今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

800 仙台(宮城県)よく生きるフィンランド流の心地良さ

2017-12-05 21:29:40 | 岩手・宮城
仙台に着くと、まず出向いたのは宮城県美術館である。フィンランド・デザイン展が開催中なのだ。フィンランド独立100周年を記念して全国を巡回してきた展覧会の、これが最終展になる。常々主な美術館の企画はチェックしているつもりだったのだが、なぜかこの巡回展は気がつかずにいて、北欧の旅から帰って知ったのは、東京展が終わった翌日という間の悪さだった。だがそのおかげで、仙台へ旅するきっかけができたともいえる。



仙台に行くなら盛岡にも足を延ばそうと日程を拡大、戻るついでに一関で途中下車することを思い立つといった、年寄りならではの気ままな旅であらためて実感したのは、仙台がいかに大都会であるかだ。盛岡や一関を歩いてきた眼には、街を行く人の数がとにかく多い。仙台の人口は108万人を超えている。東北では秋田県の全人口とほぼ同じ規模である。日本の都市では12番目だが、北欧ならストックホルムを超える最大の街になる。



フィンランド・デザイン展は、当然のことながらヘルシンキのデザインミュージアムと展示物は同様である。だが解説が日本語であることが、デザインとデザイナーの関係性を理解することを大いに助けてくれる。平日だからか、20代から熟年ほどの女性が多く観に来ていて、北欧デザインが特に女性に好まれていることがうかがえる。受付やショップには整列のロープが張られているから、多くの市民が列を作る日があるのかもしれない。



街で「仙台フィンランド健康福祉センター」の看板を見かけた。フィンランド政府が、自国で培った高齢者福祉のノウハウを世界に広めるとともに、産業化する狙いもあるプロジェクトらしい。相手国に選ばれた日本で仙台市が第1号の協定を結び、Wellbeingを実践する特別養護老人ホームの運営や福祉介護事業の支援を続けている。初めて知る国際プロジェクトだが、活動はすでに15年余になる。仙台とフィンランドは縁が深いのである。



老人ホームの運営に当たっているのが東北福祉大学の関連社会福祉法人だ。それで、というわけではないのだが、市内循環バスに乗って大学へ出かける。盛岡の光原社で、福祉大学の「芹沢銈介美術工芸館」でインドネシアの絣が展示中だと知ったからだ。福祉大学になぜ芹沢銈介なのかと訝しんで、芹沢長介の名が浮かんだ。銈介の長男で考古学者の長介氏は、東北大学から東北福祉大学に移り、銈介のコレクションを寄贈したのだという。



フィンランドが縁となって仙台にやってきて、福祉大学まで出向いてインドネシアの染色文化を楽しんでいる。まことに高齢者的時間の贅沢である。工芸館は静岡の芹沢銈介美術館ほど作品が豊富なわけではないものの、銈介の眼が収集した海外民芸品に触れる機会は貴重である。学生たちがどれほどこの人間国宝の型染に親しんでいるかは知らないが、そのレプリカの隣で本を開いたり談笑している若者を眺めているのは、楽しいものがある。



街はクリスマスムードに飾られ、定禅寺通のケヤキ並木はイルミネーションの飾り付けを終えている。仙台の回転寿しは美味いというので夕食に入ってみたのだが、シャリが固くてボロボロで、食べられたものではない。翌日、口直しだと本格的構えの寿司店に入る。ところがやはりシャリが固い。職人は「ササニシキを、芯を感じるほどに固く炊きあげるのが仙台流です」と平然としている。私には、いくらなんでも固すぎる。(2017.11.28-29)


















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