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雲南の酒・白酒(パイチュウ)編  ソウルドリンク

2016-10-02 09:44:37 | Weblog
写真は、建水の街角で見かけた酒屋(2008年撮影)


【一人あたりの消費量はビールの3倍(度数は高いのに)】
雲南ではビールより「白酒(パイチュウ)」といわれる蒸留酒、つまり焼酎が圧倒的に飲まれていると「ビール編」で触れました。

2010年に雲南省で消費された酒の量は約120万トンで、うちパイチュウが50万トン以上を占めていました。この消費量は全国5位です。
(2011年7月21日開良副庁長在云南省酒類行業協会換届選挙大会上的講話より。雲南省商務庁ホームページhttp://www.bofcom.gov.cn/bofcom/432635843887235072/20110721/296120.html)
雲南のパイチュウは会社というよりも家族経営での醸造が多いので、おそらく統計よりも消費量は多いはずです。

古いデータですが2002年、ビールの消費量は18.5万トン(生産能力は30万トン)、一人あたり4リットルで全国平均の5分の1、全国30位でした。その当時でもパイチュウの消費量は30万トンを超えていたのです。(雲南日報2005.6.4より)

※2008年にはビールの消費量は一人あたり12リットルと全国平均の3分の1まで消費量を伸ばしてはいます。(華夏酒報2015.12.21)

なぜ、これほど好まれるのでしょう。

一つには昔から続く環境。冷蔵庫の普及していないとくに農村では、ビールなどの醸造酒よりアルコール度数の高い酒のほうが造りやすく、保存しやすい。

 雲南は高地とはいえ緯度でいえば日本の西表島あたりが昆明付近にあたるほどの低緯度地帯。少しでも標高が下がればマラリアが発生し、湿度の高い場所となります。日本でも九州より低緯度では蒸留酒の焼酎が主流なのも理由は同じです。

 もう一つは近年、四川風の唐辛子風味が雲南料理の主流になっているため、辛く、塩気の多い食べ物にしっくり合う、ということがあります。   (つづく)
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