音楽の喜び フルートとともに

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生命のある音

2009-07-07 23:13:02 | 音楽

ポーチュラカ(ハナスベリヒユ)は公園の、植え込みに植えられていました。小さな、かわいい花は園芸品種というより、スベリヒユという雑草に近い感じがして、可憐です。

フルートの神様、マルセル・モイーズ先生はソノリテの中で、「生命ある音で演奏すること」と書いています。

仰向けになって演奏して、起きて演奏したものを録音して、聴き比べてみると、全く別人が吹いたのかと思うほど違います。

演奏する時には、リラックスした方が良い、脱力と柔軟。呼吸は腹式呼吸。と言うことは、誰でも学んでいることだと思いますが、さてそれを実践するのは中々大変。
立って、細かい音符を読みながら、楽器を構え、左右非対称の不自然な体の形で演奏します。息はまっすぐではなく少し下に向けて吹き、息の4分の1は外に向かって出て行ってしまいます。

結局のところ、どんな細かい操作や技術を積み上げても、「生命のある音」で演奏できなければ、惜しい演奏にしかならないということがわかってきました。

誰が一番柔らかい身体をもっているか?と考えてみると、赤ちゃん以上に柔らかい体を持っているヒトはいません。そして、誰しも赤ちゃんの時には柔らかい身体を持っていました。だから、思い出しさえすればいいのです。

安心して、すべての体の器官が、世界中に開かれていた時代。五感、すべてを使って世界を知ろうとしていた時代。意識は忘れていても脳は覚えているはず。

遺伝子は生命が生まれてからすべての生物の記憶を、私達の細胞の中に保っているそうです。
一つの鎖が切れても、今いる私の存在は無い。人になってからでも1000人以上の、遺伝子が記憶されているということです。
どんな大天才でも、脳の10%しか使わずに死んでいくそうです。それならば、誰でも、もっと、よりよく動いたり、感じたりする可能性がある・・・もちろん、私にも。

では何が、その能力を生かすことを妨げているのか?

私達は、みんな子どもの頃、大人に守られて育ってきました。その過程で、無知でいたり、無力でいた方が得なことがあると言うことを学んできました。争いを避けるためだったり、自分の命を守るためだったり。そのときは間違っていなかった選択は、もう必要の無い今この時にも、私を縛って解き放たない。
フロムがいう「自由からの逃走」とはこのことなのでしょうか?

過去を振り返って嘆くことはありません。誰でもみんなそういう部分を持っているから、後、1%でも、必要な時に選択できれば、かなり自由に動く心や身体をえることができるはず。もうすでに、私達は今ここに、生きているだけで奇跡の存在なのですから。


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