ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

気になるロマ人のニュース

2010-08-17 | ルーマニアを想うとき
フランスで大規模なロマ人の摘発が続いています。先月から気にして見ていたけれど、いよいよ気になるのは摘発されたロマ人の国外退去先。
 
>ロマ人たちは、(中略)「(退去先になる)ルーマニアには家族もいない」などとして出国に抵抗している。(読売新聞17日朝刊より)
 
たしかにルーマニアやブルガリア出身のロマ人が多くフランスに滞在しているといいます。でも、それ以上に「ルーマニア」と「ロマ」、語感が似ていて、ルーマニアはロマ人の国、と誤解されている部分があるのです。そして何かロマ人が国外で問題を起こすたび、ロマ人全体、さらにルーマニア全体が悪く言われることに私は心を痛めています。
 
外部から見ると、ルーマニア人とロマ人を区別するのは難しいです。特に国外に出る場合、いくらなんでもパスポートが必要、ルーマニア生まれのロマ人はルーマニア国籍、パスポートの期限が切れていたりしても、国籍は変わらないはず。
 


私の住む首都ブカレストにもロマ人はたくさんいます。ロマの伝統を守っている人たちは、かなりカラフルで特殊な目立つスカートを着用しているので、それだけで一目でわかります。白人の欧米人に比べてやや肌の色が浅黒かったりするし、顔立ちも少し違うので、わたしもだんだん区別がつくようになってきました。
 


ブカレストにいるロマ人は物乞いをしていたり、ゴミあさりをしていたり、と、あまり良い評判ではありません。我が家の街区にやってくるロマ人は、リヤカーを引いてゴミをあさります。ゴミの中から何か役に立ちそうなものを拾い集め、転売したりするのです。



時には馬車や驢馬車でやってくることも。車を持っていないのは、ガソリン代がかかるから、とも言います。馬の飼料のほうが安くつくというのです。
 


カラフルなネッカチーフで赤ちゃんを抱いたこの女性、「この子にあげるミルク代がないの、お金を恵んでちょうだい」と、教会の前にやって来ていました。スカートが特徴のある花柄のロングスカート、ロマ人に間違いなさそう。
 


この子たちはその女性の子供らしく、こんなに幼いのに母親と一緒になって「お金、ちょうだい」と。子供だけで地下鉄の中で歌を歌って物乞いをしている場面に出くわすのは日常茶飯事。時にはタレント性を感じる女の子もいたりして、そんな子がきちんとレッスンを受けて大成したらなあ、と思うことすら(記事はこちらから)。
 
けれども、通常の場面でまじめに働いているロマ人もいます。公共の場の清掃員はかなりロマ人が多いようだし、私が見かける人たちは皆、一生懸命にやっているように思えます。
 


自分たちの仕事で成功して、大邸宅に住んでいるロマ人もいます。ロマの大邸宅は、これまたかなり目立つ造りで、一目みてロマ人の家だとわかるのです。こちらはルーマニア南部クライオヴァ近くのロードサイドにて。
 
マイダーリンに言わせると、「ロマ人たちは自分たちで集落をつくり集まって生活をし、自分たちの言葉を話し、一般の学校に子供を通わせることもしない。社会から孤立して生活をしているのは、彼らのスタイルだ。」、そして「そんなロマ人とルーマニア人をいっしょくたに見てほしくない。」、私もうなずけるところ。 

これは差別ではなく、区別だと思うけれど。ルーマニア人のなかに、ロマ人に対する差別意識があることも事実だけど。

ロマ人とは:
欧州など世界各地に住む少数民族で、人口は推計約1200万人。「ジプシー」とも呼ばれていたが、差別表現として今は使われない。音楽や踊りを好み、伝統的にかごやかなものづくり、占いなどに従事してきたとされる。ナチス・ドイツなどの迫害を受けた歴史があり、現在も劣悪な生活ぶりが指摘され、差別や地元住民との衝突が問題となっている。(8月17日読売新聞朝刊の記事より)

ひとこと:
私はブカレストに住んでいて、ここはかなりロマ人に対する差別意識が強い感じ。同じルーマニアでもトランシルヴァニア地方は、歴史的にも多くの民族が入り混じって生活していることもあり、ロマ人との共存が見られるようです。豊かなロマのシーンを感じさせてくれるのはこのかたのブログから。

関連記事:
ブカレストでゴミあさりをするロマ人の様子はこちらの記事から。
清掃員のおかげで毎日きれいに掃除される様子はこちらから。
イタリアでおこった殺人事件、犯人女性はルーマニア出身だけど。記事はこちら
ロマ人たちの仕業と思われているのは、こちら
ルーマニア人とロマ人の軋轢はこちらから、友人のアリーナの一例。
私自身がロマ人の子供に襲撃を受けた事件(未遂に終わりましたが怖かったです~)はこちらから。


参考にしたニュース、その①、こちらから:
仏が不法滞在の「ロマ人強制退去」
7月28日付
 フランスのサルコジ大統領は、仏国内に不法滞在しているルーマニアやブルガリア出身のロマ人を即刻国外退去させ、全国に約600あるロマ人キャンプの半数を撤去するよう治安当局に命じた。29日、警察などは撤去作業に着手した。「治安対策」が理由だが、野党やロマ人団体は猛反発している。
(YOMIURI ONLINE)

参考にしたニュース、その②、こちらから:
<フランス>ロマなどの違法キャンプ300カ所の撤去を開始
8月7日10時46分配信 (毎日新聞)
 【パリ福原直樹】フランスのサルコジ政権は6日、国内を放浪する外国籍のロマや仏国籍の非定住者が住む違法キャンプ300カ所の撤去を開始した。この日は、中部サンテティエンヌ市の違法キャンプで撤去が行われ、滞在許可などを持たないロマ約50人に国外退去命令が出された。
 仏では7月、検問を突破した非定住者の男性(22)を警官が射殺したのを機に非定住者の暴動が発生。サルコジ政権はこれを受けて▽違法キャンプ撤去▽国外から来たロマが罪を犯したら即時強制送還▽非定住者の納税状況調査--などを決めていた。
 仏の世論調査では8割がこの措置を認める一方で、人権団体は、「人権侵害」と批判している。


参考にしたニュース、その③、朝刊より抜き書き:
ロマ人摘発 仏に批判
8月17日(読売新聞朝刊)
 【パリ林路郎】フランスのサルコジ政権が、違法行為にかかわったり不法滞在したりしているロマ人の摘発を本格化させ、野党や人権団体のほか与党内からも「人種差別的」と批判の声が上がり始めた。「犯罪対策」をうたった措置だが、移民や外国人排除の色彩が強い右傾化路線には、国内外から懸念の声が上がっている。
 仏内務省によると、7月末からの約2週間で警察が摘発したロマ人キャンプは全国で40か所以上。13日には、中東やアフリカ系の移民が多いパリ東部モントルイユで、空き家を占拠していたロマ人約70人を警察隊が摘発。父親ら16人を一時拘束した後、全員に国外退去を命じた。警察は容疑を発表していない。
 ロマ人たちは、「私たちは泥棒じゃない」「(退去先になる)ルーマニアには家族もいない」などとして出国に抵抗している。(まだ記事は続いていますが、この後は転載を省略)


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