
「もし2人だったら。。あっちを選んだかもな」
モリノネコはカウンター席の方を見ている。
奥のモニターがサッカー選手の歓喜を写していた。
赤いユニフォームの1人が大写しとなる。
イケメンの彼は人差し指を突き立てた。
「やったぞ」
ゴールを決めた事をモリノネコに報告した。
食べるという行為は恥ずかしい。
向き合うなんて。。
モリノネコはまたトヨハシタモツを考えていた。
間もなく。。
新人くんがビールを運んで来る。
ふふ。。
新人くん。。
「よし、、次は名札を見てやろう」
そう決めた時、再び点が入った。
不自然に手が長いゴールキーパーが悔しそうにボールを蹴り上げた。
同点。
もみくちゃの渦のその中心にヒーローはいた。
執拗なチームメートの祝福を振り切ると彼は駆け出した。
緑に染まる観客席の前でくるりと宙返り。
大仕事をやってのけた彼はどう見ても少年だった。
彼が拳を突き上げた時、
新人君と名付けられた大きなウエイターがビールとともに現れた。










