prisoner's BLOG

見た映画のメモを☆=20点★=5点による評価つきでつけていますが、テレビ画面で見たなどの理由でつけないこともあります。

「雪に願うこと」

2006年06月08日 | 映画
重荷を引いてあがくようになんとか前進するばんえい競馬の姿に、生きていくことの重さを見るのは、倉本聰の「ばんえい」でもあった発想だが(といっても、ドラマは見ておらずシナリオを読んだだけ)、実に丁寧に楷書で描かれた多くの人生スケッチの集積の厚みが見事。
画面には出てこない人物(たとえば借金に追われて失踪した伝説の名騎手)も、なんだか知っている人のような気がしてくる。

佐藤浩市の男っぽい色気は出色。
馬が本当に伊勢谷友介に対して親愛のそぶりを見せている。
馬たちが厳寒の中、もうもうと身体中から湯気をあげて進む姿がなんとも美しい。完全にレースの間に馬が動かなくなってしまうのにびっくり。よっぽど重たいのだろう。

脇が山崎努や草笛光子をはじめ役者が揃っているが、ただ格の高い役者をあてはめているだけでなく、すべての役者からそれまで見せなかった顔を引き出している演出力に感心する。
小泉今日子、吹石一恵と元(?)アイドルが並ぶが、根性がないとアイドルなんてできないのだろうなと勝手に考えたくなるような、しっかり生きてきた「顔」を見せる。

仲の悪い兄弟が「仲直り」するのではなく、互いの違いをしっかり認めて別れるラストの締めは、大人のもの。

障害物の前でためにためた馬がいよいよという瞬間、ぶっとい脚がぶるっと震えるのを捕らえたカメラと、ピックアップした編集の冴え。
(☆☆☆★★★)



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