ROMAのCAFFE'でおしゃべりを

Due chiacchiere al caffe’ di Roma

トスカーナのワンさん(2)

2007年08月24日 | わたしのこと
前回からのお話のつづきです。

アグリツーリズモで知り合った、サルデーニャからいらしていたご夫婦の奥さんが、このワンさんにFELICETTA(フェリチェッタ)という臨時の名前をつけました。『幸せもの』とでも訳しましょうか。

私も長い間日本の実家で犬を飼っていますし、本当に犬が大好きなのでたくさんの犬との出会いがありましたが、それにしてもこのワンさんはおもしろかった。

ずる賢いのです



たぶんジャックラッセルの雑種 いい目をしてます


車の中ではまったく吠えず、静かに後部座席の足元に座り、シートの上に上がろうともしませんでした。山道や舗装のされていない道を走ったため車の振動が激しく心配しましたが、多少びっくりしただけで最後までおとなしく旅を終えたのです。こんな犬は今まで見たことがありません。

アグリツーリズモには夏休み中の子供学校のような団体がいて、30人くらいの子供たちのおもちゃにされて約3時間くらいその状況に静かに耐えていましたが、子供たちが飽きて離れていくと、ここぞとばかりに探索を開始。敷地内を勝手にお散歩です。あんなにか弱い、いい子だったのに、この豹変ぶりは何なの!? ちなみに一度子供たちの手を離れてからは、二度と彼らに近寄らなかったことをお知らせしておきます。



もみくちゃ状態のフェリチェッタ


夜遅く私たちが食堂棟から自分たちの部屋のある棟に帰るとき、馬小屋のそばで彼女をやっと発見。無理矢理連れていくと、どうしても部屋に入りたがりません。まだまだ彼女の小さな冒険は続いていたようです。結局心配でしたがそのまま外に放っておきました。この子は何となく自分の状況を把握しているというか、まったく新しい環境に尻込みしていないというか、とにかくたくましい生命力をみなぎらせていたのです。

翌日早めに目が覚めてすぐに部屋の外へ出ると、私たちの宿泊棟のすぐそばの小高い丘に、野良猫用のエサがたっぷり用意され運ばれてきました。すると昨晩からまったく姿を見せなかったフェリチェッタがいきなり丘の上に立っているではありませんか。よそ者は彼女であるにも関わらず、群がる野良猫たちを威嚇し追い払い、誰よりも先にエサにありついている勇姿を遠くから見て、私はほんのちょっとうれしくなりました。

私とレオも朝食を取り、フェリチェッタを探すために敷地内を散策していると、馬小屋のそばでカサコソとわらがこすれるようなかすかな音が聞こえました。振り向くと、高く積み上げられた牧草の底に穴を掘って、自分で作った寝床の中で尻尾を振っている彼女がいたのです。実はここで一晩を過ごしたのですね。まさに「すごいでしょ~、私。自分で作ったのよ!」というような、得意気な表情。わらの色と彼女の色が同化してしまっていたため、またこの子はまったく吠えるということを拒否している犬だったので、わらの音がしなかったら私たちは全く気付きませんでした。

この彼女の表情を見て、少し涙が出ました。ああ、この子はきっと大丈夫だな、と思いましたね。



同化している・・・ 首輪はすでにはずされました


捨て犬フェリチェッタのうわさは、瞬く間にこのアグリツーリズモ関係者と宿泊している多くの人たちの間に広まり・・・

拾われてきた翌日にはすでに里親が見つかりました。

オーナーの親戚の女性が犬を探していて、話を聞いてすぐに欲しいとおっしゃってくださったのです。私が感心したのは、この女性はフェリチェッタを見る前から彼女の里親になることを決めたこと。どんな犬か、美しいのか不細工なのか、それともいい子なのか悪い子なのか、吟味せずに引き取ることを決めたこの人は、きっと本当の犬好きなのだと確信しました。

結局私たちの方が彼女より先にアグリツーリズモを後にせねばならず、彼女の新しい家族がどんな人たちなのか知ることはできませんでしたが、前出のサルデーニャの奥さまが、ローマへ戻っていた私たちにフェリチェッタが引き取られていったことをメールで教えてくれました。

「新しいお母さんと出て行きました。フェリチェッタはとても元気で、あなたたちによろしく って言ってたわ。」



私たちがアグリツーリズモを後にする瞬間 お見送りのフェリチェッタ
もう会うこともないのかな


ああ、あの山道からここへつれてきてよかった(涙)助かってくれて本当によかった~。本当はローマへ連れて行きたくってかなり後ろ髪を引かれたのですが、やっぱり彼女の幸せを考えたらこれが一番いい方法だったのではないかと・・・。新しいお母さんがいい人だといいのですが。

私たちの短いバカンスは終わりましたが、フェリチェッタが巻き起こしたこの事件で、私にとっては一生忘れられない夏となりました。





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トスカーナのワンさん(1)

2007年08月22日 | わたしのこと
その日は、滞在していたトスカーナのPIEVE DI SANTO STEFANO(ピエーヴェ・ディ・サント・ステーファノ)から少し足を伸ばし、画家ラッファエッロが生まれた町、URBINO(ウルビーノ)へ行きました。PIEVE DI SANTO STEFANO周辺には訪れるべき小さな町がたくさんあって、車での移動でないと少し無理があります。

URBINOからの帰り道、行きに通った山道を走っていると、いきなり小さな犬が車道に出てくるではありませんか。あまりにかわいかったのと、どうしてこんな人家が全くない山中に犬がいるのか不審に思ったため、車を端に寄せて止めました。この首輪をした犬を見た瞬間から、イタリアのバカンス時期に毎年問題になる『捨て犬』なのではないかという嫌な予感がしていたのです。

イタリア人がバカンスをどれだけ重要に思っているかということは以前も何回かブログに書いてきましたが、その弊害として家で飼っている動物をこの時期に簡単に捨ててしまうということが毎年ニュースになります。長い期間家を空けるわけですから、家に犬や猫がいる家庭はそのことが重荷になるわけです。

それで捨ててしまうのですね…

動物たちはもちろん外で自活できる知恵も体力もありませんし、車が危険だということも知りませんので、捨てられた瞬間からそう長い時間生きられないという統計を以前読んだことがあります。おまけに車の方ももちろん避けようとするわけであって、さらに大きな事故につながることもよく耳にします。



ちょっとブレていますが・・・


チェーンの首輪をしていたこと、人懐っこく近寄ってくること、遊ぶような感覚であったこと、まったく動物臭がなく手入れがされていることなどから、この犬は『野良犬』ではなく『捨て犬』であること、それも捨てられてからそう時間が経っていないのではないかという確信を持ちました。

レオ「どうしよう。もしここに放っておいたら、きっと死んでしまうよ」

私「・・・・・」

レオ「アグリツーリズモ(私たちが宿泊していたところ)につれて行って、あとで女主人に相談して、それから対策を考えようか」

私「確か捨て犬を見つけた時に通報できる電話番号があったよね…。まさか自分たちがこういう状況に陥るとは思わなかったよ~

レオと私は仕事をしているので家を留守にする時間があまりに長く、犬は大好きなのですが私たちには飼える条件がそろっていません。

私「アグリツーリズモに連れて行こう。それしか方法はないよ」

私たちの宿泊所は、牧場が経営しているところで、広大な敷地にたくさんの馬たちが放牧され、さらに野良猫たちが8匹くらい好き勝手に住んでいるような動物たちの楽園だったので、レオナルドは「もしかして女主人が引き取ってくれるかもしれない」という淡い期待を最初から抱いていたようです。でも答えはNOでした。理由は長く飼っていた犬をなくしてしまい、もう犬は飼いたくないほど苦しんだため。彼女のこの気持ちは、私もよく理解できます。自分も同じ状況におりますので…。

その晩は私たちの部屋で寝かし、翌日私たちがローマへ帰り、例の捨て犬用緊急連絡先に電話をしてここへ犬を引き取りに来てもらうことで話がつきました。でも、そうすると犬の収容所で彼女は(女の子♀でした)つらい思いをする羽目になってしまうかも…。それだけは避けたい…


話が長くなるので、続きは次回ということで。





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ローマへ戻りました

2007年08月20日 | わたしのこと
無事にローマへ戻りました。3泊4日の短いバカンスでしたが、なかなか味のあるいい旅ができました。今はお掃除、洗濯にアイロンがけと大忙しですので、ブログの方はぼちぼちと更新するつもりです。今後ともよろしくお願いします。

それにしても食べ過ぎてしまいました。撮った写真を見て、レオがひとこと。「明日から二人ともダイエットだっ!笑い事ではすまされない…





さて次回の予告としてこの写真を添付しました。今回の旅行の中で最大級の事件にこのワンさんが関係してきます。乞うご期待





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夏の避暑地

2007年08月14日 | イタリアのこと
日本にお住まいのみなさんは、たぶん夏の軽井沢や清里(古い?)などを想像していただければ雰囲気がわかっていただけるかもしれません。

今日私はレオナルドの実家へ遊びに行ってきました。おうちですごい量の昼食をとった後、近くにある別荘地ALTIPIANI DI ARCINAZZO(アルティピアーニ・ディ・アルチナッツォ)へお散歩に行きました。ローマから約100キロの距離にあり、冬場は100人くらいしかいない住民が夏場になると何百倍にも膨れ上がります。以前イタリア人が長いバカンスを取る習慣があったころは、6月から8月末までの3ヶ月間はローマなどから避暑にくる多くの人たちでにぎわったそうですが、近年は8月の1ヶ月がピークといったところでしょうか。

町の中心にはたくさんのバールや商店などが立ち並びます。そこには小さなかわいい教会もありました。レオナルド曰く「サンタ・マリーア」という名の教会で(う~ん、イマイチ信用できないけれど、インターネットで調べてもわからなかった)ちょうどミサの最中でした。





ミサは教会横にある広場で行われており、高原のさわやかな空気とやわらかな太陽の光の下で行われる夏のミサって、本当に贅沢だなあと思いました。昨年の夏はAOSTAという北イタリアの山へバカンスに行ったのですが、同行した神父さまと登山途中で何度か取ったお祈りの時間も非常に有意義で、自然の中で神と対話をするって神の存在を近くに感じられるというか、直接的というか、それで生きていることの喜びなんかも感じられちゃうのですよね。





写真が小さくて見えにくいかもしれませんが、黒いパラソルの下に白い式服を着た司祭がおります。





上の写真はミサの行われていた教会の敷地内にあった聖家族の木像。左がジュゼッペ、右がマリーア、そしてもちろん赤ちゃんはキリストです。

帰りにバールに立ち寄って一杯。私はカンパリ・オレンジ、レオがドライ・マルティーニをたのみましたがイマイチだったので、このジェスチャー。





さて、あさってはいよいよ私たちもバカンスに出発。トスカーナの夏を満喫してまいります。どうせ3泊4日なんだけど… お休み中もポチッだけでもしに来てくださいね~一日一善、一日一ポチ!それではみなさんも、どうぞ良い夏休みをお過ごしください。





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クレジットカード解約

2007年08月12日 | イタリアのこと
家に不在だったため配達されなかった書留を、金曜日に郵便局まで受け取りに行きました。中身はAM○Xから届いた新しいクレジットカードでしたが、どうせ解約手続きをするつもりだったので、「私の持っているカードって期限切れるんだったっけ?」なんていう多少の疑問はあったのですけれど、内容も確認せずにキッチンのテーブルの上に置きました。(どうして解約するのかは「AM○Xよ、おまえもか」参照)

そして土曜日、夏期休暇が始まったため、たまたま家にいた私のところに、郵便屋さんがおとといに続いてAM○Xからの2通目の書留を配達しに来たのです。

中身はまたクレジットカード・・・





そこで初めて「何かおかしい」と感じた、いつもながら“よくこれでイタリア生活しているよな~”というのん気さで、おととい引き取ったカードと今日届いたカードの名義人を確認すると…、ぜんぜん知らないイタリア人の名前が書かれているではありませんか 2枚とも同じ名義 でも書留の封筒の宛名は私… 

ちなみに私の持っているカードを確認すると、まだあと1年も有効期間が残っており…(脱力)

郵便局の不在時配達通知がポストに入っている時は、どこから送られた書留かわからず、いつも不安になります。書留というと、交通違反切符の可能性が高いものですから(爆)それで木曜の晩は、もんもんと不安で眠れぬ夜を過ごし(←ちょっとオーバー)翌日はぜんぜん関係ない人のクレジットカードを受け取りにわざわざ郵便局で列を作り(この時期お客さんも少ないけど局員も異常に少なく、けっこうな待ち時間になってしまった)無駄な時間を過ごしたわけですっ

今日まで解約をしなかったのは、最後のカードの引き落としが8月10日だったのでそれが済んでからと思っていたため。銀行口座を確認すると、最後の引き落としが予定日に行われていました。つまり今まさに解約可能!すぐにカードを破棄しなければ、いったい今後どんなことに巻き込まれるのかわかったものじゃないわ。すぐに電話よっ!

私「知らない人名義のカードが書留で2枚も送られてきたのですが」

担当者A「すぐに確認しますので、少々お待ちいただけますか?」

待ち時間10分・・・どうして記録を確認するのにこんなに時間がかかるのかわからない。それも私は関係ないっていうのにさぁ、と、すでにちょっと投げやりな気持ちになる。

担当者A「お待たせしてすみません。単純なミスから起こったことだと判明しました。この2枚のカードはハサミで切った後、捨ててくださってけっこうです。ご連絡いただきまして、本当にありがとうございました」

私「(単純なミスという言葉に気絶しそうになったが気を取り直し)そうですか。で、私は自分のカードの解約をしたいのですけれどね(←嫌な女風)」

担当者A「(沈黙…)係りが違いますので、担当窓口におつなぎします」

・・・・・

担当者B「解約の理由を教えていただけますでしょうか?」

そこで私、意味はないとわかっていながら延々と恨みつらみを話し始める。

担当者B「でもこのカードは年会費無料ですし、解約するのはお客さまにとって得にならないかと存じますが」

私「こういうミスをされるようでは信用できませんので」

来るか? 来るか? 来るか?

担当者B「ミスは誰でもするものなのではないでしょうか?

キターーーーー!

私「(あんぐり状態突入したがまたまた気を取り直し)あなた方のような会社は、ミスはしてはいけない!と思うのですけれど…。とにかくもう決めたことなので。解約のために何をすればよいですか?」

担当者B「カードをハサミで切って捨てるだけでけっこうです。解約は今のこの電話で完了しました」

みなさん、私は本当に驚いてしまいましたよ。「ミスは誰でもするもの」という常套句は外国に住んでいる方だったらしょっちゅう耳にすると思うのですが、まさかカード会社が、請求書の内容を間違え、その間違いを指摘したにもかかわらず度重なるミスで請求金額より多い金額を口座から引き落とし、その上違う人のカードを送ってきて、それで「ミスは誰でもするもの」ってさあ、これにはさすがにサバイバルで生きてきて大抵のことでは驚かないmacoromもビックリ!!でした。

後は電話で解約っていうのが全く信用できないので、切り刻んだカードと解約の旨を書いた手紙を書留で送りつけて完了になります。

ふ~、ここでは怖くて迂闊にクレジットカードも持てないのです





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幸せのおすそわけ

2007年08月10日 | 日々の暮らし
夏休みに突入しました。今日はとても久しぶりにローマには雨が降り、なんとなく暑くてほこりっぽかった空が澄み渡ったような気がします。空気もフレッシュで夏の終わりが感じられ、子供の頃の夏休みが終わるようなあの胸がキューンとするような、懐かしい感覚がよみがえりました。

「夏が終わってしまう」という寂しさって、大人になって仕事をしていても感じるものなんですね。相棒のレオは「どうせ仕事しかしていないのだから、夏が始まろうが終わろうが何も変わりはないじゃないか。僕は何も哀しくなんてないけど」なんて、ふてくされた発言をしておりましたが…。やっぱり女性の方が、こういうことへの感受性って高いのかしら。

今日は美しい写真を何枚かお見せします。以前このブログにも書いた、年の離れた私の友人であるリータの長男アレッサンドロの結婚式のものです。私は参加しなかったのですが、今日彼女が写真をメールで送ってくれたので。(「友だちという言葉のおもみ」及び「赤ちゃんが生まれた」参照)



マルゲリータの素敵な笑顔


彼らの結婚式は教会ではなく、ローマ近郊の白ワインの名産地であるフラスカーティの市役所で行われました。ほとんどのイタリア人は幼児洗礼を受けており、カトリック信者である場合が多いのですが、教会式となると話は別。神の前で誓いを立てるわけですから、信仰心があるかどうかが鍵となります。アレッサンドロは以前私に「神の存在はまったく信じていない」と断言したことがあるくらいですから、もちろん信者としてではなく一市民としての結婚をすることに決めたようです。

多くのイタリア人の若者がするように、事実婚(結婚せずに同居したり子供を持ったりする)から結婚をすることにしたので、かわいらしい赤ちゃんも参加です。



baby ロレンツォも式に参加 3人一緒に何を見ているのかな?


立会人は弟のファービオとその彼女。ファービオって緑の目をして身長190センチと、なかなかの男前なのですが、それにしても彼女も美しいわ~。






左からファービオ、リータ、アレッサンドロの親子


まさに『幸せのおすそわけ』って感じでしょうか。こちらまでプチ幸福な気分にひたれましたわ。アレッサンドロ&マルゲリータ、末永くお幸せに





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仕事のあり方

2007年08月08日 | 日伊文化比較
ブログの更新頻度が一挙に落ちている今日この頃、すっかり気分は夏休み。夏って、私の場合は怠け者になってしまう季節。日頃の疲れがたまっているのがよくわかります。

夏休み前になると疲れを感じるという感覚は(この疲れというのは一年の疲れっていうことなんですけれど)イタリアに住み始めてから感じるようになったもので、休暇前のラストスパート時期に容態は急激に悪化します 日本では有給休暇もほとんど取らず年中働いていたので、精神的にも体力的にも休暇の有効性っていったい何なのか全く理解できていなかったのですけれど、すっかり根性がイタリア人化しつつある昨今、休むという行為が自分をリフレッシュするためにどれだけ重要かよくわかります。

私がイタリアでの生活で感じたのは、仕事の人生における重要度に、日本とイタリアでは雲泥の差があるということ。多くの日本人、特に日本人男性にとっては、仕事って日常生活の中でたぶん一番重要なものかもしれません。私は家庭を持ったことがないので、日本で働いていて家族がある人たちがどういう風に仕事を位置づけしているのかわかりませんが、時間的なことだけ考えても、仕事と通勤に割く時間は相当なものでしょう。例え家族と自分のために働いているとしても、毎日多くの時間を職場ですごし、休日は疲れて何もできないとしたら、本末転倒のような気がするのです。



海を見て美しいと感じられる心のゆとりが欲しい


イタリア人は「よりよい生活を送るために働く」と、あくまでも中心はプライベートであって、仕事はプライベートを充実させるために必要だと考えている人がほとんどかもしれません。もしかして現代日本でも、こういう考え方をする人たちも多くなってきているかもしれませんね。

さて、理想はもちろん「仕事は人生の添え物」であるイタリアですが、最近どうも雲行きがあやしくなってきました。会社にとってはもちろん日本式やり方の方がありがたいわけで、イタリア人労働者たちが長年戦い勝ち取ってきた自分たちの権利を、徐々に失う危険が迫っているようなのです。

一例ですが、私の働く会社は全日曜日もお店をオープンすることに決定しました。つまり祝日を除いて年間無休。従業員のお休みは月曜から金曜の間に2日間。土日がお休みのレオと私はいったいどうなるの?小さな子供たちのいる家庭の母親である私の同僚たちは、いったいどうするのでしょうか?

上で書いたように、イタリア人にとっての休暇の重要性というのは生半可なものではありません。単に体を休めるのではなく、精神的になくてはならないものですから。報奨金は削ってもいいけど、日曜休みには触るな、って感じです(笑)

結果として、今まで大抵のことでは会社側の要求をのんできた私の同僚たちも、今回ははっきりと反抗の意思表示をしましたね。会社が強硬手段に出るのなら、労働組合と直接話を進めるとまで言ってましたもの もしかして社員が今までのように文句も言わず受け入れるかもしれないと、日本式労働者を夢に見た会社側は一応トライしてみたのでしょうが、やっぱり予想通りの反発にあったわけです。したがって、週末のみのパートタイム社員を何人か雇うことになりました。

仕事に生きる日本人と、生きるために仕事をするイタリア人。

完全に人種と歴史の違いなので、どちらがいいとはもちろん言えません。私の父は以前イタリアに来た時に「どうしてこんなところに住んでいるんだ?」と私に質問しました。彼がここまでひどいと感じたイタリアに、私はどうしてここまで固執するのか。その答えはこれなのです。

ここでは、私は人間として“生きている”と感じられるから。



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アグリツーリズモの田舎生活

2007年08月02日 | わたしのこと
ついに重い腰を上げ、夏休みのバカンスの計画を立て始めました。それにしても今日はすでに8月2日。私の夏休みは8月10日から19日までなので、“ぜ~んぜん時間ないじゃん!”それも“超ハイシーズンなのに!”状態です。自分で自分の性格がにくい。おまけにレオののんびりさ加減にも腹が立つ。普通カップルって、相手が持っていないものを自分がカバーし、またその反対もあって、そうやって補い合うものなんじゃないのっなんて文句を言っている場合ではありません。

いろいろ事情がありまして、私たちのバカンスは

①3泊4日(短~い!!!)
②したがって近場(滞在許可証待ちなので外国は不可)
③少しでも涼しいところに行きたい
④日焼けができないので(手術の傷跡がまだあるため)山希望
⑤予算=250ユーロ(←極貧 来年日本旅行が待っているし)

というわけで、行き先はおのずと決まってきます。アグリツーリズモしかない!アグリツーリズモというのは、農家が経営している民宿といったところでしょうか。民宿といってもすごい豪華なところもあって、ホテル並みのサービスと施設を提供してきます。だいたい田舎に位置していますので、都会から逃げてのんびりするのには最高です。



注:ここは私たちが利用するところではありません


種類もいろいろあって、一軒家をそのままポンっと貸すタイプは、家族連れや友だちたちとグループで旅行する時などに最適。レストランはなくてもキッチンが備わっているので、自分たちで食事を作ります。庭にバーベキューができる施設があったりするので、楽しめることうけあい。建物内には自分たちしかいないし、外には草原が広がっているような状態だったりして、夜遅くまでドンチャン騒ぎも可能です。



夢の一軒屋タイプのキッチン例


ベランダはこんな感じ


プールもあってお値段は1週間575ユーロから
最高6名まで宿泊可能だからお手ごろ価格


また、私たちが探しているアグリツーリズモは、部屋貸しタイプでレストランがあるところ。つまり別荘タイプではなく、ホテルタイプの民宿ですね。食事をだしてくれるところは自給自足の場合が多く、お肉は自分たちの農場で飼育しているもの、野菜は自分たちの畑で採れたものを利用して料理をだしてくれます。もちろんワインは地元産。

そしてついにそんな希望をかなえてくれるアグリツーリズモを発見

トスカーナとリグーリア地方料理のミックスを食べさせてくれて、食材は自給自足のところ!おまけに気になるお値段は、なんと1泊2食で55ユーロと言うことなしです。トスカーナ地方にあるので、近場には見所がいっぱいあるし、山登りもできる。また彼らは馬場も持っているので、乗馬をしたければそれも可能。夜はジャケットが必要なくらいの気候

ああ、よかった。なんとか見つかって。

というわけで、残り物には福があるか?leo&macoromの珍道中は、必ずブログでUPさせていただきますので、乞うご期待!



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