ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

薦めてもらって読んだ本①・「ドナウよ、静かに流れよ」

2007-02-23 | 日本のいろいろ
ルーマニア滞在中は日本語の本をほとんど持って行っておらず、辞書とガイドブック位しか読むことができませんでした。そんなわたしに日本帰国後、何人かの友人が「これ、ルーマニアに関することが出ているから。」と薦めてくださった本があります。

「ドナウよ、静かに流れよ」(大崎善生著・文春文庫)  
 
帰国直後にこの本に出会いました。ルーマニアの地方都市クルージュ・ナポカに19歳で留学した女子学生がルーマニアでの生活に活路を見出せず、同じく日本から留学中の自称指揮者とウィーンまでたどり着いたのち、ドナウ川に入水心中したのは数年前。その事件を克明に調査して描かれたドキュメンタリーです。

主人公の逃避行や心の軌跡を追うよりも、わたしにとってルーマニアの描写がとてもガツンと頭を打つものでした。クルージュ・ナポカは首都ブカレストからは少し遠いですが、小説には暗く寂しく描かれている街。


 
>野良犬が相変らずまわりを我が物顔でうろついている。
~確かに野良犬は多いです、首都ブカレストでは一日に50人ほどの人が犬に噛まれるというし、1年余り前には現地在住の邦人男性が野良犬にかみ殺されるという事故が起こっていて、これは日本まで伝わってきてルー行きを3ヵ月後に控えたわたしにはとってもショッキングでした。

>ベンチに座っていると浮浪者が次々に物乞いに来る。老人もいるし、女もいるし、子供もいる。
 ~地下鉄の中やトラムの中でも、みすぼらしい格好をして靴もはいていないような少女が手を前に差し出して物乞いをしてくるのに何度も出会いました。「僕ニハ今日ノパンヲ買ウオ金ガアリマセン。」と胸にプラカードを下げた少年もいました。

>制服を着た人間達が率先して外国人からものをたかろうとする。
>制服の権限を最大限の武器にして私腹を肥やすことに専念しているのだ。
~社会主義の時代にはお給料が最小限に抑えられていたので、この国では賄賂が当たり前のことになったそうです。友人のステファンは、奥様の椎間板ヘルニアの手術のために執刀ドクターに500ドル以上の現金を渡して、やっと手術にこぎつけたそうです。

警察官であるマイダーリン、「昇進ナド、シタクナイ。ボスハ皆、賄賂ヲ集メル事ニ一生懸命ダヨ。」と自虐的です。ダーリン、走ることに熱中しているので、昇進したくても誰もさせてくれないでしょうけどね。

そんな負の側面のあるルーマニアから秋に一時帰国してすぐにこの本に出会い、一気に読み終えたものの余りにも暗く重たくのしかかってしまいました。取材は2002年のこと、そこからルーマニアはどう変化しているのでしょう。

でも、わたしの出会ったルーマニア人たちは皆、明るく生活を楽しんでいるように思えます。ランニングを通じで知り合った人がほとんどなので、遊び心のある人たちなのかもしれません。


 

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