(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

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蝉しぐれ

2005-10-02 19:10:36 | 映画さ行
「残心」という言葉がありますね。剣道で教えられたのは、相手を打ち抜き勝負が決した後も、心を剣に残しておくこと。この映画を観終ったあと、ふと、この言葉を思い出しました。全てが解決したわけでもなく、願いが成就したわけでもない、だからといってひたすら悲しいでもなく、精一杯に事を成しとげ、それでも心がそこに留まっている。とても微妙で日本的な表現ですけれど、これを納得させてしまうストーリーと俳優達の技量には感服しました。

下級藩士の一人息子、文四郎(石田卓也)は、貧しいながらも父母に愛され、友に恵まれ、剣術の稽古に励む毎日だった。その頃、隣家にはふく(佐津川愛美)という少女が住み、お互いに淡い恋心を抱いていた。しかし、尊敬していた父助佐衛門(緒形拳)が、突然に謀反の罪を着せられて切腹させられる。殿様の世継ぎ争いに巻き込まれての結果だった。切腹の前日、助佐衛門は文四郎に、父を恥じることなく修行に励め、とだけ言い残し死んでいった。残された母子は、反逆者の家族として逆境の日々を送らなければならなかった。
成長した文四郎(市川染五郎)は、父を切腹に追い込んだ家老里内(加藤武)から、禄を回復され村回りの仕事を拝命する。一方、ふく(木村佳乃)は殿様の側室になり、子供を身篭って密かに藩の別邸に隠れ住む身となる。ある日、文四郎は里内に呼ばれ、ふくの生んだ男子を誘拐してくるように命じられる。

場面〃に現れる風景の美しさに驚かされます。日本にもまだこんな景色が残っているのかと唸らせます。これだけでも、この映画が相当に時間と労力を使って撮られたものであることが分かります。ただひとつ、残念だったのは、殺陣シーンに全く説得力が無かったこと。あれでは、TVドラマのレベルです。もう少し頑張って欲しかった。しかし、殺陣は今ひとつでも、市川染五郎の正座姿の凛として美しいこと。さすが、育ちですな。
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7 コメント

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コメントありがとうございます! (kossy)
2005-10-03 00:05:26
染五郎と佳乃ちゃん。

最後の会話する映像が心地よく目に焼き付いてしまいました。

船の中でヒグラシの鳴き声を聞く姿もよかったです。
ふくの手紙 (mac)
2005-10-03 03:15:49
kossyさん、コメント&TBありがとうございます。



そうですね、この二人はとても絵姿が美しかった。

比べて子役の二人は、美しいわけではないですが、生のままの自分を出していて、それはそれでとても良かったと思います。



書き忘れましたが、最後のふくの手紙が妙に男性っぽい書き様であったのが気になっていました。しかし、下記のサイトを見ると江戸時代には女性も候文が普通だったのですね。

http://www.bekkoame.ne.jp/ha/a_r/M001_017.htm
TBありがとうございました! (snowflower_001)
2005-10-04 23:58:33
初めまして!

殺陣のシーンだめでしたか?

染五郎は映像よりも、舞台向きなのかもしれませんねぇ。

舞台の彼の殺陣は本当に素晴らしいんですけど。
殺陣 (mac)
2005-10-05 05:18:30
snowflowerさん、コメントありがとうございます。

そうですね、僕は迫力が無いと思いました。染五郎がダメなのではなくて、構成に工夫がないんです。特にあの妖剣使いが、ぐるっと回るのには笑ってしまいました。

殺陣以外のシーンは大変に丁寧に作ってある映画なのに、とても残念な気がしました。



染五郎の舞台はそんなに良いのですか。観てみたいな~。
TBありがとうございました (ミチ)
2005-10-09 20:48:50
こんにちは。

「残心」・・いい言葉ですよね。

剣道をやっていた主人が側におりましたので、説明を聞きました。

本当にそのような感じのする映画でした。
残心 (mac)
2005-10-10 12:34:50
ミチさん、コメント&TBありがとうございます。

そう、剣道やっていた方は「残心」ってご存知でしょう。武道では、とても大事なことなんです。

マギー(ミリオンダラー・ベイビー)もね、これを知っていれば、あんなにひどい事にはならなかったのに・・
残心 (chishi)
2005-11-04 23:57:55
日本的で素敵な言葉ですね。

この作品に、なんとピッタリな言葉なんだろ(笑)

うんうんって、頷いちゃいました♪

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