写真はまるくんがかつていた公園の一角。手前の滑り台下で雨の日はご飯を待っていたっけ。
11月23日金曜日。その日の夜にやつれた姿で現れ、以降姿を見せていない。力尽きたのだと思う。
あの晩、みるくちゃんはいつものように姿を見せた。まるくんがいないなぁ、とふとみると、フェンスの向こう側に立っていた。今までになくやつれていた。ふにゃっと息をするように鳴いた。もう、ニャッという声は出ない。今晩がやまだと思った。いつの間にか足元にやってきたらしく、気が付いたら落ち葉の絨毯の上に横になっていた。
そっとなでた。このまま死んでしまうのかもしれない。ご飯の器を水道で洗って戻ると、頭をもたげていた。近寄って触ると安心したのかまた横になって丸くなった。そっとしておいてやろう。そう思った。
帰宅した。そして最後の晩になるかもしれないから抱っこしてやろうと、バスタオルをもって公園へ戻った。きっとまだいる。
横になった場所に近づいてみると、まるくんはいなかった。どうやって戻ったのだろう。歩けるような状態ではないはず。公園の周囲を探したが姿はなかった。いつもどこで眠っているのか皆目わからないまるくん。探しようもなかった。
まるくんは翌朝、姿を見せなかった。多分、もう生きてはいない。あの状態で公園に現れたのが奇跡だ。帰らずに抱っこしてやればよかった。いくら後悔してももう取り返しがつかない。まるくんは自分が可愛がられていたことは知っていたはず。でも、最後だと予想できたのに、しっかり抱っこしてやらなかったことは悔やまれる。まるくん、ごめんね。
この写真のまるくんはまだ元気なころ。デカトラと異名をとったくらいだから太っている。
もう、まるくんには会えない。最後の数日、抱っこするとまるくんは私を見上げ、大きな瞳で見つめ、顔をくっつけてきた。まるくん、可愛いよ、まるくん、大好き、と何度も言った。まるくんは私の腕に頭を乗せてジッとしていた。
まるくん、みるくちゃんに優しくしてくれてありがとう。甘えてくれてありがとう。忘れないよ。