prisoner's BLOG

見た映画のメモを☆=20点★=5点による評価つきでつけていますが、テレビ画面で見たなどの理由でつけないこともあります。

「悪の法則」

2013年12月15日 | 映画
商業映画の枠を踏み越えてひとつの文体を貫徹した映画。
脚本のコーマック・マッカーシーの存在が、セリフだけでなく映画そのものの文体を獲得し、商業ベースで作られる基礎になっていると想像する。
結果として、芸術とも娯楽ともつかないという評価も表裏一体で張り付くことにはなったが。

麻薬組織絡みの儲け話に手を出した弁護士が、ひとつ取引の歯車が狂い出したところから、象徴的な形で語られる自動機械のようにカタッカタッと容赦なく動き出したら止まらないメカニズムに巻き込まれて処理されていく。

それは犯罪組織の原理の恐ろしさというのにとどまらず金=マネーの論理の恐ろしさであり、それ以上に金=数字という抽象が動きまわり、具体的な生を巻き込みすり潰す恐ろしさでもある。資本主義の原理という以上に指し示す射程はきわめて広い。

マイケル・ファスベンダーとブラッド・ピットが話すバックのがらんとした空間の何もない感じが、ナッシングであるゆえに刺激的。

大スターが並んだわけだが、それはむしろスターという存在が必然的に抱え込むオートマトン性みたいなものを、描く世界の一部としているということではないか。

一見して平板な切り返しの連続で文学的な台詞をじゃましないで見せいき、そんななんでもないようなセリフの内容がずっとあとになって重要な意味を持つようになる衝撃。コトバと具象の合わせ技があまり例のない映画的文体を形成している。
残酷なことが画面の上でも描かれているのと同時に、もっとひどいことが行われている暗示性能が両立しているだけでも、。

サウンドデザインの見事さ。サブマシンガンの音や、ラスト近くロンドンの街をプラビが早足で歩くところにかかるピアノの音など、音が粒だって空間に散りばめられているよう。
(☆☆☆★★★)

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