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お茶や食の話。暮らしの中のひとコマの風景。
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この世でたった1着

2008年03月06日 | 着物
       


ご無沙汰してました
丸一ヶ月更新をサボってしまいました
みなさま、お元気ですか~?


すっかり時期を外してしまいましたが↑は、ある料亭に4代続く
明治時代からのお雛様。
以前、取材で伺ったのも2月だったのですが飾られる前でお目にかかれず。
それが数年後の今年、2月中旬にまた取材をお願いする機会がありまして
「見たかったんです!」とおねだりしたところ、快く1日早く飾ってくださいました。


すっかり春めいてきましたね。
きものもそろそろ、ベッチンのコートを脱いでお出かけの時期かな。
3月早々に3年続けてコラムのお仕事をさせていただいてるきもの英から
仕立てあがりのきものが届きました。





今回はシンプルな縞のきものが欲しくて黒地にグレーの縞模様を選びました。
ですが私の顔映りにはこの反物の黒がキツい様子。
ならば、「染めちゃいましょ」という若女将の一言で染め替えることに。


 → 


撮った場所と光の加減が違うので実物の色と若干誤差があるかと思いますが
黒から黒紫という色にチェンジしてます。
(しかも、縞の向き違うし……)
『黒紫』といっても、紫のニュアンスはほとんどなくて穏やかな黒という色合い。


ここは春らしく薄いグレーの塩瀬の名古屋帯に紫の帯揚げ・帯締めでコーディネート。
上品な装いです。
また、黒の帯に粋な色の帯揚げを選ぶと、ぐっとあでな姐さん仕様になります(笑)。
半襟を上品バージョンは白。
あでな姐さんバージョンは黒と替えるとまた違った感じになりますね。


別染めって贅沢ですねぇ。
でも、お好みで染められ、この世でたった1着のきものが出来上がりました。
袖を通すのが楽しみです。



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泉美咲月 Satsuki・Izumi

夏のきもの

2006年07月16日 | 着物


6月。夏のきものがきもの 英から届きました。実は昨年末からそのきもの 英のHPで『真葛茶屋』なる連載をさせて頂いています。真葛茶屋では、お芝居とその幕間に食べたい美味しいもののお話をしているんですね。

英とは雑誌の和の特集できものコーナーを担当してからのご縁。英の最高級の洗えるきものはきもの通に支持される高品質でしかも洗えるきものなんです。で、作ってもらったのは絽の小紋。ベージュに上品な模様で私にしては意外とフォーマル(笑)。


曇り空に撮影したのでスッキリ見えてないですねぇ。あとで撮りなおしをします^_^; このきものに去年の夏に買った絽の帯、帯揚げ、帯締めを合わせてみました。おっ!なかなかいい感じ。

実は反物選びの時にちょっと悩みました。きもの選びはつい“粋”なものになり、「あでな姐さん」風な私ですが、そろそろ落ち着いた大人の女性を気取りたいじゃないですか(笑)。年齢的にもね。夏のお招きにも対応できるようなきものが欲しいと思っていたのでこのきものを選びました。

英のきものは、高級ポリエステルで作られています。ポリといってもピンからきりまであり、英の商品は、“最高級”と付くだけあって、けっして見劣りしない生地と専属工場の職人さんたちが縫い上げられています。夏は汗が心配のきものですが、ネットに入れて弱水流で洗えば汗や汚れ・シミもさっぱりするのが嬉しいですね。心強いきものです!

そして、450年の歴史を持つ京友禅の製作・販売の老舗「千總」が唯一提携しているポリきもののブランドはこの英だけ。私の小紋もその千總の染めでした。



「普段着はきもの!」と以前叫んでおいて、最近はなかなか着る機会が減っていますがこの夏は、このきもので涼しげにお出かけしようと思っています。

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旅先で出逢った犬たち……。犬のいる暮らしの風景。
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なるほど、防虫香

2005年02月02日 | 着物


今日でやっと怒涛の着物ページの取材が終わりました…。あとはレイアウト作業を進めつつ、原稿執筆となるわけですが、この執筆ってのがね~。頭を執筆モードに切り替えないとできないものなのです(T_T)

今日、取材させて頂いた着物のお店、きもの英で、防虫香なるものを頂きました。お香をちりめんで包んだ手作り防虫香なのですが、これは「手作りとはやるな!」と思った一品。着物にしょうのうの香が付くのは頂けません。それに、この防虫香は匂い袋の役割も果たし、袂に忍ばせれば優しく香ります。好きなお香で作ればなおさら愛着が増しましょう。

この日の最後はインタビュー。歌舞伎俳優さんのお宅にお邪魔し、私物の着物アイテムを見せて頂きました。お宅訪問ということで私もつい力が入って、一番いい小紋を取り出したものの、桜の柄。いくら、桜が日本を代表する花のひとつとはいえ、立春前で桜の季節が近い今では、着るのがためらわれます。

普段は、季節と柄をなるべく気にしないようにとか、贔屓のシンボル、菊の着物は通年!と叫んでいても桜柄は悩んでしまいます。となると、他の柄を着ればいいものの、一度気になりだすと止まりません。そこで、なにかその俳優さんに所縁ある柄はないかとプロフィールなど見返してみました。すると好きな花に桔梗とあります。

桔梗…。そうだ!
桔梗は夏に咲く花(歌などでは秋ですが)。私は淡い紫地に桔梗の袷を持っていて、着る時期が難しい着物だと思い、袖を通してなかった1着がありました。色味としては春にいい感じだったのでそのうち着ようとしまいこんでいたその着物を着ることにしました。こういう、洒落なら季節感は関係ないものです。ようは着る人の心持ということでしょう。

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着物アイテム ステキナ タスキ

2005年01月28日 | 着物


取材で『銀座もとじ』というステキな呉服屋さんを訪ねました。仕事でお邪魔したものですからこれ幸いにお店の隅から隅まで見せて頂き私、上機嫌です^_^;

その撮影の際にお手伝いをしてくださった店員さんの背中に咲いた可愛いお花に気が付きました。なんとちりめんで作られたタスキ。お花のワンポイントがとても愛らしい。早速、お買い上げさせて頂きました(笑)

街着として着物を着る方にはあまり縁がないかもしれませんが、仕事場でも着物を着ている私
は作業の邪魔にならないようにタスキを使いたいと考えていたところ。かといって、自分で作ったものも味気ないので、どこかに気の利いたタスキは売ってないかな~と探していたのです。お値段も2940円と手ごろです。

さて、午後になってスタジオへと移動をしたのですが、久しぶりにお会いするスタジオのカメラマンさんもアシスタントさんも、「着物だと動作も楚々としていいね~」と声を掛けてくれました。そして、撮影が始まり、私は早速、入手したタスキを掛けて参加。するとカメラマンさんがポツリ。「あ~あ~、タスキ掛けたらいつものmaczuさんに戻っちゃったよ~」。そうなんです。中身は変わってないんですよ^_^;

銀座もとじ
銀座4丁目のお店はブティックのような内外観。品揃えも粋で現代感覚と着物の良さが合いまったステキなお店です。

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老舗の足袋屋さんで、またもや目から鱗^_^;

2005年01月26日 | 着物


今日は関東近郊に雪やみぞれが降り、1日の天気が気になる朝を迎えましたが、午後は快晴。なんだったんでしょうね。私は終日、撮影というスケジュールでしたので憂鬱な朝でした。

さて、着物ページの取材も始まりました。これがなんと2月上旬に入校予定の10ページですでに意識の飛ぶ思いで仕事をしています^_^;今月は仕事始め早々から仕事が立て込み、「これって罰ゲーム?」って思いたくなるオーダーも舞い込んでくるので、すでにテンパり過労気味です。請け負ってるジャンルも幅広く頭の切り替えが大変。いえいえ、お仕事はありがたいことなのですがね。そんな訳でこのmaczu:Cafeで一見、優雅なティータイムを送っているかの如く振舞っている私も髪逆立てて必死の形相で取材に打ち合わせ、執筆と東奔西走中でございます。

今日は浅草から新富町→東銀座と着物にまつわるお店をまわり、その1軒に大野屋総本店という足袋屋さんがありました。こちらは足袋のオーダーを受け付けている老舗で普段から歌舞伎俳優さんなどの伝統芸能関係はもちろん、和事のお稽古をされる方々に支持される有名な足袋屋さんです。

そう噂に聞きつつ、私ははじめてお店にお邪魔し、取材途中でそのた足袋を履かせて頂きました。その感想といったら、「まぁ、素晴らしい」^_^;私が買っていた千円代の白足袋とは雲泥の差。オーダーでなくても各サイズ4パターンのバリエーションで自分にフィットした足袋が購入できます。これで、オーダーした暁にはきっと天にも昇る心地よさでしょう。なかなか、足に合う足袋がない。白足袋はいたいという認識があった私でも白足袋が好きになりそう。サイズのオーダーだけでなく好きな柄の足袋のオーダーも出来るんですよ。

各サイズの表記は、
細=特別細い足袋
柳=細めの普通足袋
梅=やや甲高の足袋
牡丹=特別甲高の足袋
  でなんか風流です。
ちなみに私は、「梅」でした。

近頃は小紋を外出や仕事で着る事が多く、ソックスタイプの色足袋や柄足袋を履いてます。コハゼもないですし、楽。それに柄、ベルベット地などの布遣いも豊富ですし、カラー展開も幅広く着物とのあわせも楽しいです。でも、今日の体験で遅まきながら白足袋評価がぐんと上がりました。


画像=白足袋(既製3150円・オーダー5足からで1足3885円)と大野屋総本店オリジナル小物「お金(あし)が入る福足袋」

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着物の楽しみ方 普段着着物の効果について^_^;

2005年01月23日 | 着物


着物のなにを楽しみたいか?12月のある日、私は考えました。そのキッカケになったのは、普段着である小紋に礼装用の袋帯を締めるのは間違い、という内容の文章を目にしたことからです。なんでもそれは呉服業界の陰謀という話。冷静に考えてみると礼装用の袋帯を普段着の小紋に結ぶのはそりゃ変よね、と点と点が繋がってスッキリしました。常識のひとつとしてわかっていてもみんながそうしていると気が付かないものです。

私は着物デビューから20年を迎えます。種類に分けると訪問着、小紋、色無地、夏冬喪服着物と一昔前の女性のたしなみシリーズを取り揃えてはいますが、袋帯のお太鼓結びがいまだに上手にできません。着物自体を着付けることは、これまで度々、着付けてもらっているうちに身体が覚え、そう苦労はしないのですが、長くて重くて幅のある袋帯を結ぶのは大変。慣れてないし、コツを掴んでいないので後ろに手を回していると痛くていつも途中で嫌になります。

それに親に揃えてもらった着物や自分で買った着物など、どれもいわゆる礼装着物の類で、着物は好きだけど、いざ着ると妙にあらたまってしまって、どこのマダムかクラブのママかって具合です^_^;たまたま、着物を着た日に編集部に寄ったら、「maczuくん、集金にきたの?」って言われた事が幾たび…。以前、有名な作家さんの友禅を作りましたが、宮中晩餐会に呼ばれるでもなし(実は行ってみたかったりする)、そんな立派な訪問着を持っていたってそうそう着る機会もなかったりします。

そして、着物について考えるうちに、私の着物に対しての憧れはすべて大正モダンに向かっているということを再認識しました。とても、ずっと、好きな世界。それは竹久夢二の絵や鈴木清順監督の大正浪漫3部作など。大正時代は西洋から洋装がどんどん入ってくる一方で着物文化が途切れることなく、かえって柄がモダンになったり着物のお洒落が活性化した時代です。また、当時の写真を見ると庶民はゆる~い感じで着物をきているんですね。着物を毎日来ているのだから当たり前のことです。柄といえば、以前、池田コレクションを見にいった際に「なんで昔なのにこんな色鮮やかで大胆な柄なんだ!」と驚き衝撃が走った日のことを忘れたことはありません。

私が着物で楽しみたいことは生活の中の着物。お出かけの時に洋服を選び、ジーンズのように気軽に着る着物です。大正モダンを彷彿とさせる柄の着物や小物だったんです。そう考えてみると礼装系にはない心引かれる柄の着物は沢山あります。今はアンティーク着物や帯が流行りですし、ポリの着物も柄が豊富で素材感も正絹の着物に負けません。持っていた小紋などもちょっと小物や帯をはずして付けてみると随分と表情が変わります。

楽しみ方が明確になればあとは早いもんです^_^;着物や帯、小物etc。驚くほど安く手に入ります。憧れていた柄や色使いを幾らでも楽しめるのです。長羽織も粋でステキですし、半幅帯は軽くて結びやすくお手軽です。あぁ、私はこんな風に着物を楽しみたかったんだっていま、実感しています。

着物には礼装して行きたい場所や行事、お仕事や食事にとそれぞれのシチュエーションの醍醐味があります。ONとOFFの楽しみとでもいいましょうか。その切り替えを楽しんでいきたいと考えています。

今年の初芝居では沢山の着物姿を目にしとても嬉しかったものですが、まだまだ着物の固定観念というものが現代に蔓延しています。着物を着ていると、「お稽古の帰り?」、「お芝居を見てきたの?」と声をかけられます。立ち寄った着物屋さんでもそうでした。着物を販売している人でもそういう世の中で着物を販売しているという意識があるんですね。その一方で着物は3割増しくらい女性をきれいに見せてくれたりする気もしてます(笑)

さて、「普段着は着物だ!着物を気軽に着よう!」そんなアプローチを始めた新年早々、男性の普段着着物の記事を担当する事になりました。意識変化と行動力の成果はたいしたもんですね~。自分でも驚いています。10ページにわたる誌面では着物を気軽に着るコーディネートや着付け、マナーだけではなく歌舞伎俳優さんや茶道の宋匠、普段着で着物を楽しまれているコラムニストの方にお出まし頂き私らしい記事になりそうな気がしています。

もし、着物を着てみたい。普段からそう考えている方がいらしたら、「私は着物でなにを楽しみたいか?」を考えてみてください。きっと楽しい着物ライフが始まると思いますよ。


画像は一番下が大柄の菊模様の長羽織。その上はローズに竹、梅、菊などを配した帯。一番上が黒地に御所人形の塩瀬の帯です。帯はどちらもアンティーク。

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