前回に続きまして、世界フィギュアのペア、フリー演技を観ました。
若手もベテランもそれぞれのペアの事情がうかがえる大会でもありましたね。
いつものように印象に残った選手達の感想です。
ウォーミング・アップする中国勢。
まずはドイツのマリ/アーロン組。
フリーは「アランフェス」♪
演技直後に涙ぐむマリさん。
今まで何年も観ていたペアですが、このペアとしては最後の演技だったのですね。
今季はドイツ国内チャンピオンにもなりましたが、二人の最後の試合は15位で終わりました。
決して上位にはならなかったけど、いつもしっとり静かに演じる印象がありました。
このフリーの前にはマリさんの衣装が壊れウォーミングアップに間に合わないアクシデントもあったとか。
そして男性は軍隊に入隊する予定があるので、お互いに別の相手を探すようです。
ドイツのペア事情もまだまだこれからですが、とりあえずお疲れ様でした。
そして注目のマルケイ/ホタレク組。
今季はどちらのプログラムも大好きです。
フリーは(橋大ちゃんの)「道」!
マルケイの衣装、可愛い。
サイド・バイ・サイドのソロジャンプ、3Lzを降りました~!!
ホタレクが3Lzを成功させたのは2002年以来だとか。
チャレンジしてますね~。
3連続ジャンプも入るタイミングはズレたけど、途中でしっかり合わせお見事。
スロージャンプを決めてホッとしたのか、アクセルラッソーリフトが上がらずノーカウント。
この時からマルケイの表情がシュンとしたように見えました。
演技後にしょげるホタレク・・・
でも組んで一年目でここまでできたのは本当に凄いことですよ。
岡部さんも「アクセルラッソーは難しいリフト。最初のワールドでここまでできたら充分です。」と何度も評価していました。
3Lzを入れるのもラドフォード組以来ですからね。
マルケイがペアに転向する時、反対が多かったとか。
でも結果を残すにつれ、批判が応援に変わったそうです。
私はかなり前にホタレクのタンゴを観て「雰囲気のある男性だな」と思っていました。
マルケイは女子シングルで表現力の高い選手だったので、この二人がイタリアペアになったのは本当にビッグニュースだったのです。
初めての世界フィギュアでとても魅了されました。
次はフランスのジェームス/シプレ組。
Tシャツの写真はヘリの事故で亡くなったフランスのアスリート達です。
さて、このペアはミスが多いイメージがあったけど、男性が果敢にリフトを続けてきましたね。
最後はガッツポーズしながらのリフト、そして嬉しそうに涙するジェームス。
リフトの落下からしっかり立ち直った演技を世界フィギュアでできて良かったですね。
そして、ブルザはいつも素敵!
続いてロシアの若手ペア、タラソワ/モロゾフ組。
フリーはライオネル・リッチーの「ハロー」♪
ユニゾンもぴったりでほとんどミスのない演技でした。
ロシアの上位選手がいないこの大会で充分に力を発揮しています。
岡部さんは「素晴らしかった!」と前置きしてから・・・
「フラットな曲調なのでプログラムのハイライトがない。」
「二人の良さが出し切れていない。」と厳しくコメント。
赤平さんなんて「ウォッカのようなパンチが欲しい。」と・・・。(うまい事言ったな)
今シーズン、ゾルコビーをコーチに招いたのがトランコフだとか。
そしてトランコフが振りつけたフリープログラムでした。
次は期待のペン/ジャン組。
フリーも異色の曲「アレグレット」♪
手応えを感じて喜ぶハオ・ジャン。
冒頭の4回転ツイスト、お見事でした。 10.53点!
ソロジャンプのミスはあったけれど、スロージャンプの高さや流れは素晴らしかった。
ペンちゃん、動きや表情、表現がとてもきれいになりましたね~
個性的な難しいこの曲、滑り終えた直後、満面の笑みのハオ・ジャン。
フリーは136.96点。
トータルで206.63点、総合で4位です。
岡部さん「シーズン当初、難しすぎるのでは、と思った。」
「滑りこんでここまで仕上げて、メリハリのつけ方が素晴らしかった。」と高い評価。
私はソチシーズンのプログラムが好きだったけど、今回の世界フィギュアの演技には釘付けになりました。
今季のプロも良い。
まだまだ挑戦し続けるハオ・ジャン!
「儚さ」をとてもうまく表現できるようになったペンちゃん。
このペアは本当に楽しみです。
そして川口/スミルノフ組。
ソチのために用意していたプログラムですね。
チャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」♪
うぅ・・・恐れていたミスがいっぱい出てしまった。
ソロもスロージャンプもデス・スパイラルもミス多発・・・
悠子さんの演じる「狂気」じみた迫力のある演技も要素が決まらないともったいない。
トータルでも200点に届かず、残念なフリーになりました。
岡部さん「もっともっと自信を持って良い。」とエール。
ストイックな悠子さんに対して、つい言葉が出たかのようでした。
それから本当に最後の滑りとなるパン/トン組。
フリーは「イオチサロ」♪
もう滑りが別格でした。
まるで「スケート人生」をすべて表現しているかのよう。
最初にミスはあったけど、もうそんな事は関係なく、美しい流れのスケートを見せていただきました。
有終の美を飾るのは本当に大変なことだと思います。
特に男性の足はボロボロになっていたはずだから・・・
最後の大きな大会で見事な銅メダルでした。
岡部さんも「ひと味もふた味も違う大人の魅力。」と。
赤平アナもしみじみ感動していましたね。
一つの時代が終わったと思います。
中国ペアとして世界を魅了してくれたお二人。
世界フィギュアで観られて幸せでしたよ。
と言う事で、印象に残ったペア、好きなペアの感想でした。
インタビューの数々です。
ふりーと最終結果はこちら。
まだペアを観ただけで、充実感がいっぱいです。
やっぱり全滑走を観ないと満足しません。
ペア競技に私は何を求めているのかな~
高難度の要素も大事だけど、プログラムに合った表現が一番気になります。
二人のユニゾン、誰も入り込めない世界観・・・
もちろん、ミスがない方が良いけれど、それ以上にお二人の愛を感じられたら嬉しいです。