26日 (月) 晴れ 暑し
二時間許り眠って七時に起床。段々畠の凹地
へ三ヶ中隊一線に放列を布く。放列布置が
終った頃大隊長が来られて敵は遠くに下がって
しまって此処からは射程が届かぬので陣地変
換だと言ふ。而しまだ先の偵察してないので此処
で待機して居れと言はれる。各中隊のんびりと昼
飯の準備などしてゐると十一時頃になって中隊
長が飛んで来て直に陣地変換と言ふ。今、昼
飯を炊きに行ってゐますと言ったら陣地変換だと
言って叱られた。仕方がないので炊事の兵を数名
残して戦砲隊は出発する。乾いた田圃道を
南進、敵が退却の為作った道らしい。土煙りが
ものすごい。Abucayの西方迄行って又ものすごい
凸地の陣地に進入。工事をしてやっと進入する。
兵隊は昨夜から殆ど眠ってないので疲れてしまっ
てゐる。放列布置終った所が何時頃射撃するの
か分らない。こんな状況なら何も急いで陣地変
換する必要はないのだ。一二中隊はもとの位置で
のんびり休んでゐる。三中隊は何を慌ててゐ
るんだと冷かされてゐる。うちの中隊長はどうも
功をあせるのでいかん。そんなにあせった所で中
隊長の功績は二中隊にとられてしまふのだ。三中
隊ばかり忙しい目に遭ってかなはぬ。
今夜は此処へ露営。中隊付属、指揮小隊は
Abucanの町の教会に舎営してゐるらしい。此
方は露営だ。一、二中隊は後方の河辺に全部集
結して中隊長指揮の下にのんびり宿営してゐるのに
三中隊は指揮機関だけ遠くの町に舎営
してゐるが戦砲隊は露営。
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