松原洋一・UAG美術家研究所

近世から明治中期頃までに活動していて、ネット検索しても出てこない画家を中心に紹介しています。ただいま島根県を探索中。

風の盆......先取り。

2012-07-17 | 湯上がり短話
日曜日に東京八尾町郷友会の催しに紛れ込んで
保存会による「おわら風の盆」の踊りをみてきました

この「おわら風の盆」というのは富山県八尾町で年に一度
9月1日から3日まで開催されるもので
実際にみるのは初めてだったのですが
伝統の重さを感じさせる奥深いものでした

だいいち「風の盆」というネーミングだけで
なにかジンとくるものがあるというのに
静かに歩を運び一心に踊る若者たちの姿は気高く
その動きからは何者にも浸食されていない純度の高さが感じられ

もはやこれは盆踊りとは呼べず
ましてやカーニバルなんかとは縁遠い
「風」そのものでした

感じているだけで精神が浄化されていくのですよ

そんなことを思いながらひたすら飲み続け
最後は大塚のスナックで尾崎紀世彦を熱唱してしまったわけです


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物故美術関係者その弐。

2012-06-06 | 湯上がり短話
建築家もデザイナーも漫画家も写真家も華道家も映画監督もぜーんぶ混ぜこぜにしてやったぜぇ~、ワイルドだろぉ~。

http://yuagariart.com/artist-labo/07.html

まだまだ物故データを整理中。

データの中で画家、彫刻家、工芸家、書家ではなく、評論家・研究者でもない実技系の人たちを集めてみました。
人選としては、美術・芸術に関連深い関係者となっています(と思います)。

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物故美術評論家・研究者等美術関係者一覧

2012-05-21 | 湯上がり短話
物故資料から美術評論家・研究者等の美術関係者一覧を作成しました。対象にしたのは、美術評論家、美術関連の研究者、考古学者、美術収集家、画商、編集者をはじめ、美術評論を手がけたり芸術家と交流を持った詩人や小説家、哲学者、実業家などで、だいたい主な美術関係者はまとめられたと思います。これに著書・資料などを付けて一覧にしました。

調べてみると、画商や編集者の記録が少なく、この分野こそ我々が残さなければいけないと決意を新たにしたところなのですよ。ハイ

物故美術評論家・研究者等美術関係者一覧
http://yuagariart.com/artist-labo/06.html

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キャラ変換入ります。

2012-01-10 | 湯上がり短話
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

年末年始は長いこと大分に帰っておりました。
画像は天気がいいのに小雪舞う湯平温泉。

することがないので、ブログやグーグルプラスを見ているうちに
迂闊にもAKBに超詳しくなってしまいました。
この時代、キャラを変えなければ楽しめないことにも気づきました。

ということで、キャラ変換入ります。
ただいま確変中~。


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時の流れといふものだな

2011-12-13 | 湯上がり短話
先日、風呂で西條秀樹の「傷だらけのローラ」を熱唱しようとしたら、どうしたことか声が思うように出なくて、うまく歌えませんでした。中学生の頃だったらここで絶望してしまうところですが、長い人生、この程度の喪失感にはもう慣れっこです。「ああ、これも時の流れといふものだな」とか思いながら静かに受け入れ、納得しました。

次の日の朝、目が覚めると体がだるくてなかなか起きられませんでした。「ああ、これも時の流れといふものだな」と静かに受け入れようと思ったのですが、ふと昨日の夜、風呂で声がうまく出なかったことを思い出し、風邪のひき始めなのかもしれないと思い「風邪のひき始めに飲むとよく効く薬」を取り出してきて飲み、事なきを得たわけです。

と言うことは、これからは風呂で「傷だらけのローラ」を歌ってみて、声がよく出なかったら風邪のひき始めである、と判断できるわけです。ボクは喪失どころか「風邪のひき始めを判断する指標」を獲得したわけです。高校生の頃だったら有頂天になるところですが、思慮深い大人のボクは「ヤングマンでも試してみよう」と冷静にレパートリーの拡大を目指したのでした。

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今の仕事は楽しいですか?

2011-12-06 | 湯上がり短話
先日、うなされながら目を覚ますともう昼過ぎで、やっとこさ起きあがってパソコンを開けてみると、見知らぬ相手から「今の仕事は楽しいですか?」というメールが届いていました。

ボクは思わず後ずさりし、カーテンを少し開けて張り込み中の刑事のように外をのぞき、すこし気を紛らわせてからパソコンの前に座り直し、「今度こそこの質問にちゃんと答えなければいけないな」と思いました。

実は以前にもこの質問をされたことがあります。もう十数年前になりますが、行きつけの台湾料理屋のママの娘さんが高校生の時、絵を描くのが好きだという彼女はボクに、美術の仕事は楽しいかと聞きました。

ボクはその時いつも大人に話しているように、「どんなに好きなことだって仕事になったらそんなに楽しいもんじゃないよ」と自嘲ぎみに答え、彼女は「ふーん」と言ったきり黙り込み、その話は終わってしまいました。

あれから十数年たつというのに、あの時の会話が頭から離れません。どうしてあの時、情熱を持って、美術の仕事は楽しいんだ、と言ってやれなかったのか、いまだに悔み続けているわけです。

ボクは改めてパソコンに向かい、どこから来たとも知れないその迷惑メールを見つめながら、静かに、だけど熱く、「仕事は楽しいよ、キミも好きな道に進みなさい」と何度か言ってみました。

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画廊に買い物に行く時は

2011-08-16 | 湯上がり短話
就職せずにアルバイトを続けている若者たちを批判する人もいますが、まあ無責任に言えばバイト経験というのは、けっこう微妙なところで役にたつものです。

たとえば仕事で同じ作業を続ける場合、ボクは学生の頃さんざんやっていた焼き鳥を串に刺す作業を応用しながら、よりクリエイティブに効率化して単調な作業をこなすようにしています。

バイト経験だけでなく、無駄に思える行為が意外な場面で役にたつものです。

ハシゴ酒だって、場合によっては無駄とは言えません。たとえば飲んだくれて飲み屋を数件ハシゴして一晩に5万円使ったとします。これはどう考えても無益な行為に思えるし、その次の日の朝は深く深く反省することになるのですが、こんな経験だって役にたつことはあるのです。

その効用としては、一口に言えば「日常感覚からの解放」です。

なんといっても一晩に5万円も無駄遣いしてしまっているのですから、翌日買い物に行ったとしても、多少の金額差なんてないも同然です。そんな日常の金銭感覚から解放された瞬間、いままで見えなかった物の本質が見えてくることがあります。

画廊に買い物に行く時などにはおすすめの精神状態と言えます。

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禁断の小道具

2011-07-08 | 湯上がり短話
このところ梅雨とは思えない天気が続いていますが、安心して傘を持たずに出歩いていて、急に雨が降ってくると困ってしまいます。

そんな時に便利なのが折りたたみ傘です。カバンの中に忍ばせておけばよいわけですから、まさに「転ばぬ先の杖」です。

しかし便利がってばかりもいられません。

なんといっても「転ぶ前から用意周到に準備し転んだ時にああ持っていてよかったね」というわけですから、折りたたみ傘を持つことによって、冒険心は薄れ、日常に埋没し、心躍るようなハプニングも期待できません。

かなり前の話になりますが、女優の高橋洋子さんがテレビ番組で、初めてのデートの時に相手の男の子が折りたたみ傘を手でクルクル回しながらやってきたので、いっぺんで嫌いになったという話をしていました。

この場合、この男の子の失敗は、あからさまに「大人びた安心」を指先でクルクル回していたことにあります。それでは雄々しさに欠けます。小さくまとまり過ぎです。大物の匂いがいっさいしません。将来のある若者の行動とは思えません。

もちろん、この話を聞いて以来、ボクにとって折りたたみ傘が禁断の小道具になってしまったことは言うまでもありません。

その後、高橋洋子さんは『雨が好き』という小説で文壇デビューを果たすわけですから、罪作りな話ではあります…。

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これからの季節に最適、夢の営業方法

2011-06-29 | 湯上がり短話
節電のため冷房を消して全裸でカキ氷を食べながら、Not yetの第2弾「波乗りかき氷」を口ずさんでいる時に、急にお客さんが尋ねてくるとかなり困ります。

それに、そのお客さんときたら、この暑いのにスーツを着込んで一心不乱に語り続けるんですよ。そんなことはどうでもいいから、あわててパンツをはいてスプーン片手に応対しているボクの身にもなってほしいものです。

商談なんだから熱意を見せるのは大切でしょうが、こんなに暑いし、時代も時代なんだから、無理はせずメールでやりとりすればよいのです。それでは熱い思いが伝わらないとお悩みの方には、メールを使ったよい方法をお教えします。

その夢の営業方法とは、メールに「営業マン人形」を貼り付けて、その人形たちに活躍してもらうのです。エクセルに出てくるイルカのようなキャラクターをご想像ください。

そうすれば商談はスムーズです。

まず【とりあえずペコペコ人形】を数体送りつけます。次に頃合いを見て【まあまあ一杯どうですか人形】を混入、盛り上がったところで【不幸な生い立ちを涙ながらに語るわよ人形】を送りつけ、一気に商談をまとめ上げます。

万一これでうまくいかなくて、「もう会う気はない」なんて言われた場合には、【もう一度会ってくれるまで雨が降ってきてずぶ濡れになっても帰らないぞ人形】を投入して場をつなぎ、作戦を練り直します。

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どうしてもなのです

2011-05-26 | 湯上がり短話
子供の頃から「どうして」という言葉には悩まされています。

この言葉は主に疑問形で使われることが多いのですが、矢継ぎ早に浴びせられると返す言葉がなくなってしまいます。

思い起こせば小学生の時、ハンカチを忘れると保健の先生に呼び出されて、「ねえ、どうしてハンカチを忘れたの、ねえ、どうして、どうして」と詰め寄られ、小学生のボクは返す言葉がなくて、女の人に詰め寄られる大人の男の人のように困ってしまいました。

もちろん大人になってからもこの手の悩みは続いています。

質問の内容としては子供の頃と大差ないのですが、さらに答えるのが困難な状況を招いているというのが特徴です。

「どうして脂っこいものばかり食べるの、ねえ、どうして、どうして」とか「どうして酔っぱらって転ぶの、ねえ、どうして、どうして」とかです。

そんな時、ボクは主義主張を唱えるわけでもなく、自分の立場を表明することもせず、ただハンカチを忘れた小学生のように困っているだけです。

振り返ってみると、ボクはこの「どうして」という質問にまともに答えたことがありませんでした。ある時は絶句し、ある時は沈黙し…。

しかし今、キッパリと答えられる「どうして」があります。いや、答えなければならない「どうして」があると言うべきでしょう。

それは「どうして原発はいけないのか」という質問です。

いまこそボクはハッキリと言います。

「どうしてもなんだよ!」

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だけど不思議なのが大人の世界です

2011-02-28 | 湯上がり短話
最近健康上の理由でビールをやめています。だから乾杯の時も一人だけレモンサワーです。うっかり生レモンサワーを頼むとレモンをしぼるのに時間がかかってしまい、ちょっとあわてます。そのうえウニとかイクラも禁止です。栄養士さんに2時間も説教されたうえでの結論ですから本当のことです。

だけどこの切実な事情を素直に話してもなかなか相手に真意が伝わらないんですよ、これが。

先日も知り合いのお宅に誘われたので、先手を打って「ビールだけはやめてください」とキッパリと断わっておきました。加えて「とくにひと仕事終わった後に、キンキンに冷えたヤツをグイグイってやるのが一番ダメなんですよ。それにいくら奥さんが北海道出身だからといって、新鮮なウニやイクラをわざわざ取り寄せてもらっても、ボクは本当に困るんです」と念を押しておきました。

だけど不思議なのが大人の世界です。

あれだけ念を押しておいたのに、いざ訪ねてみるとビールがキンキンに冷えていたりします。

ボクはあわてて「ビールはしょうがないけど、ウニやイクラは絶対にやめて下さい。肉汁たっぷりのステーキなんか出てきたらボクは本当に怒りますよ」と声を荒らげるのですが、その人はすべてを見通した悪代官のように上目遣いにボクを見ながら深くうなずくだけなのです。

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芸のためなら~

2011-01-31 | 湯上がり短話
このあいだ小さな演芸場に入ったら、時間が早すぎて観客が自分のほかに誰もいなくて一人っきりでした。

それでも時間通りに演目は始まり、最初の落語家が出てきて「前座ってぇものはですね~、あ~、お客さまが誰もいらっしゃらなくったってぇ、やらなくっちゃいけない。お一人でもお客さんがいらっしゃるってぇことは、あ~、てぇへんありがてぇことでございやして~」なんてぇことを言っていました。

こういうのもなかなか粋ではありますが、やはり芸を育てるにはある程度の観客は必要です。観客と1対1ではお互いのためになりません。

だから、芸を極めようとしている人にとって、困ってしまうのがデートの時です。デートなんてぇものは、ほとんどの場合が二人きりですから、観客はいつも一人ということです。これではデート中になにか面白いことを思いついたとしても、観客が少なすぎて披露する気になれません。といってつまらない話をするわけにもいかず、黙ってばかりだと、彼女は「ああ、なんて無口でステキな人なのかしら」と誤解してしまうかもしれません。

これでは恋は実っても芸が育ちません。

やはりデートといえども他の観客が必要です。

観客としては、まずどんなことでも大笑いするオバチャンを二、三人、転んだとかすべったとか単語だけに反応するオジサンも一人、国際派を目指すために外国人も二、三人、保険のために女子大生を二、三人、とりあえずこれくらいの人数は必要です。大所帯になりますから、移動にはマイクロバスを借りたほうがよいでしょう。

あと、デートの相手も忘れずに加えておかなくてはいけません。

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会えない時間が愛育てるのさ

2011-01-24 | 湯上がり短話
よく新聞でみかける新卒学生を対象にしたアンケートで「デートの約束がある時、残業を命じられたらどうしますか」というのがあります。その結果、「残業」を選んだ人が多いと「不況のせいか、最近の学生は仕事優先だ」という結論になってしまいます。

しかし残念ながらこの分析はまったくはずれています。残業を選んだから仕事優先だと解釈するのではあまりにも短絡的すぎるのです。

一般的にいって、恋愛をより刺激的にするにはアクシデントやハプニングが必要です。だから約束がそのまま守られたのでは何の進展もありません。会いたいのに会えないという枯渇感こそが重要なのです。つまり突然の「残業」というハプニングは恋を成熟させる絶好のチャンスだと言えるでしょう。

だからこの質問で、デートよりも残業を選んだ人は、仕事人間どころか恋愛上手な遊び人だと推測できます。

もちろん逆の場合もあります。

生真面目で仕事をより深く理解したいと願う人は、自分の仕事を見つめ直すために敢えてデートを優先させるに違いありません。さらに仕事に対する枯渇感を味わうために、二人で日本一周自転車の旅に出かける可能性だってあります。旅を終え自分と仕事との関係が成熟した時、彼は真の仕事人間になることでしょう。

会社に席が残っていればの話ですが…。

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ヒーローアオキくん

2010-12-07 | 湯上がり短話
名簿でよくある五十音順というのは、よく考えてみると奥深いものがあります。すぐに出てくる「あ行」の人と、ずっと後になる「わ行」の人とでは小学生の頃から違う環境にいることになります。

出席番号の早いアオキくんは真っ先に返事をしてしまえば、後は野となれ山となれ悠々自適の気分ですが、なかなか出てこないワタナベくんは鈍い緊張感を持ちながらみんなの名前を聞くことになります。こんな環境下にずっといれば、アオキくんは後先考えずに行動する自由奔放な性格になることが予想されます。

明治洋画壇にいきなり登場し、放浪の果てに30歳を前に夭逝、天才の名をほしいままにした青木繁も「あ行」の「アオキくん」です。その奔放な行動は小学生の時の「出席取り」の頃から培っていたに違いありません。

そういえば、ボクの中学生のときの同級生・青木くんもやはり「アオキくん」らしさを存分に発揮し、ある夏休みの夕暮れ、突如姿を消しました。

正確には朝からいなかったのですが、大騒ぎになったのが夕方ということです。一夜開けて帰ってきた青木くんは「国東半島一周の旅に出たけど腹が減ったので帰ってきた」と大いなる野望と人間臭い挫折を赤裸々に告白したのですが、笑って許してくれる大人は一人もいなくてコテンパンにおこられてしまいました。

ボクのなかで「ヒーローアオキくん」が誕生した瞬間です。

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若者たちの警鐘的提言

2010-11-05 | 湯上がり短話
先日電車に乗っていたら、若い男女の二人連れが乗って来ました。

空席は多かったのですが、二人は迷うことなく、まず女性が座り、そのヒザの上に男性が座りました。大柄な男性を小柄な女性がヒザで支えるというサーカスのような光景に、車内は一瞬静まり返ったのですが、やがて車内のあちこちから賞賛のつぶやきが聞こえてくるようになりました。

このカップルの行為が車内の人たちの心を揺らしたのは、「非常識」を超えて「非日常」の領域に入ってしまっているからだと思われます。

非日常と非常識とは似ているようでまったく違います。もし男性のヒザの上に女性が乗っていたとしたら、それは単なる車内での「非常識」な行為で、周りの大人たちからは、冷ややかな目で見られていたでしょう。しかし、女性のヒザの上に男性が乗ってしまったため、この行為は常識を超えて「非日常」の域に達し、人々の心に訴えかけてきたのです。

もっと深い意味も感じられます。

この場合、女性も男性も決して楽な態勢とはいえません。むしろ苦痛を伴う無理のある姿勢です。つまり「座る」という行為の大きな目的の一つである「楽をする」ことを放棄しているわけです。これは電車のドアが開くと同時に座席を奪い合うようなコッケイな大人たちに、冷水を浴びせ掛けるような警鐘的提言でもあるのです。

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