prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「輝く夜明けに向かって」

2007年03月01日 | 映画
アパルトヘイトものというのは実際にそれが布かれていた時とは違って、今では批判するだけでは成立しないので、アパルトヘイト取り締りによって普通の市民が家庭を壊されてかえってテロリストになってしまうという、今のイラクのアメリカが押し付けた「民主主義化」がかえってテロを増やしている逆効果ぶりを思わせる展開になっている。

実生活では筋金入りのリベラルであるティム・ロビンスが取締官を演じて、一方でアパルトヘイトは長続きしないと思いながら職務は忠実に執行するがどこか上の空という複雑なキャラクターを作り出した。単純に善悪どちらの面もあるというより、悪いことと知っている頭とは別に自動人形的に迫害と拷問を行うといった薄気味悪さは、オスカー受賞作「ミスティック・リバー」の役に権力を与えたよう。
(☆☆☆★)



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