今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

763 千葉(千葉県)洗練と無縁の顔してモノレール

2017-03-10 16:38:46 | 茨城・千葉
人間は社会的動物だからか、群れて街を造る。だがその時「街の場所」はどうやって選ばれるのだろう。文明の発達と共に適地は変化してきたのだろうけれど、海・川・山などの自然の地勢に影響されることは昔も今も変わらないはずだ。しかし要因はそれだけだろうか。私には「街と街の距離」に何らかの法則があり、無意識にせよ、街はその法則に従って形成されていくのだと思えてならない。人の日常的行動半径とでもいう法則によって。 . . . 本文を読む
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672 行徳(千葉県)吹く風のこちら下総向こうは武蔵

2016-01-26 07:37:42 | 茨城・千葉
漱石の『吾輩は猫である』に、迷亭が「どうせ僕などは行徳の俎と云う格だからなあ」と苦沙味を煙に巻く場面が出てくる。苦沙味は「まずそんなところだろう」と澄まして応えるのだが、実は「行徳の俎」の意味が分かっていないのだと猫に見破られている。漱石が「行徳の俎」についてそれ以上説明していないのは、明治30年代の東京界隈で、この言い回しを知らないのは世相に疎い苦沙味くらいだ、と強調してみせたのだろう。 . . . 本文を読む
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575 中山(千葉県)法華経を唱えながらの梅雨の道

2014-06-17 19:35:46 | 茨城・千葉
どこかの街を訪ねた際は、なるべく素早く、記憶が新鮮なうちに印象を書き止めるように努めているのだが、どうにも筆が進まないこともある。書きたくなる材料に出会わなかったから、などと自分に言い訳けしながら一日延ばしにしている。千葉県市川市の中山を訪れたのは、紫陽花や菖蒲が咲いていたころだから、もう1年が過ぎたことになる。いくら何でもサボリ過ぎだ。書くべきことが「何もない街」などあるはずがないのだから。 . . . 本文を読む
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567 大子(茨城県)極東の大子の里で土を捏ね

2014-04-12 14:34:25 | 茨城・千葉
もう15年になるだろうか、福島県の母畑温泉で開かれた会合に出席し、翌日は水戸でも会議をこなす出張に出た。水戸へは夕刻に到着すればいいので時間は十分ある。水郡線というローカル列車でのんびり向かうことにし、磐城石川駅で乗車した。しかしその列車は常陸大子駅止りで、後続の水戸行きまでだいぶ間が空くことが乗車してから分かった。そうした経緯で計らずも立ち寄った大子(だいご)という街に、私は大いに魅せられた。 . . . 本文を読む
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566 北茨城(茨城県)五浦には星が瞬くカンブリア

2014-04-10 14:36:44 | 茨城・千葉
この日は五浦で宿泊することにしていたので、日立の街を後にした私たちは、常磐自動車道で北茨城市を目指した。海岸からやや山寄りを北上しているのだろう、小さなトンネルをいくつも通過する。このあたりは阿武隈山系南端の多賀山地と呼ばれる低山地帯で、特段に眼を惹く風景ではない。しかし「日本列島はここから始まった」と知れば興味は一変する。5億年前のカンブリア紀。ここに生まれた岩盤を核に、列島は形成されたらしい。 . . . 本文を読む
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565 日立(茨城県)業績で浮くも沈むも城下町

2014-04-08 09:05:50 | 茨城・千葉
太平洋に緩やかな弧を描く茨城県の海岸線は、利根川河口から勿来関まで南北190キロあって、那珂川を境に南は鹿島灘の砂浜が続き、北はしだいに岩礁帯となって五浦海岸に至る。ひたちなかから北上している私たちの旅は、海浜公園を過ぎると東海村の原子力ゾーンになって海はしばらく隠され、久慈川を渡ると再び太平洋が現れ日立市に入った。茨城県は南に鹿島コンビナート、北に日立という、二つの大工業立地に恵まれている。 . . . 本文を読む
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564 ひたちなか(茨城県)なめんなよ常陸の国の底力

2014-04-06 13:36:54 | 茨城・千葉
水仙の咲き誇る丘の上から、大きく手を振っている女性2人は母娘だろうか。私の隣でカメラを構えているおじさんに合図しているようだ。いかにも早春にふさわしい和やかな構図になったから、横着をして私もシャッターを切らしていただいた。ここは、ひたちなか市の浜辺に広がる国営ひたち海浜公園だ。かつては陸軍の飛行場として使われ、敗戦後は米軍の射爆場になった辛い歴史の砂丘地だが、いまは家族連れが平和を満喫している。 . . . 本文を読む
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302 佐原(千葉県)・・・房総は偉人と博徒とすずめ焼き

2010-10-17 09:32:37 | 茨城・千葉
佐原に寄った。伊能忠敬の事績に接するためである。50歳で天文学を志し、55歳にして全国測量の旅に出た忠敬さん。当時の寿命を考えれば、還暦を過ぎて漫然と日々を過ごしているいまの私と、ほぼ同年代のようなものではないか。ここはひとつ、人間の持つ恐るべき能力に接し、大いに刺激を受けようという魂胆である。記念館では特別展が開催中で、国宝の伊能図が展示してあった。測量の緻密さと正確さに、ただただ頭が下がる。 . . . 本文を読む
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301 銚子(千葉県)・・・お魚と醤油の街は河の口

2010-10-16 07:49:00 | 茨城・千葉
私は岬に惹かれる。陸の果ては、見果てぬ彼方につながると連想がたくましく広がるからだ。そこで《突端の街》に憧れることになる。たどり着いたさまざまな人生が、深く沈潜しているに違いない(と想像する)のだ。銚子に行ってみたかったのは、利根川の河口に位置し、しかも房総半島の付け根という、突端が二つも重なっている希有な街だからだ。暮らしている人たちから見ればヘンな視点であろうが、そんな思いを膨らませて出発し . . . 本文を読む
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286 下妻(茨城県)・・・砂沼のほとりで夜雨の詩碑に逢う

2010-07-20 21:16:53 | 茨城・千葉
昔、横瀬夜雨(やう)という詩人がいた。明治11年(1878年)、旧常陸国の真壁郡横根村(現下妻市)に生まれ、昭和9年(1934年)に57歳の生涯を閉じるまで、自ら「筑波は近く富士は遠く、筑波の煙は紫に、富士の雪は白い」と詠って故郷を離れず、創作に取り組んだーー。これは「下妻市ふるさと博物館」で初めて接した知識である。下妻の街さえ知らなかった私に、作品どころかその名に触れた記憶もない詩人であった。 . . . 本文を読む
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285 筑波(茨城県)・・・筑波嶺を横切る雲に神想う

2010-07-16 12:20:58 | 茨城・千葉
いまだに解せないことがある。《神》のことだ。人間は、なぜ神という観念を必要とし、その不条理を正当化させることに四苦八苦し続けるのだろうか。言語や習俗はバラバラなのに、あらゆる民族がそれぞれの《絶対的存在》を持つ(持とうとする)のはなぜか。神などいなくてもいっこうに構わないと私などは思うのだが、そのくせ神社に立てば賽銭を放り、手を打って願いごとをしていたりする。このDNAは何処より来るのだろう。 . . . 本文を読む
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284 笠間(茨城県)・・・パレットに陶芸稲荷てんこ盛り

2010-07-12 13:06:30 | 茨城・千葉
益子から笠間へ、丘陵を縫うようにアップダウンする地方道を行くと、東日本を代表する二つの陶器産地の隔たりは車で40分程度でしかなかった。江戸中期、信楽の技術を移入して始まった笠間焼と、その笠間から江戸末期になって技術移転された益子の焼き物は、程よいライバル関係を保ちながら販路を広げて行ったのだろうか。瀬戸の規模には及ばないにしても、関東一円の生活雑器を請け負う地場産業に育ち、作品も生まれた。 笠 . . . 本文を読む
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282 結城(茨城県)・・・伝統は街の暮らしを紡ぎつつ

2010-07-05 15:40:24 | 茨城・千葉
《結城》といえば《紬》である。条件反射のようにその特産品が口をついて出る。では結城はどこにあってどんな街なのか。そうしたことに全く無知であることに気づいたことが、われわれの今回の旅のきっかけであった。われわれ、というからにはいつもの一人旅ではない。パートナーが一緒で、運転までしてくれるというではないか。かくして北関東の、県境がいくつも入り組んでいるあたりへ出かけることになった。まずは結城である。 . . . 本文を読む
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126 五浦(茨城県)・・・浦々を巡ればいつか絵の中に

2008-03-30 23:58:25 | 茨城・千葉
「いづら」はまるで呪文のように、不思議な「ときめき」となって私の心を波立たせる。それは岡倉天心という、日本美のカリスマにつながっていく地名だからなのだろうけれど、そうした神秘的な人格が身を潜め、潜めたがゆえに多くの若い才能を引き寄せた土地とは、いったいいかなる「場」なのだろうと、いつも「ときめき」ながら空想してきたのである。そして漸う訪ねてみて、いまは夢から覚めた心持ちである。 茨城県の北はず . . . 本文を読む
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030 勝浦(千葉県)・・・黒潮は鰹とともに学生も

2007-04-08 12:22:03 | 茨城・千葉
南紀和歌山の那智勝浦には行ったことがある。だから南房総の勝浦も行ってみたい街だった。南紀と房総には「勝浦」や「白浜」といった同じ地名がある。黒潮が文化を運び、紀伊から移り住んだ人々が故地と同じ名を付けた。そんなことを読んだ記憶があって、常々、人間の「動線」を不思議に思っていたのである。そういえば熊野灘も九十九里浜も、目の前は太平洋であり、6200キロメートル先にはハワイがあるという。似た土地柄な . . . 本文を読む
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