おすすめ度 ☆☆★ (劇場鑑賞)
芸術映画好き ☆☆☆☆
カナダ・フランス合作 PG12
高い評価を受けるカナダの若手監督グザビエ・ドラン作品。
劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇の映画化。
会話劇主体、ほぼ役者の顔のアップの連続。
それも、意味のない怒りのセリフの数々。
見ているこちらは、いささか辟易。
ところが、ラスト近く、兄と妹との交わりようのない会話に、なぜか涙があふれだす。
それは、理解できない相手の会話なのだが、家族ゆえに、その心情が琴線に触れて、分かり合えないもどかしさと、わかってほしい欲望とが交差し、あきらめと希望が燃え上がる。
死期が近いことを、12年も離れていた家族に話そうと帰郷したが、結局言い出しそびれて。
監督の演出もさりながら、機関銃のようにはくセリフと、自ら高揚して叫ぶような雰囲気を演じる役者たち。
一方、主人公は、ほとんど話さない。そのギャップがまた物語を引き立てる。
主人公は、ギャスパー・ウリエル。
兄をヴァンサン・カッセル、妹をレア・セドゥー、兄嫁をマリオン。コティヤール。