多摩美的四百字小説部 ( 、、よ永遠に。。。 )

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大日本人

2007-10-14 | 
モリノネコはダイナーにいた。 深夜の様なゆっくりとした時間の流れが店内まで充満している。 田舎の早い夜。 ボックスの席に入り程良く固いソファに全身を預けると、 休息という言葉がマッチした。 カウンター席の奥ではモニターが外国のサッカーを流している。 テーブルの下でパンプスを脱いだ時、 ようやく店員が注文を取りに来た。 大きな手が悪気なく近過ぎる位置に水を置いた。 (新人じ . . . 本文を読む
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パルプフィクション

2007-09-30 | 
豊橋保は生涯で1番の遅い歩みを楽しんでいた。 ジグザグ歩き、 つま先歩き、 片足飛び、 森野音己はそこまで来ている頃だろう。 「こっちが見えてるかな」 そう思い変な歩き方をしたくなる。 森野さんを笑わせたい。 滑稽なステップを交えるが後ろは見ない。 前だけを見て極力ゆっくりと進む。 立ち止まって待たない。。 森野さんに追いついて欲しい。 森野さんから声をかけて欲し . . . 本文を読む
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スパイダー

2007-09-23 | 
豊橋保は全力疾走の足をゆるめ始めた。 爽快。。 切れる息に懐かしい感覚を覚えながら深呼吸する。 立ち止まり重力を取り戻したカバンを左手に持ち直した。 切っていた風が止んで、 火照った全身を例のしんとした路地の空気が包み込んだ。 顔だけで背後を確認する。 森野音己の姿はなかった。 左右交互等間隔の電柱の弱々しい灯り。 ジグザグの点の闇の中を森野音己が歩いて来る。 それだけ . . . 本文を読む
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許されざる者

2007-09-16 | 
(いいんですか) 豊橋保は自問とは裏腹に、 ワクワクと軽やかに次々と、 水たまりをジャンプする。 板塀の上を5才のカレが並走する。 「もういいんじゃないか」 うっすらとも髭も生えない口許から、 大人びた口調で呼応されても、 豊橋保に動揺はない。 (もう。。いいんですか) 森野音己と出会ってすぐ、 豊橋保は“女”を見た。 芽生える意識を摘み殺してきた習慣。 . . . 本文を読む
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愛に囚われて

2007-09-09 | 
不意に現れた5才の豊橋保。 駆け抜けて、 猫になって、 。。どうして そんな疑問は湧いてこない。 27才の豊橋保に混乱はなかった。 フォーカスを森野さんに戻す。 相変わらず月の光はやわらかくて、 闇から彼女をくっきりと照らし出していた。 無垢な瞳が弱い光をやさしく反射する。 森野さん。。 何かが弾けた。 パァンと音がして、、 森野音己が裸になる。。 . . . 本文を読む
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