prisoner's BLOG

見た映画のメモを☆=20点 ★=5点による評価つきでつけています。

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

2008年05月22日 | 映画
オープニング、赤ん坊の額に石油=黒い水を塗る「洗礼」をほどこし、ウィスキーを混ぜたミルクを飲ませようとするあたりからすでに反キリストの匂いが出ている。石油掘りの作業の最中に、サタンのようにしばしば穴に「墜落」するのだし。

主人公ダニエルが隣の牧師を偽預言者だと自己批判させるクライマックスはもちろんだが、教会の側にしてからがダニエルに「洗礼」を施し「悔い改める」のを条件にパイプラインの敷設権を認めるのだから、どっちが反キリストだかわかりゃしない。
ブッシュ政権を支えたキリスト教原理主義と、石油利権で権力を得てイラクに攻め込んアメリカ資本主義(貪欲主義というべきか)の自己中心的な原型が現れている。というか、ブッシュがどうこうというより根は深い。

アメリカのYou Tubeで「おまえのミルクシェーキを吸い取ってやるうっ」と半ばギャグみたいにして受けているらしいダニエルの狂いっぷりにしても、そのミルクシェーキというのはウィスキー入りの、生まれながらに頭をおかしくさせるミルクってことだろう。デイ=ルイスは神を欠いた人間を入神の演技で見せる。

主人公のダニエルの異母弟と名乗る男にせよ、兄弟をわざわざポール・ダノの一人二役で演じてさせている隣人の息子たちにせよ、ここに出てくる「兄弟」はニセモノばかり。兄弟はおろか、親子関係もニセモノの匂いがついてまわる。人間も風景もすごいくらい荒涼としている。善意がまるで通用しないのはもちろんだが、悪さえ成立しないくらい他との関係が壊れている。

ジョニー・グリーンウッドによる現代音楽の古典のような音楽が強烈。見てすぐサントラを買う。
(☆☆☆★★★)


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goo映画 - ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
ジャンル:
映画(DVD)
キーワード
反キリスト グリーンウッド ポール・ダノ キリスト教原理主義 ブッシュ政権
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コメント

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こんにちは (iina)
2008-06-07 11:04:04
主人公と牧師が、お互いを自己批評させますね。
You Tubeのギャグにも、笑わされます。
いずれにせよ、いろいろな受け止め方があるものです。
http://blog.goo.ne.jp/iinna

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