prisoner's BLOG

見た映画のメモを☆=20点★=5点による評価つきでつけていますが、テレビ画面で見たなどの理由でつけないこともあります。

「奇蹟がくれた数式」

2016年11月07日 | 映画
シュリニヴァーサ・ラマヌジャンのことは藤原正彦のエッセイなどのチラ見で知ってはいたが、彼をいわば「発掘」したG・H・ハーディとの関係についてはよく知らなかった。映画はこういう勉強もさせてくれます(そしてもっと知ろうという刺激にもなる)。

ラマヌジャンがなぜ余人には想像もつかない数学的な閃きを得られるのかという問いに対して「女神のお告げです」と答えたという話も聞いてはいたが、ここでのドラマの組み立てとして相対するハーディが無神論者というのが生きてくる。

神といってもハーディが言っているのはキリスト教的な唯一の造物主で人格神だろうなのに対してラマヌジャンが言う女神は宇宙の様相がさまざまな人に似た顔で現れる神だろうから、無神論といっても必ずしもバッティングしない。
カール・セーガン原作の「コンタクト」で地球外知的生命体に対して書かれたメッセージは数学の数式で書かれていたわけだが、数学というのは宇宙の法則を書きだす言語のようなものかもしれない。

作中で触れられるように天才というのはモーツアルトのように本当にまずある答えや完成品が芸術でも数学でも自然科学でもまず「見えて」しまう、というのは実際にあることのようだ。あるアイデアの飛躍というのは分析不可能なのだろう。

ただ、いくら当人にはそれがありありと疑いなく真実と思えてもそれが他の人間にとって通用するものとして鍛えられなくてはいけない、という方法とルールはむしろ西洋発祥のアカデミズムの産物で、同時に世界に通用する普遍性の源泉でもある。

ケンブリッジ大学の、バートランド・ラッセルが当たり前のようにそばにいる環境というのも凄いが、エリート大学の高慢と偏見を押さえる一方で世界の知を連綿として受け継ぎ鍛え伝える役割を果たしてきたという業績は押さえている。

「炎のランナー」で新入生たちが周回する中庭だが、実は内側の芝生は一般学生が立ち入ってはいけない場所であることがわかった。

ラマヌジャンが故郷に残してきた母と妻との関係と葛藤も簡潔に描けている。

ハーディと共同研究しているジョン・リトルウッドを演じているのがトビー・ジョーンズ。前にテレビ映画「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」でヒッチコックをすごく気持ち悪く演っていた人だけれど、今回は天才数学者だがジェレミー・アイアンズのハーディのコンビとすると人懐っこい感じを出している。
(☆☆☆★★★)

奇蹟がくれた数式 公式ホームページ

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