Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん男優列伝(216)田中邦衛

2014-01-25 00:30:00 | コラム
32年11月23日生まれ・現在81歳。
岐阜出身。

自分は三船敏郎と志村喬、それから窪塚くんのモノマネ(声)が出来るのですが、なぜ試してみたのかというと、
好きというよりは、どうせやるなら、ほかのひとがやっていないモノマネを―と思った結果、その3人になったと。
で、やってみたら出来るじゃないかと。
三船はジョン・ベルーシがやってますけど。

五木ひろしや森進一、桑田佳祐じゃ「やられ過ぎている」でしょう。
なぜこのひとたちのモノマネが多いのかというと、そりゃもちろん特徴的だから。
「ふつうとはちがう度」が3だったとして、それを5くらいにデフォルメすると面白いですものね。

特徴的といえば、田中邦衛(たなか・くにえ)さんもそう。
このひとのモノマネをやるひとも多いですが、いちばんなのは、やっぱり小堺 一機でしょう。
絶品だと思います。

『北の国から』シリーズ(81~2002、フジテレビ)の印象が強いひと、しかし映画の世界でも成功しています。
日本を代表する名優のひとりですよね。

92年に放送された『北の国から’92 巣立ち』は、純(吉岡秀隆)がタマコ(裕木奈江)を妊娠させてしまい、タマコの叔父(菅原文太)が「誠意って、なにかね」と凄んでくるエピソードがメイン。
上京してまもない息子は大丈夫だろうか、そんなことしてないだろうか―母ちゃんが父ちゃんにそう話しながら観ていたと聞いて、あぁドラマの影響力って大きいものなんだなぁ、、、と感じたことを覚えています。


※ネタに使われることの多いこのシーン、ノーカット版を改めて観てみる。
8分間という長さ、ぼそぼそ声・・・実験映画と同じような野心を感じ、ちょっと慄いてしまったよ。
それにしても吉岡くんは、ほんとうに巧い。




<経歴>

長女の田中淳子は、NHKのワシントン支局長。

苦労して俳優座の一員となり、演技の基礎をきっちり学ぶ。
同期に井川比佐志、露口茂など。

73年に俳優座を退座、フリーとなる。
その顔つきから(若いころは)チンピラ役などが多く、黒澤の『悪い奴ほどよく眠る』(60)でも殺し屋を好演していましたっけ。

映画俳優デビュー作は、57年の『純愛物語』。
『人間の條件』(59)や『武器なき斗い』(60)を経た61年、『大学の若大将』で若大将(加山雄三)のライバル・青大将を演じる。
憎めないキャラクター性が受けて、以降、シリーズの常連―65年の『海の若大将』と『エレキの若大将』、66年の『アルプスの若大将』―となる。

前後しますが、最初に「若大将」以外のシリーズ物について。

65年から始まる『網走番外地』シリーズでも個性を発揮、高倉健の舎弟としてコメディリリーフをこなしました。

65年…『続 網走番外地』『網走番外地 望郷篇』『網走番外地 北海篇』
66年…『網走番外地 荒野の対決』『網走番外地 南国の対決』
67年…『網走番外地 決斗零下30度』『網走番外地 悪への挑戦』
『新網走番外地 吹雪の大脱走』(71)、『新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義』(72)

73年、『仁義なき戦い』で小悪党の槙原政吉を演じる。

73年…『仁義なき戦い 代理戦争』
74年…『仁義なき戦い 頂上作戦』『仁義なき戦い 完結篇』『新仁義なき戦い』

以下、シリーズ物以外の出演作を。

三十郎をなかなか信じない保川を好演した『椿三十郎』(62)、
『怪談』(65)、『湖の琴』(66)、『兵隊やくざ 脱獄』(66)、『座頭市海を渡る』(66)、区隊長を演じた『肉弾』(68)。
『大幹部 無頼』(68)、『人斬り』(69)、『どですかでん』(70)、『男はつらいよ 奮闘篇』(71)、『日本一のショック男』(71)、『サマー・ソルジャー』(72)、
なんと次元大介を熱演している『ルパン三世 念力珍作戦』(74)、
『仁義の墓場』(75)、『新幹線大爆破』(75)、『実録三億円事件 時効成立』(75)、『トラック野郎 爆走一番星』(75)、『姿三四郎』(77)。

珍しく主演を務めた『黒木太郎の愛と冒険』(77)、『八つ墓村』(77)、『ダイナマイトどんどん』(78)、『鬼畜』(78)、『トラック野郎 一番星北へ帰る』(78)、『野性の証明』(78)、『地獄』(79)、『動乱』(80)。

80年代以降は『北の国から』効果もあって「頑固でお茶目な父ちゃん」のイメージが定着、映画でもそうしたキャラクターを演じることが多くなりました。

『近頃なぜかチャールストン』(81)、『駅 STATION』(81)、『刑事物語』(82)、『居酒屋兆治』(83)、『すかんぴんウォーク』(84)、『早春物語』(85)、『優駿 ORACION』(86)。
映画通のあいだで評価が高い『ウホッホ探険隊』(86)、『私をスキーに連れてって』(87)、『TOMORROW 明日』(89)、『浪人街』(90)、
小島聖以外は見るべきところがなかった『タスマニア物語』(90)、深刻な題材をユーモアで緩和した『息子』(91)、『ひかりごけ』(92)。

(最近好きになりつつある)山田洋次の映画のなかで最も受け入れられない作品『学校』(93…もちろん、あくまでも自分個人の話です)、
『釣りバカ日誌スペシャル』(94)、『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(95)、『サラリーマン専科』(95)、『虹をつかむ男』(96)、『みんなのいえ』(2001)。

ここ10年も『黄泉がえり』(2003)や『精霊流し』(2003)、『福耳』(2003)、『隠し剣 鬼の爪』(2004)などで好演し続けていますが、さすがに若いころと比べると出演本数は減っています。

最新作は、『最後の忠臣蔵』(2010)。

長生きしてくださいね。

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明日のコラムは・・・

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コメント (2)
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