー、METでしか見たことがないのですが、日本のワーグナー客ってヘンな人、多いんでしょうか?
ところで (jun)
2009-04-15 08:13:09
バルトリ&フローレスの夢遊病のCDってお聞きになりましたか?私は怖くて買っていないんですけど、どなたか感想聞かせて下さい。
パッパーノのバタフライというか ゲオルギュー&カウフマンCDの感想もお願いします~
観ました~! (まんまる)
2009-04-15 19:30:09
私も本日観てまいりました~。

なるほど、そうか。こういうことか。と
こちらでのご意見応酬を思い起こしつつ。

まずは楽曲としては私は結構好きな系統だと思いました。
よいCDがあれば欲しいかも。
(オススメがあればぜひ教えてください!)

演出は・・・。
やっぱり置き換えるのって難しいチャレンジですね。
だって歌ってる内容との辻褄があまりに
合わないのって
気持ち悪いです。
始終落ち着かない感じがしてしまいました。
これはこれまでに観てきたHD作品ではなかった感覚でした。
そうか~、madokakipさんがおっしゃっていた
「演出が邪魔をする」っていうのはこういうことか~。と
納得。

ジンマーマンさんでしたっけ、私この人の幕の使い方とかは
結構好きです。
薄い生地に絵がかかれているものが照明によって
シースルーになったりマットになったりするのとか
ルチアのときの森の木々のシルエットとか。
あとセットとか道具とかの作りも。
(デセイのせり出しは除く)

それから、歌はもう、フローレス王子ですか?!
初めて動いて歌っているお姿にお目にかかったわけですが
最高ですね!しびれました!
こういうのが観たい!聴きたい!こういう場に立ち会いたい!と
思わされる力がありますね。
実際はこれよりすごいとのこと。
うう~む。生で鑑賞してみたいものですね~。
日本来てくれないかな。

デセイもルチアの動画では観ていたものの
ちゃんと観るのは初。
かすれてる?と思うところはありましたが
やっぱりなんだか引き込まれる歌・演技をされる
方なんだな、と思いました。
どんな歌・演技を出してくるのか、楽しみにしたくなる人ですね。

と、まぁ、結局なんだかんだ言っても、
相変わらず「初心者」(いつまでやねん?!と言わないでくださいね)の
私としては、しっかりと楽しんだわけです。

ちょっと話は変わるのですが、昨日、兵庫県立芸術センターの小ホールで
とあるテノールさんたち(日本人親子二代)の
コンサートを聴いたのですが、
下手ではないのですが、「しびれる」ところまで
私はいきませんでした。
ちょっと前、びわ湖ホールでまた別の企画で
別の日本人のテノールさんを聴いたときは
ちょっとしびれました。
こうやって、いくつか聴いてみると、自分のセンサーが
働く感じがあって面白いです。
HDでの鑑賞は音の面で問題があるでしょうから
同じようには比較できないかもしれませんが、
いろいろ気付かされれることがあって
面白いです。

今シーズンはあと1本になってしまいましたが
来シーズンは全部また鑑賞したいと思っています。
(「あの人」の「カルメン」だけはどうかな~?と
思ってますが・・・)
関西でもアンコール上映あれば見逃した分観てみたいものです。
そんな情報をご存知の方あればぜひ教えてください~








Unknown (Madokakip)
2009-04-16 13:36:36
頂いた順です。

 DHファンさん、

ペルトゥージ、秋に日本でリサイタルですか!
いいですねー。何を歌ってくれるでしょうか?

新国立の『ワルキューレ』、

>ナースの格好でストレッチャーに死体を乗せて動き回りながら叫ぶんです

ははは、面白いですね。
私は意味不明の読み替えは嫌いですが、
まあ、これはある意味では本意からそうはずれてないですよね。
ワルキューレは英雄たちに”あなたの最後の時が来ました”とか言って、
そして死体を運搬する係ですものね。
ということは、ナース&医者(臨終を宣言する)ともいえますね。

>junさんを悩ませたおばあさんのように眠ってしまいそうなので

(笑)一人でいらっしゃってたんでしょうかね?
お友達か旦那さんが起こしてあげましょうよ、、。

 soraさん、

パーシモン・ホール、、
また渋いところがいいものを提供しているんですね。
ぜひ、リベンジしてみてください!

 チャッピーさん、

>日本のワーグナー客ってヘンな人、多いんでしょうか

そんな微妙な質問、やめてください(笑)。
そりゃあ、ヘンな人ばっかりでしょう!!(笑)
なんて、DHファンさんみたいな方も見にいらっしゃってますから、
そんなことはないでしょうが、
私の経験では、新国立劇場が出来たばかりの頃に来ていた客の中には
頭のおかしいクラおたが混入していた、ということだけ、申し上げておきます。
いつぞやに書いた、フアン・ポンスにサインをもらったときも、
私は牛乳瓶の底のような眼鏡をかけて、
ぽけーっとあさっての方に注意が向いたような
クラおたの男に、順番を抜かされがてらに
突き飛ばされましたから。
”きーっ!!!”となって、もう少しで、
”抜かすんじゃねえ!”と怒鳴りそうになったところを、
一緒にいた友人が、”あの人、頭おかしそうだから関わらない方がいいよ。”と助言してくれたくらいです。
公演中に、なりきって空中で指揮棒(のつもり)を振っている人もざらにいましたし、、。
人に迷惑をかけない限りはどんな風に楽しんでもらってもよいのですが、
人を突き飛ばすのはどうかと思います!!!

 junさん、

バルトリ&フローレスの夢遊病、聴きました。
バルトリのリサイタルの感想のところで、極く簡単にふれましたが、

http://blog.goo.ne.jp/madokakip/e/fbbf7996de302d2c61c0f9d1aa8f2a22

夏のメト・オフ・シーズン(5月の中旬以降)に、家で聴く~のシリーズの中で取り上げたいな、と思っています。
もちろん、バタフライもです!!
皆さんの中でお聴きになった方は、どうぞ、こちらにお書き込みください!

 まんまるさん、

お帰りなさいませ!
まんまるさんは、今までの嗜好を見るに、
ベル・カント作品が結構お好きなように思うのですが、どうでしょう?
(ルチアにこの夢遊病、、)
CDは、アミーナ役を聴くならカラスの歌唱が一聴に値します。
一つ一つの音にこれほどまでに神経を使って歌うというのは本当にすごいことです。

スカラ座オケ、指揮はヴォットー、
共演はモンティ、コッソット、ザッカリア。
スタジオで録音したものと、ほとんど全く同じキャストのスカラ座公演のライブ録音があります。
私はスタジオ録音の方をよく聴きます。
このCDの最大の泣き所はモンティで、
多分、フローレスを聴いてしまった今、
”なんじゃ、こりゃ~!!”となってしまうこと請け合いです。
というか、エルヴィーノの役で、フローレス以上に適役な人は今までいなかった、と言ってもいいんではないか、と私は思っていますので、、。

で、そのフローレスは、上でjunさんがおっしゃっているように、
バルトリと共演したものが割と最近発売されました。
ただ、こちらはバルトリが結構個性的なのと、
オケがモダン・オケではなくて、古楽器オケなので、
このHDとはかなり印象が違って聴こえると思います。
フローレスもなぜかCDではちょっと頑張りすgているようにも感じます。
私はこのHDの時のような自然な感じの歌が好きです。
彼は、私が体験した限りでは、スタジオ録音よりライブの方がいいですね。

フローレスは日本でも人気があるゆえ、
どこかの歌劇場と来日する可能性はあると思います。
(今までにも何度か来日しています。)

デッセイはおっしゃるとおりで、歌だけというより、
芝居も含めた全体で、次はどんなことをやってくれるんだろう?といつも興味を沸かせてくれるのはすごいことだと思います。
歌唱が今シーズンは少し下り坂だったのが残念です。

私もまだまだ初心者です!!!
まだ実演で見た事がない作品もいっぱいありますし、
聴いたことのないものもたくさん!
ヘッズである限り、一生が学びです!!

しかし、オペラと一口にいえど、本当に種類はいーっぱいあるので、
おっしゃっている”自分のセンサー”を頼りに、
好きなものを聴いていくのが一番です!!
いくら学びとはいえ、苦行みたいになる必要はないですものね。
というわけで、私もこのブログがなければ、
多分、モーツァルトとかフランスものの一部はすっ飛ばしてると思います。
作品として優れている、と感じるかということと、
自分の血が沸き立つ感じがするか、というのは別問題なんですよね。

アンコール上演は、昨年は少し遅く発表されたような気がします。

http://www.shochiku.co.jp/met/index.html#next

松竹のサイトに出ると思います ↑

>今シーズンはあと1本

ノン!!『チェネレントラ』の後に、絶対に見逃してはいけない一本があります。
上のサイトで紹介されている、
MET創立125周年記念『The Audition~メトロポリタン歌劇場への扉』
これは、もう必修です!!!!

私はプレビューでこれを見て以来、当ブログで大プッシュしています。

http://blog.goo.ne.jp/madokakip/e/dfc29bfe4c5d0a1a18578f58f55daa2b

アメリカでは今週末に一般公開されますが、
もちろんもう一度見に行きます!!
おお!そうでした!失礼しました! (まんまる)
2009-04-16 22:58:39
『The Audition~メトロポリタン歌劇場への扉』もちろん見逃しません!
一応オペラ作品、という意味ではあと1本、ということで。
きっとオペラの、そしてMETの魅力がさらにわかるようになるのでしょうね?!

>今までの嗜好を見るに、ベル・カント作品が結構お好きなように思うのですが、どうでしょう?

「ベル・カント作品」がどういうものなのか、という
実感はまだつかめてはいないのですが、
少なくともドニゼッティの楽曲がかなり好きであることは確かで、
今回のベッリーニ作品も好きだ、ということでいくと
おそらくはそうなのかも?!
ロッシーニ作品はまだ出会えていませんが、
次の「ラ・チェネントラ」を聴いてみたら、
さらにその可能性が高まるかもしれませんね。
楽しみです~。
まだまだ、聴いたことのある作品が少なくてなんとも言いようがないですが・・・。
それだけ、楽しみも多いってことで!

CDもオススメのものまた探してみます~。

いつもいろいろ教えていただいてありがとうございます!
ベル・カント道 (Madokakip)
2009-04-17 12:48:10
 まんまるさん、

ドニゼッティとベッリーニが大丈夫なら、
ベル・カント好きの坂道を転げ落ちていくのは時間の問題です(笑)

確かにローッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニあたりの作品をさして、
ベル・カント作品ということが多いのですが、
私にはロッシーニはちょっと別物に感じます。
もちろん、技巧を楽しむことが楽しみの一つである、とか、
いろいろ共通点もあるんですが、
聴いていて湧いてくる感情がドニゼッティとベッリーニは似ているんですが、
ロッシーニは、私の場合、全然違うんですね。
正直に言うと、どちらかというとD&Bの方が好きです。

>いつもいろいろ教えていただいてありがとうございます

いえいえ、こんなのでお役に立てるのなら、いつでもどうぞ!!!

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