マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 



(写真)送付されてきた反則通告書

 毎年、1000台以上の自動速度取締装置が設置されているフランス
 4月12日は「全国運転マナーの日」とされ、政府あげて安全運転の啓発を行っているものの、やはり「実際に取り締まらなければダメだ!」ということで、仏運輸省は装置の増設を進めており、それに伴って交通事故死亡者数も減少に転じているそうです。

 ところで、その自動速度取締装置に先日、遂につかまってしまいました
 場所は高速A75号線の下り線で、ミヨーの大橋から更に南に行った、峠道の区間。通常、フランスの高速道路は130キロ制限ですが、ここは山岳地帯のため70~80キロまで制限速度が下がっており、この制限を守らせるために自動速度取締装置も設置されていました。私が運転していたのは地中海へと下る下り坂で、80キロ制限の比較的まっすぐなトンネルを運転している内に自然と速度が増し、トンネルを出たときは86キロ。とたん、背後からピカッとフラッシュがたかれ、私の車がしっかりと撮影されてしまったという訳です。この2年というもの、(普段から安全運転を心がけていることもあって)フランスでは一度も速度やその他の交通ルール違反を犯したことが無かっただけに、この一件は全く以って遺憾でした。

 3~4日後、「フランス政府から」とある手紙が来たので開けてみると、早速「AVIS DE CONTRAVENTION AU CODE DE LA ROUTE」(道路法典違反の通知)と題する速度違反の通知が・・・(写真)。まあ、法定速度を超過していたことは事実なので大人しく反則金を払うことにしましたが、書類を見ると、「違反速度86キロ」、速度検知器の誤差5キロ分を差し引いて、「確認された違反速度81キロ」。日本だと、制限速度プラス10キロぐらいはそもそもオービスが作動しないと言われていますが、ここフランスでは5キロオーバーでもアウトになってしまいます。うーん、厳しい・・・。ちなみに、その誤差差し引き幅は1991年1月7日の速度取締装置の設置、管理及び作動上の技術的要件に関する省令で定まっており、時速100キロまでが5キロ、100キロを超える場合はその法定制限速度の5%、となっています。従って、例えば装置が時速140キロを記録した場合、反則金適用上の速度は133キロになります。

 ちなみに、今回の場合の反則金は、「違反速度1~20キロ」のカテゴリーに入り、68ユーロ(約9860円)(その他、免許のポイントも1点減点)。ところが、これを反則通知の発送日から15日以内に払い込むと45ユーロ(約6530円)に「割り引き」され、逆に45日以上支払いを怠ると180ユーロ(2万6100円)に「割り増し」される制度になっています(取締装置による検知に対して異議がある場合は、同額の金員を預託した上で争うことになる)。これは、違反ドライバーになるべく早期に罰金を支払わせようインセンティブ(動機)を与ようとするもので、交通違反をある種の行政規則違反として真面目に扱う日本と、「違反は違反。手早く反則金を払わせるための制度は制度。」と割り切る欧米の違いがよく出ているなあと思いました。

 さて、その反則金の支払いですが、これまた日本よりも相当柔軟に出来ていて、なんと「電話と銀行デビットカードによる支払い」「インターネットによる支払い」「小切手による支払い」が出来ます(無論、通常の手段として証紙による支払いも可)。
 「電話による支払い」の場合、08-2011-1010に電話し、オペレーターに14ケタの事件番号と2ケタの確認番号を伝え、銀行デビットカード(カルト・ブルー)の番号を伝えると支払いができるというもので、要求すれば48時間以内にレシートも送付されてきます。
 更に便利なのが「インターネットによる支払い」で、経済金融産業省の管理する、その名も「罰金ドットコム」(https://www.amendes.gouv.fr/)にアクセスし、14ケタの事件番号と2ケタの確認番号を入力。支払いには銀行デビットカードに加えてビザ等のクレジットカードも使え、その場で支払い証明書が発行されます。警察の交通反則通告センターに出向く必要もなく、ネットとカードがあればどこからでも支払いができるというこのシステム。行政コストの削減に大いに繋がるであろう一方、あまりにも簡単に反則金が支払われてしまうと「速度違反をした!」という「感銘力」が弱まってしまうということもあり、なかなか日本では導入しづらいのかもしれません。

 



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
あらら (nei)
2006-06-20 04:35:12
罰金ですか。。



でも、国(道?)が広い分

制限速度はかなり上ですね。



今日からスウェーデンに来ています。

ここは日が長いですねー。

21時半なのにまだ明るいです。。。
 
 
 
欧州の長い昼 (菊地 健(マオ猫日記))
2006-06-20 16:02:27
 この感覚で日本に帰ったら、ホント「運転荒いドライバー」でしょうね。



 北欧ほどではないけれど、ここリヨンも夜8時ぐらいまで明るいですね。お陰で旅行をしても「昼間」の時間が長いので、おトク。しかも梅雨が無くてずっと晴れているので最高の観光シーズンですよ。もっとも、逆に冬は5時前から暗くなりだすので、損した気分・・・寒いし、曇りがちだし、なるほど欧州で冬、鬱になる人が出るのもうなずけます。
 
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