About Money,Today

ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

ひふみアカデミー(2015年9月の運用報告)久々に参加(その1)

2015-10-06 23:25:27 | 直販投信

毎月開催している、レオスキャピタルワークスの「ひふみアカデミー(2015年9月の運用報告)」に久しぶりに参加しました。2015年10月1日から藤野英人さんが代表取締役社長に復帰したため、最初に挨拶がありました。

<以下、挨拶概要>
・当社は2003年に私を中心に湯浅、五十嵐と創業した。なぜか。当時の日本にはいい金融商品がなかったから。たとえば、「日本株の投信でいい投信ありますか?」と街でビジネスマンに質問しても答えられないのではないか。
・米国なら「キャピタルのAmerican Funds」「フィデリティのマゼランファンド」、「バンガードのグローバルファンド」といった声がでてくる。
・でも、同じ先進国の日本には(そういう声は)でてこない。そういうファンドができないかと思い、2008年10月1日にひふみ投信を作った。
・ただ、時期が悪かった。リーマン・ショックの後。システム投資をしたあとで残高が減り、財務的にも厳しい状況に陥った。今も大株主であるISホールディングに支えてもらい、7年やってきた。
・ひふみ投信+ふひみプラスのマザーファンドは800億円を超え、日本株ファンドではトップクラスの成績をあげることができている。
・まだ「国民ファンド」になっていないが、10年後には、東京駅で聞いても、10人中半分くらいの人は(ひふみのことを)知っていてほしい。そのためには、成績もよくて、信頼されるファンドになっていないといけない。
・社長をおりてから運用と営業をがんばってきたが、これまで以上にがんばっていきたい。

*毎月1回行われている、運用報告(ひふみアカデミー)の一部はUstream動画配信されています。報告会の一部はアーカイブされていて後から視聴することが可能です。ですので、運用報告の内容については、記載しません。興味がある方はご覧ください→こちら
(→毎月定期的に運用報告を実施。地方在住者にも配慮してインターネット配信をしている点はよいですね。資料もダウンロード可能)

*ひふみのあゆみ(運用レポート)簡易版は こちら から

*藤野さんがアベノミクスの新3本の矢について「矢ではなく的が飛んできた」と言っていたのは笑ってしまいました。


フィデューシャリー・デューティーはすべての関係者にとっての課題

2015-10-02 08:59:08 | 投信

『投資信託事情』2015年10月号の巻頭インタビューで金融庁 検査局 総務課 市場業務等 モニタリング長の水野清司さんにお話をうかがいました。タイトルは「フィデューシャリー・デューティーはすべての関係者にとっての課題-真に投資家に資する金融サービスとしての投信へ」です。

金融庁は、2014年に公表した「金融モニタリング基本方針」に基づく1年間の金融モニタリングの成果を、「金融モニタリングレポート」として今年7月に公表しています。レポートでは「商品開発、販売、資産運用、資産管理それぞれに携わる金融機関が、その役割・責任(フィデューシャリー・デューティー)を果たし、資産運用能力の向上に努める必要がある」と指摘しています。

レポートから浮かび上がった投資信託の課題とはなにか。フィデューシャリー・デューティとは何を意味するのか、そして、長寿投信を育てるために、運用会社、販売会社、そして、投資家ができることは何なのか--などをうかがいました。よろしければ、ご一読ください。


三井住友アセットが「運用報酬に関する基本方針」を策定・公表

2015-10-01 08:42:27 | 投信

三井住友アセットマネジメントは「運用報酬に関する基本方針」を策定し、公表しています。

柱は以下の4つ。
・運用報酬はお客さまに提供する運用サービスの対価であり、その内容に応じ報酬水準を決定します
・販売会社の手数料を含め、お客さまにご負担いただくトータルの手数料についても商品・サービス内容に見合ったものにします
・報酬水準は環境の変化に応じて見直し、既存商品についても合理性を欠くものは改定します
・卓越したサービスの提供と一層のコスト管理に努め、お支払いいただく運用報酬に対する満足度の向上を図ります

●詳細はこちら ↓↓↓
三井住友アセットマネジメント|プレスリリース
「運用報酬に関する基本方針」の策定および公表について(2015/9/30)

これは2015年8月に同社が公表した「フィデューシャリー・デューティー宣言」の中のアクションプランにもとづくものです。
 ↓↓
「フィデューシャリー・デューティー宣言」および「フィデューシャリー・アクションプラン」の公表について

同社は「フィデューシャリー・デューティー宣言」だけでなく、具体的な施策として「フィデューシャリー・アクションプラン」を策定。「運用」「商品開発」「お客様サービス」「経営インフラ」のそれぞれの分野について、具体的な運用と実施時期を記載しています。

手数料については、
・お客さまにご納得いただける合理的な手数料を設定します→実施時期:2015年9月
・お客さまのご理解のため、信託報酬等の手数料差引後の収益率イメージの明示を順次、進めてまいります
→実施時期:2016年3月

と記載されています。2016年3月にはもう少し具体的な数値がでてくるのだと思います。

日経電子版の記事では「自社で運用する投資信託について投資先や運用手法が同じタイプのものは信託報酬も原則同じにする」という記載がありましたが、「運用報酬に関する基本方針」を読む限りでは、そうした記載はないようです。
<ご参考>
三井住友アセット、類似の投信は手数料統一 (2015/9/30:日経電子版)

「フィデューシャリー・アクションプラン」では、ほかにも、たとえば
・ユニバーサルデザインによるわかりやすい目論見書、報告書の作成を開始します→実施時期:2015年9月
とあるので、こちらも個人にとって読みやすいものになっていくとよいですね。

フィデューシャリー・アクションプランの実施状況については半年ごとに公表する、としていますので、長期的な取り組みについて、引き続き注目していきたいと思います。