prisoner's BLOG

見た映画のメモを☆=20点 ★=5点による評価つきでつけています。

(500)日のサマー

2010年02月18日 | 映画
気分がいいときにはサマーのさまざまな部分が全部魅力的に見えたのが、悪いとまったく同じものが全部不愉快に見えてくるあたりが傑作。

時間軸が行きつ戻りつする作りなのだが、ふつうに順を追って描いていったらいい感じになったり醒めてしまったりするのにいちいち理由づけが入るところを、幸せな日だと最初からすべてが祝福されていたみたいに感じ、落ち込んだ日には初めからすべてが合わなかったのだと思ってしまう、理由があって幸せに感じたり不幸せに感じたりするのではなく、感じ方によって出来事が理由づけられてしまう構造をうまくつかんでいる。
時間があってその上を人間が通っていくのではなく、人間があってその情動に応じて来し方行き方のありようが決められる。おおげさにいえばハイデガーみたい。

トムが一人で見に行く芸術映画の天使が中世の騎士とチェスをするという場面は、もちろんイングマル・ベルイマンの「第七の封印」の冒頭の死神と騎士が生死を賭してチェスをするシーンのパロディ。「第七の封印」では、騎士が「生」の意味を探してまわって結局見つからないのだけれど、天使が相手ということはその裏返しなのか。

「あらかじめ断っておくが、これはラブストーリーではない」、といきなりナレーションがカマす。客観的なナレーションはもっぱらサマーの方に添えられていて、トムの方はスルーしている。
トムの方は恋人同士になったつもりでも、サマーの方がどうもさめていて友だちのつもりでいる。二人の関係は対称ではなく、出来事は基本的にトムの方から綴られ、サマーはどうも何考えているのかわからず、トムを 傷つけ、すれ違う。一段上の存在という感じもする。

一番ドツボにはまった状態だと、時が死ぬほどのったりのったりしてくるのを日付のカウントを一日ごとからさらに半日あとと、刻みを細かくしていくことで表現するなど才気走った表現。
(☆☆☆★★)


本ホームページ


(500)日のサマー - goo 映画
ジャンル:
映画(DVD)
キーワード
第七の封印 ベルイマン
コメント (0) |  トラックバック (3) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 「パニッシャー:... | トップ | 「パラノーマル・... »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

3 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
「(500)日のサマー」 心の傷にしみる・・・ (はらやんの映画徒然草)
アタタタタ・・・、心の傷がうずきます。 本作「(500)日のサマー」は冒頭にある
Blu-Ray:(500)日のサマー 2010年 最新型ラブストーリー(笑) (日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜)
現在ならではのラブストーリー(と言いたい) それは、この作品のストーリー構造。 500日間にわたる恋愛の経緯が、「時勢」をぐちゃぐちゃにぶった切られて!並べられている。 映画中にも登場する、名画「卒業」 もしこの映画がその時代に封切られていたら?! (話...
(500)日のサマー ((500) Days of Summer) (Subterranean サブタレイニアン)
監督 マーク・ウェブ 主演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット 2009年 アメリカ映画 96分 ラブロマンス 採点★★★★ “付き合ってる”って形式上の口約束みたいなものに過ぎないのに、“彼氏・彼女”って言葉自体を非常に重要視するんですよねぇ、男は。「やぁねぇ...

あわせて読む