美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




というわけで、内海さんの個展を観るために京都に行ってきました....

内海さんと言えば、大小のドットの作品。今年もスパイラルの大き
な空間やギャラリエアンドウの狭小空間をものにしてきました。

さて、今回の会場は eN arts。円山公園の中にあるロケーションも
さることながら、和室があったり、地下に黒壁のスペースを持って
いたり、不思議なたたずまいを持ったギャラリーです。

今回の展覧会はそんな空間を使った内海さんの冒険です。

小さな球面にドットを打ち込んだ作品。これはこれまでの延長です。
小さな球体の表面に盛り上がった色彩は、さながら月面のクレーター
のように見えます。

そして、それに続く先入観を覆す作品群...

クレヨンで描いたスクエアを並べた壁面...これはこれまでの作品に
顕著だった素材の質感が極力抑えられています。あるいは一点一点
に異なった風合い(=錆具合)を見せる作品は鋳造されたもの。

そして横長の新作...

内海さんの作品はとてもソリッドで理知的です。縦長のキャンバス
を繋いだこの作品も最初はそんな風に描かれているのですが、最後
の二枚にこれまでには見られなかった滲んだようなドットが見られ
ます。それはさながらアクションペインティングのようです。

そこから地下に潜っていくと...

照明を落とした暗室の中に展示されている作品は、鈍い光を放って
います。これまでは光の中で輝きを見せていた内海さんの作品が、
まるで違ったもののように見えます...

内海さんもキャリアを積んで、少しずつ試行錯誤をしてきたのだと
思うのですが、今回ほどチャレンジしたことはなかったのではない
でしょうか。何から何まで意表をつくことで、驚かされました。

内海さんは絵画と美を結びつけて語られます...
参考 制作の言語の制作

これら新作の美はどこにあるのか。そして我々はそんな内海さんの
作品のどこに美を見つけるのか...

今回の展覧会には吹っ切るような何かを感じ、一方である迷いを感
じます。内海さんもキャリアを積んできたので、ちょうど端境期に
あるのかもしれません。今回の作品を目の当たりにしてこれからの
展開の予想がつかなくなってきたのですが、そんなことを感じるの
も同時代の作家ならでは。これまで同様に期待したいと思います。

内海聖史展『ボイジャー/Voyager』 (eN arts) 8/1-30

おまけ その壱 内海聖史コミュの管理人をやっています。
内海聖史コミュ

おまけ その弐 そう、今回は内海さん二十回目の個展だそうです。私
はそのうち何回観たことがあるのかな。グループ展を含めてあれこれ
書いたものをリンクしておきます。
内海聖史展『千手』(ギャラリエアンドウ)
内海聖史展『色彩のこと』 (スパイラルガーデン)
内海聖史展『十方視野』(ラディウム)
風景ルルル (静岡県立美術館)
屋上庭園 (東京都現代美術館)
Landschaft IV (ラディウム−レントゲンヴェルケ)
内海聖史・岩野仁美 二人展 『苗色の絵画』 (Gallery Box Exhibition)
Shiseido art egg 内海聖史展 (資生堂ギャラリー)
Aランチ(AXIS Gallery ANNEX)


コメント ( 4 ) | Trackback ( 1 )



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コメント
 
 
 
アイスクリームと葡萄 (mizdesign)
2009-08-25 06:23:18
こんにちは。
内海さんの色彩美は、観る者に様々なイメージをみせてくれますね。
これまでは「空、新緑、花、果実」でしたが、今回は「アイスクリームと葡萄(マスカット、巨峰、デラウェア)が美味しそうに見えました。
 
 
 
Re: アイスクリームと葡萄 (lysander)
2009-08-26 00:47:54
mizさん
コメントありがとうございます。

> アイスクリームと葡萄
アイスクリームと葡萄でしたか!

今回は作品の中に具体的なイメージを見出すよりも先に、
描き方ばかりが気になってしまいました。
 
 
 
Unknown (noel)
2009-08-27 12:43:52
近くにいたのに結局見れませんでした...(涙)ギャラリーが週末だけのオープンとのことでアキラメましたが、記事を拝見したらやっぱり見たかったなあ〜〜と後悔しきりです。
 
 
 
Unknown (lysander)
2009-08-28 00:30:44
noelさん
こんばんは

まだまだ観る機会はいくらでもありますよ!
# というのも同時代の作家ならでは...
 
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